【感想】資本主義の終焉、その先の世界

水野和夫, 榊原英資 / 詩想社新書
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • yukia

    yukia

    昨今の日本の経済の低成長を経済の成熟期ととらえる点が新鮮だ。確かに欲しいものがないくらい十分豊かな日本になった。成長しないことを否ととらえ高度成長期のノスタルジー的に追い求めることは限界に達しているのかもしれない。資本主義の次なるパラダイムを提唱できる経済学者は現れるのだろうか。続きを読む

    投稿日:2019.05.07

  • tatsuyaokamoto

    tatsuyaokamoto

    今日本の政権が躍起になっている、成長戦略に異議を唱える二人の経済学者が持論を展開。
    ゼロ金利が長らく続いていることとは、もう世界にフロンティアが残っておらず、資本を投下する場所が残っていないこと。日本だけではなく世界の各先進国が同じ状態になっていることを数値・グラフを使って解説する。その状況下で起こる弊害として中産階級の下落や格差の拡大を指摘する。
    「より遠く、より速く」を掲げるのではなく現実を再認識し「より近く、よりゆっくり」を提唱する。日本は失われたン十年とか言われているが、治安や自然、長寿などむしろ誇るべきものが多い。都市集中ではなく、地方文化回帰なども今後の活路の一つになりえる。
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    投稿日:2017.12.10

  • mimizuku0125

    mimizuku0125

    著者(水野さん)は、「より速く、より遠く、より合理的に」は近代の行動原理であり、近代システムが機能不全に陥れば、この原理をひっくり返すしかなく、「よりゆっくり、より近く、より寛容に」を前提にしたシステム(二十一世紀の「新中世主義」)を構築するこを提唱している。
    二十一世紀の「新中世主義」を構築するにあたり、江戸時代中期の生活が参考になるのかもしれません。見えない時代を乗り霧には、実学重視の教育ではなく、人文系の教育が重要性がましているように思います。
    著者の榊原さんは、成熟という点では日本は再優等生なのだから、「成長戦略」などといって過去の高成長をノスタルジックに求めるのではなく、成熟の果実を享受し、これを維持するこことが重要で、成熟先進国日本として世界に発信すべきと、述べている。
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    投稿日:2016.10.02

  • hartsdale

    hartsdale

    このレビューはネタバレを含みます

    世界にはもう新しいフロンティアはないから(まだ成長するインドを除き)先進国の成長余地は乏しい。だから成熟国家日本はもうモノは欲しがらないし、豊かな安全安心国家なのだから、2%も成長しなくてよいという。失われた20年ではなくて、成長しなくていい成熟国家になっただけ。 アベノミクスの”成長戦略”も意味はないという。新しい工場はつくらず、原価償却のおわった工場で、代替品だけ作り続ける・・・便利さの追求も限界にきている。コンビニをこれ以上作る必応はない。 リニア新幹線つくって、そんなに急いでどこにいく。マッハ2で飛んだコンコルドは、そんなに早く飛ぶニーズがなくて破綻した。速さを優先して座席も少なく、乗り心地もよくなかった  「よりゆっくり、より近く、より寛容に」が日本。国内旅行も地方に回帰している。 JR九州の豪華列車で、日本国内の田舎に行く。

     

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    投稿日:2016.10.02

  • thase

    thase

    水野さんの前作を読んでからの、今作だったが前半は資本主義経済の成り立ちがメインになっており、ややわかりづらい内容。後半については対談形式になっておりこちらは読みやすかった。
    結論、前作を超えるほどのインパクトは無し。やや難しい目でした。以下抜粋
    ------------------------
    ・超低金利が意味するのは「実物投資空間」の消滅という意味
    ・一人あたりのエネルギー消費量と、労働生産性は正の相関関係が見られる
    ・近代にとって無くてはならない、電子機械と自動車産業で不正をしなくては利益が得られなくなったということは、近代の成長メカニズムが破綻したことを意味する。
    ・株価は上がっても賃金は下がっていく。
    結局株を持っている人だけが恩恵を受けている。
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    投稿日:2016.02.27

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