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岡田一郎 / 中公新書 (5件のレビュー)
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necotaxi1003
維新の会や都民ファーストの会などよりもはるかに昔、地方政治から中央政治を変えるなどという動きが現実味を帯びた時代の物語。往時の興奮と挫折から学ぶことは多い。 有名な美濃部都知事の「住民が一人でも反対す…るならば橋は建設しない」という言葉は、差し替え前の言葉が誤って広まってしまったこと。当時でも誤って受け取られてしまったのだから、数十年の年月を経た我々が知る言葉のどこまでが確かなものなのか。 (政治的な話も感じるところがありましたが、立場によって受け取り方が違うでしょうからその点の感想は割愛します。)続きを読む
投稿日:2020.05.13
youkeypp
このレビューはネタバレを含みます
江田三郎の評価に、この筆者の立場がよく現れている。 革新首長といっても、完全に、共産党系の人は稀。 社会民主主義政党が、日本では定着しなかったのはなぜなのか。その理解のための補助線になる一冊。
投稿日:2018.09.20
horinagaumezo
美濃部亮吉都政をはじめ、1960~70年代に脚光を浴びた「革新自治体」について、その台頭の背景から政治的取組までを振り返り、その功罪を検証することで、今日の地方自治制度への示唆を探っている。革新自治体…という切り口で、日本社会党、日本共産党を中心とした戦後の革新陣営の政治史が浮き彫りになっている。一方で、革新自治体で行われた政策がどのようなものだったのかという点の記述はやや薄く感じた。 革新自治体の盛衰の鍵を握っていたのが中道勢力であったこと、それにもかかわらず革新勢力(特に社会党左派)に自らへの過信があったこと、革新勢力内の内部抗争が革新自治体の終焉を招いた要因であったことなど、革新自治体をめぐる政治構造がよくわかった。それらは現在の野党にとっても教訓となる内容であると感じた。 革新自治体の存在により、公害など高度経済成長によるひずみの解消が進んだという面は確かにあるし、財政破綻を招いたというのが革新自治体に共通する問題というわけではなかったということも理解した。一方で、革新自治体が首長任せの有権者の性質を変えられず、むしろ促進したとさえ言えるという筆者の指摘は、現在の地方自治や政治全般にも通ずる大きな問題点であると感じた。続きを読む
投稿日:2016.12.11
nekohoumu
高度成長のひずみを立て直すという風を受けて、60年代~70年代に各地の地方公共団体で、社会党系の知事や市長が誕生し、いわゆる革新自治体の時代がありました。本書は、この時代に、革新自治体がどのようにして生まれ、また消滅していったのかを、社会党の内部まで踏み込んで検討しています。
投稿日:2016.11.01
ZG
目次に1977年の釧路市長選の事が書いてあったので、北海道の自治体についてもいろいろ記述があるかと予想していたが、北海道について目立ったの箇所はここだけだった。個人的にはちょっと残念。 いわゆる革新…自治体がどのように誕生し衰退していったのか、その歴史を追う。 個人単位では大きく取り扱われたのは飛鳥田一雄・美濃部亮吉という印象。 非自民の政党が誰を擁立するか、誰を支持するかは時と場合によりけりだったということが史実から読み取れる。 戦後政治史を非自民・地方政治から研究した好著。続きを読む
投稿日:2016.10.08
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