【感想】恋する原発

高橋源一郎 / 河出文庫
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • すあま

    すあま

    とにかくすごいの一言。途中に挟み込まれる「震災文学論」がまた凄まじくて、これを小説に翻訳したのが『恋する原発』なのではないかという気もしてくる。これをあのタイミングで書いたのがすごいし、「現実」(という言葉は曖昧に過ぎるのだけど、今はこれしか思い浮かばない)が壊れたことをその中にいながら敏感に感じ取っていないと書けない小説だと思う。
    「無かったことにする」ことへの拒否は、SF的な想像力がありつつも、戦争も含めた忘却への拒否でもあるのだと思った。
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    投稿日:2023.02.01

  • ha-maioni-8

    ha-maioni-8

    このレビューはネタバレを含みます

    チャリティーでAVを撮影するって
    ぶっとんだアイデア大好きです。人の善意とか悪意とか、素敵な題材になりそうだなって、わくわくして読み始めたのだが、自分が思っていたのとは違って、変にSF要素が入って、
    ぶっ飛んでいたが、自分が求めていたのとは違った。でもこういうぶっ飛んだ作品を生み出せるのすごい。
    原発に対して考えるきっかけにはいいのでないだろうか。
    いや、いいのかな?w

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    投稿日:2022.11.08

  • RT

    RT

    決して万人ウケする作品ではないし、一部の人には不快な可能性もある作品。
    著者があとがきで述べているとおり、この小説は酷いんだけれど、酷いのにも関わらずマジメにみえてしまうという、それほどまでに現実の方も酷い時代なんだと思う。
    途中の震災文学論はナウシカを中心にマジメに核戦争、震災、水俣病といった悲劇を通じてみえてきた我々の世界の隠していた負の側面に言及しながら、負の側面が我々の世界を支えてもいる構図を示していて、本書の基本的な考え方になっているのだけれど、震災文学論だけではただのマジメな文学論になってしまって正統性を競う争いに巻き込まれてしまう。それを避けるために震災復興支援のためのAV撮影を酷いストーリーでまぶすことが必要だったんだと思う。
    今はマジメな文章が求められている時代なのでこういう文章減ったなあと思いつつ、ストレートに語り尽くせないのが現実というものなので、文学にはこう役割を引き続き期待したい。
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    投稿日:2022.05.01

  • モリケン

    モリケン

    怒りのアレゴリー小説。
    ベケットまで感じさせる、どん詰まりナンセンス。
    とにかく絶望している、怒っている。
    ●「どんなに馬鹿馬鹿しい作品を作っても現実の馬鹿馬鹿しさには到底かなわない」
    ●オール・ウィー・ニード・イズ・ラヴ!/オール・ウィー・ニード・イズ・おまんこ!/オール・ウィー・ニード・イズ・ちんぽこ!/オール・ウィー・ニード・イズ・セックス!
    ●「愛なんか存在しないわよ。みんな、存在するようなふりをしているだけで、そんなもの、どこにもないの」
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    投稿日:2018.06.11

  • 七誌

    七誌

    シマウマ!思い出すと思うのは私だけか?  書きたい本当の事が書かれないのならそうするしかないかと、 福島第2のキノコ雲(広島を髣髴する表紙よりリアルな)の写真も、原発の雨に打たれた随分と後の事、多分米軍からか、飛び上がって引き上げてしまった時の米軍のだろう。後、とどまって原発事故を止めた作業員の人々、日本は太平洋側に移動しています。 今、動く大地に原発動かすバカの気持ちがわからない。続きを読む

    投稿日:2018.03.21

  • yamada3desu

    yamada3desu

     うーん。
     すごく「良くわかる(良くわかる気になる)」箇所と、極端に「なんかどうでもいいじゃん」箇所の差が激しい。
     そもそも僕にとってこの著者の作品って「とんでもなく面白い」と「死にたいほどにつまらない」の差が激しい。
     そんな両極端が一つの作品の中に混在している感じ。
     玉石混交ってところか。
     決して不謹慎だとも思わないし、連発されるいわゆる「放送禁止用語」にも特に嫌悪感は覚えなかったが、電車の中では少々読みづらいか。
     いずれにしても読む人を選ぶ作品……あ、それっていつものことか。
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    投稿日:2018.01.08

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