働きたくないイタチと言葉がわかるロボット

川添愛, 花松あゆみ / 朝日出版社
(53件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
15
20
8
1
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • noguri

    noguri

    自然言語処理について、小説形式で、面白おかしく学べる本。
    小説形式とは言え、自分のような素人には結構骨太な内容。
    しっかり考えながら、読み進めないと、読み切れません。
    一方、この分野をここまでかみ砕いてストーリーにして下さった
    著者には感謝と尊敬の念を抱かざるを得ません。
    この人、スゴイな。。

    「最近、AI(機械)が人間のできることをどんどん奪っていく」といった
    ホラー・ストーリーを至る所でよく聞くようになりましが、
    現時点でAI(機械)に何ができて、何ができないのかを正確に知っておくことが
    未来への備えの第一段(ファースト・ステップ)なような気がします。
    チェス・将棋・囲碁では、プロが機械に勝てなくなりつつある昨今、
    人の言葉を理解するロボットは作れるのか?
    こういったことに興味のある人は読んでみると、とても楽しめるのではないかと思います。

    改めて、人間ってすごいな、ということと
    特に日本語って、ややこしい(誤解を生じやすい)、
    そして、今は機会に限界があれども、いつブレイクスルーが起こってもおかしくない時代の流れの速さ、
    そんなことを考えながら楽しませてもらいました。
    続きを読む

    投稿日:2021.03.15

  • Penguing

    Penguing

    数年前から,ある本屋さんで平積みになっていた本書は,いつか読んでみたいと思っていた書籍の一つでした。なんせタイトルが面白くないですか?働きたくないイタチと言葉がわかるロボットって。ということで一気読みしてしまいました。とても面白く読ませていただきました。

    本書はタイトルの副題にもある通り,人間が使う言葉がいかに難しい概念であるのかを,人工知能というスタンスから非常にわかりやすく理解することが出来ると思います。

    スマートフォンの音声アシスタントの使い勝手がどんどん良くなっているのも分かる通り,この AI 社会において,人工知能が人間の言葉をそのまま「まるっと」情報処理することができるようになっているのではないのか?といった,大きな期待にも似た勘違いが増えてきているのだそうです。

    そもそも私たちは,深く考えもせずに曖昧な言葉を瞬時に文脈に合わせて理解し,適切な推論や対応を取ることができます。自分が簡単にできることはコンピューターにだって簡単にできるはずだと考えがちになってしまいます。しかし,そうは問屋が卸しません。

    私たちが日常で当たり前のように行っている言語処理を,コンピューターに実行させようとすると,非常に大きな困難や大きな壁にぶち当たってしまうのだということを本書を読んでよくわかりました。

    イタチとその他多くの動物たちとの漫才のような掛け合いの中で,現在の人工知能技術にできることと,できないことのある種の ライン を客観的に理解することができたように思います。AI とかよく分からないし,自分には関係ないし,と思っていらっしゃる方の中で,でもAI ができることって何なんだろう?と少しでも思っていらっしゃる方は,本書を読んでみることを是非お勧めします。

    私たち人間がお願いしたことを何でも処理してくれるロボットを作り出すことがいかに難しいのかを,楽しみつつ順を追って理解することができます。本書を一通り読んだ後で思ったのは,ドラえもんは未来道具がなくとも,とんでもない精巧な人工知能を有しているんだなと理解できたことです。

    ドラえもんのようなマシーンが大量に生産できるという未来の科学技術の高さに驚愕した次第です。 この先,シンギュラリティがいつ起きるのかを楽しみに待ちつつ,何でもできるロボットを作ることが,人間の言語的な本質を理解することにつながるのを,これからも少しずつ勉強していきたいなと思います。とても面白かったです
    続きを読む

