【感想】鉄道会社がつくった「タカラヅカ」という奇跡

中本千晶 / ポプラ新書
(1件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • 秋津

    秋津

    「何故タカラヅカは100年も続いたんでしょうね?」と聞かれて、「もしかして、鉄道会社がやっているからじゃないですか」という発想が素晴らしい。
    確かに、粛々と時間通りに始まり時間通りに終わる。例外として2018年6月の大阪北部地震では開演時間を遅らせた(客席が埋まってなくても開演した!)し、台風で中止になったこともあるが劇場と関係者の安全を確保する必要性があるから当然だろう。流石鉄道会社だと思う。

    歌劇団は在団中は生徒、退団したらOGと呼ばれることに象徴されるように100年以上続く伝統校である。「(朗らかに、)清く、正しく、美しく」の校訓を生活規範にしているファンも多いのではないか。本書の中にはこの校訓に関するアンケート調査を行い、ほとんどの回答者が意識しているという結果が出たとあった。
    好きだからファンなのであって、そこに全組観劇派も組贔屓派もない。
    公言しているかは置いておいて、自分の立ち居振る舞いを「宝塚歌劇のファン」としてどう見えるか、と振り返ると自然と校訓に則った行動を心がけるようになると思う。
    なぜなら憧れの世界に少し近付けるからだ。そして、その駅を出てから続く花のみちや阪急マルーン、大劇場のエントランスや赤絨毯が少し後押ししてくれる。
    SNSでの「意見表明」が増えている(第一4章)そうだが、だからこそ我が身を振り返り、モンスターファンになってはならないと自戒すべきだ。
    意見表明したファンの向う側にはご贔屓さんが透けて見える時がある。ご贔屓さんのファンの程度が知れる、と思われるかもしれないし、ご迷惑をお掛けするかもしれない。さらに劇団のファン全体の品格も落とすかもしれない。
    送信ボタンを押す前に少し想像してください。瑕疵はすぐに餌食にされることを。


    一昨年発行(2017年)のため、まえがきに出てくる作品は全て過去上演作であるし、数年後の読者からしたら古い作品が並んでるなぁ(全組のトップさんが変わっているかもしれない)、と思われるだろう。100周年というあの熱狂を少し遠くに眺めることができるようになったこの時期に、以前から宝塚歌劇に関心を寄せてきた著者の本を読めて良かった。
    昨日は105期生が入団した。これからも私は喜んで宝塚歌劇団に振り回されることだろう。
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    投稿日:2019.03.02

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