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鈴木麻純, かなみ凪 / アルファポリス文庫 (5件のレビュー)
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霧崎寧々
確かに鍾馗の言うことは間違ってはいないし、信太郎の言い分も分からなくはないと思うからこそ複雑な問題なんだと思う。 身に覚えがないとは言い難いので気を付けたい「姥捨て山」。 一部を切り取ればハッピエン…ドだが、文香にしたら救いがない気がする。 権力のある酒乱は厄介という教訓を残した「打金磚」。 いっそ彼のように自由気儘に生きることができたらベストではなくともベターな人生であったとか思いながら死ぬことができるのかもしれない。 自分は嫌いじゃないし、このようなキャラクターは創作物の中にいるのであれば、むしろ好きと言えるのかもしれない。 彼女があそこまで彼を憎んだのは、遊びだと割り切ることもできないくらい彼のことを愛していたからだと思うと、陳腐な言い方だが、何て罪な男なのだろう。 元となった作品の方も、とても印象的なものだった「ドン・ジュアン」。 ちなみにドン・ジュアンというのは英語読みであり、伝説の色事師の出身地であるスペイン語での読みはドン・ファンで、英語のwomanizerと同じ意味らしい。続きを読む
投稿日:2017.03.26
ma-sh
今回は「ドン・ジュアン」が良いかな。自らの生い立ちや悪意を肯定して死に向かう諦感がイヤミなく描かれていると思います。
投稿日:2015.09.06
pandarion
シリーズ5作目 3編収録 5作目ともなればお約束感が否めないのも仕方ないですが、今回は少し変えてきましたね。 読後感の悪さはなくなりましたが、なんか切ない。特に「姥捨て山」は、切なくてやりきれない。 … 誰にでも起こりうる、と言うか何処にでもある、と言うか。 けれど、何があっても何処まで行っても親は親なんですね。 本作では「ドン・ジュアン」が好み。 と言うより、安心して(?)読めた。 今後の進展が気になる所なんですが、うーん。 続編読むか迷い中。 (今月新刊出ましたよね?) まぁ、何だかんだ言っても結構好きなシリーズなので、とりあえず読むんだろうな。続きを読む
投稿日:2013.01.28
katefullmoon
気に入った一節 -- ああ、何て不確かで頼りない感情だ。裏切られたかと分かった瞬間に、激しい憎悪に変わるのだ。実に恐ろしい感情ではないか。 -- その裏側に激しい愛情があるからこそ、裏切られた相手は深…く傷付き悲しむのだ。自分が壊れてしまわないように相手を恨むのだ。共に過ごした幸福な日々が偽りであったなどと信じたくはなくて、執着し、仕返しをしたいと思うのだ。 どれだけ自分が傷ついたか。どれだけ自分が愛していたのか。 それを相手が分かってくれたのなら、また、もしかしたらやり直すことができるのではないかと。後悔と謝罪を口にしながら許しを請うて、再びその唇で愛を紡いでくれるのではないかと―――淡い期待を抱くのだ。続きを読む
投稿日:2012.12.28
tunist
陰陽師、報復、本といったキーワードにそそられ 読み始めた「蛟堂報復録」も文庫で5巻まできた。 一番最初は、「はずしたか...」と思ったけれど、 けっこうはまってます。 恋人の比奈さん、ドン・ジュアンで…は、とっても いい感じです。続きを読む
投稿日:2012.10.26
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