    投稿日:2021.02.27

  • tosyokan175

    tosyokan175

    「言葉がわかるとはなにか?」という日常の生活の中ではあまり問わないことを、最前線の研究をベースに普通の人にも考えてもらおうとする意欲的な一冊。家の中で家電は「加熱が終わりました。」とか「お風呂が沸きあがりました。」とか話しかけてくるし、車の中でもナビが道順をめげずに伝えようとしてくれます。こちらからもスマホやエコーに、ついつい話しかけているし機械とコミュニケーションしている量は、知らず知らずのうちに上がっています。著者は理論言語学を学び、自然言語処理に取り組んでいる研究者とのこと。東ロボプロジェクトにも参加されていたらしいです。そのプロジェクトから生まれた新井紀子さんの「AIvs教科書が読めない子供たち」でも触れられているようにAI研究を進化させているコア技術、ディープラーニングって、言葉の問題にぶち当たるようです。「言語学と自然言語処理という、似ているようで似ていない、また接点があるべきなのに実際はあまりない二つの世界にいたことのある一個人から見た、現状と課題をまとめたもの」ということで、すっきりわかったぁ!という本ではなく、一進一退まさに〇〇〇ごっこの難しさを共有しているので、嚙み砕きパートの動物たちの物語やイラストも、わかりやすく、というよりまだるっこしい感じに思えたりもしました。でも、そのまだるっこしさが研究のストラグルなのかも。主人公たちのバカっぽさも著者が社会に感じているいらだちなのかもしれませんね。続きを読む

    投稿日:2021.01.31

  • tamamura57

    tamamura57

    動物村の働きたくないイタチを主人公にして童話のような展開で自然言語処理を中心とした人工知能の発達を描きます。人間なら簡単に理解できることを機械に理解させようとすることの難しさをイタチをはじめとした動物たちの言葉で面白おかしく表現しているところが逆に著者の研究における苦労を物語っているように思いました。続きを読む

    投稿日:2021.01.10

  • tichinyo

    tichinyo

    面白く学びも多かった。私のいる業界では、自然言語処理の認識が大変大雑把で、ビックデータを統計的に処理する、と言ったフレーズでなんとなくなんでもできてしまうことになっていたが、決して深入りせずもう一段ブレークダウンできた感がある。私の関心は言語のAI的応答よりも言語そのもののの構造や在り方の方にあるが、自然言語処理と言語学にまたがる説明により使われ方や課題がわかりやすく提示されているので、とてもよくわかった。
    寓話的な本の作りは当初やや子供向けかなとネガティブに思っていたが、結局理解の助けになった。著者には感謝しかない。
    続きを読む

    投稿日:2021.01.01

  • ginevra-potter

    ginevra-potter

    「AIによって仕事がなくなる」「10年後に消える職業」
    そんな言葉を何度も耳に・目にしてきました。
    私は替えのきかない仕事というわけでも、ポジションというわけでもなく、そういった言葉に危機感をよく覚えていました。
    とって代わられないためにも、という気持ちからAIについて知ることから始めよう、と何気なく書店で見かけて惹かれたこの本を読むことにしました。

    表紙や挿絵から伝わる絵本のようなとっつきやすい雰囲気が、AI分野にしては珍しく、初心者の私でも読めるかもしれないと思え手に取りました。
    専門的な用語ばかり並んで素人は読み進めるのも難しいということがなく、絵本パート・説明パートと分けた構成になっており、なんとか読み切ることができました。

    絵本のような語り口のイタチたち動物が出てくる物語のパートは、易しい文章で書かれていますが、AIについて深く理解している方でないとここまでわかりやすく読み易い物語調の文章は書けないと思います。
    AIが言葉を理解するには、について順々に展開していきます。
    いきなり情報が大波のように襲い掛かってくるのではなく、ひとつずつ「言葉の聞き取り」「おしゃべり」「知識」などフォーカスしていくことで、ひとつずつゆっくり理解していくことができます。
    各物語パートの次には説明パートがあり、そこでは論文を引用した専門に近づいた説明がされていますが、そこも極めてわかりやすく、を意識して書かれていると思えます。
    例えばディープラーニングとは何か、と言ったように。

    AIについて現実に即した知識は私にはなく、映画や漫画などフィクションの世界で見るロボットの進化が凄まじく、人間が乗っ取られることがやけにリアルに思えていました。
    でもこの本を読んで、計算が速いことと言語を理解できることは全く別で、人間の脳は、「言葉がわかる」点においてはAIよりも圧倒的に優れていることがわかりました。
    逆に、なぜ人間がここまで言葉を理解することができるのか、AIに学習させる手間暇を知り不思議に思えたくらいです。
    AIに言葉を理解させようとしてきた研究者の方々の苦労がいかに大変だったか、この本を読んで一端だけでも知ることができたと思います。

    このように、今までよく知らず、なんとなくの印象で思っていたことが実際は違っていた、ということに気付けただけでもこの本を読んで良かったです。
    続きを読む

    投稿日:2020.10.20

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

本棚の開き方(スマートフォン表示の場合)

画面左上にある「三」ボタンをクリック

サイドメニューが開いたら「(本棚アイコンの絵)」ボタンをクリック

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。