【感想】恋衣　とはずがたり

内容（「BOOK」データベースより）
後深草院の宮廷を舞台に、愛欲と乱倫、嫉妬の渦に翻弄される女官・二条。幼くして生き別れとなった娘・露子が、二条の遺した日記を繙きながら、晩年は尼となり自らの脚で諸国…を遍歴するまで、美しく、気高く、そして奔放に生きた実母の人生を辿る。続きを読む

なかなか物議を醸す内容の原典ですが、それを同時代の女性が批評するような物語でした。女の人生を考えさせられる。

古文の授業で名前だけ出てくる「とはずがたり」。
それもそのはず、時の帝や高僧阿闍梨たちとのスキャンダルを赤裸々に描いていれば、試験には使えないのも通り。下手するとセクハラで問題になりそう！？
ただし本…作は設定が秀逸。作者に捨てられた娘が主人公で、さらには文学史的な謎まで回収してしまう。(この謎については、読了後に田中貴子先生の解説を読むのがオススメ)
大和和紀さんの『あさきゆめみし』に次ぐ、古典リライト作品だと思う。こっちは受験に出なさそうだが…続きを読む

後深草院の宮廷を舞台に、愛欲と乱倫、嫉妬の渦に翻弄される一人の女性。遺された日記を初めて繙いた娘の視点から、その奔放な人生を辿る。〈解説〉田中貴子