【感想】ビル・クリントン 停滞するアメリカをいかに建て直したか

西川賢 / 中公新書
(6件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
1
1
2
1
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • shimu2

    shimu2

    【過ちを犯すことは避けられないとしても、被害の拡大を最小限にとどめ、立ち直る努力をする。そして、どんな困難に直面しても決して人生への情熱を失わないのが、クリントンだった】(文中より引用)

    その業績を語る際,どうしても不倫スキャンダル等に注目が集まってしまうビル・クリントン元米大統領。その生い立ちから大統領在職中の業績に光を当てることで,改めて政策的な功罪に対する評価を試みた作品です。著者は、アメリカ政治研究を専門とする西川賢。

    クリントン政権が内政に強く関心を抱いていたこともあり,同政権を通した米国政治の変容にも迫ることができるかと。同時にクリントン氏の人柄についても十分に知れるほどページが割かれているため,評伝としても十二分に楽しめる一冊でした。

    自分が幼い頃の歴史って意外と知らないことが多々ありますよね☆5つ
    続きを読む

    投稿日:2019.11.08

  • prigt23

    prigt23

    やや好意的すぎる印象もあるものの、まとまっていて読みやすくおもしろかった。ただ就任から20年以上も経っていることにはやや驚く。

    合衆国大統領というと、基本的に「外交オンチ」という印象で、クリントンも例外ではないし、その政権の設立時の外交への無知ぶりが今振り返ると「恐ろしい」ほどだったことがよくわかった。
    ただ備え持っている共感力を使って克服したという印象がある。その源というか人物像というのが読めてよく理解できた。

    ただ沖縄との絡みはもっとページが欲しかった。このサミットが結局のところどういう意味があったのか、いまでもよくわからない。
    続きを読む

    投稿日:2018.05.06

  • コロちゃん

    コロちゃん

    トランプがアメリカ大統領にならなかったら本書を読むことは無かっただろう。否応無く大きな影響を受けざるを得ない我が国としては、アメリカをもっと理解しなければならないというのが本書を手に取った理由である。
    ビル・クリントンと言えば「シモのユルい大統領」という記憶があったが、いやいや本書を読むとなかなか有能な大統領ではないか。
    確かにいかに人格が立派でも、結果が出せない政治家は無能とされるのが正しい評価というものだ。
    その点クリントンは経済浮揚と財政再建という大きなレガシーを残している。立派なものである。しかし、あのスキャンダルはいただけない。とても尊敬はできない。やはり天は人間に二物を与えてはくれないものだと思った。

    2017年5月読了。
    続きを読む

    投稿日:2017.05.25

  • minako2009

    minako2009

    アメリカの選挙が近く、ヒラリーさんのことが少しでもわかるのではないかと思い図書館で借りました。

    ビル・クリントンと言えば不倫スキャンダルのイメージが強すぎるくらいにありました。

    外交では様々な場面で仲介役になり改善に向かって努力。
    内政では赤字だったのを黒字にさせIT大国への道筋を作ります。

    また冷戦後のアメリカのあり方も探りました。

    人好きのする性格だったのか周りに人も多かったようですね。
    読むまで知らなかったビルクリントンがあったので驚きました。
    負だけでなく今のアメリカにつながることをたくさんしていたんですね。

    女性スキャンダルがなければなぁ…。
    続きを読む

    投稿日:2016.11.06

  • H.Sato

    H.Sato

    クリントンとゴアは、20世紀最後の大統領ではなくて、21世紀最初の大統領を選ぶ戦いと訴えていた。
    冷戦が終わった今、アメリカの目標は国内にある、特に経済こそが重要だ。これがクリントンのメッセージだった
    96年2月、クリントンは通信分野の規制緩和を定めたテレコム法に署名している。これは1934年以来の大幅な通信法改革である。これによって自由競争が促進された。
    クリントンの政治家としての成功はひとえに彼の人格的優越性によるところが大きい。状況に応じて冷静に戦略を変更しながら、財政均衡、福祉改革などを成功に収めた。逸鉄なリアリストだった。
    続きを読む

    投稿日:2016.10.11

  • i-boat

    i-boat

     ビル・クリントンはイラク戦争を語る上でも外せない人物であり、民主党の左傾化の起点を作った人物でもある。その意味で20世紀最後の大統領であると同時に、21世紀を形作った大統領でもある。なのに、これまで、クリントンを一般向けに紹介する本はなかった。日本国内の認識でもモニカ・ルインスキーとの醜聞ばかりが知られ、良かれ悪かれ何をしたのかはほとんど忘れられている。そのことが相当程度意識されたこの本は、そんなクリントン初心者に対するチュートリアルと言える。日本で翻訳出版された彼の上下2冊の自伝がルインスキーに字幅を割いていることもあり、この手の軽めのバランスの取れた一冊は実は貴重である。
     実際、中東和平、ジャパンバッシング、NAFTA、犯罪対策、福祉削減…とクリントンの中道路線をある程度網羅しており、少なくともクリントンを良かれ悪かれ見直す一冊にはなるであろう。そして、それらは驚くほどに現在2016年へとつながる政策であり、大統領選と相まってそれへの評価/批判が沸き起こっている。それは、親子ブッシュに比べても顕著であろう。
     今回この本は、クリントン政権時代のみならず、2016年現在に影響を与えた部分からクリントン政権の評価を試みている。それを考えれば、本来この本がやろうとしていることは到底新書一冊で収まるものではない。しかし、新書一冊でまとめあげ、かつエピソード的な記述も多いため、この観点においては甚だ不十分なものとなっている。著者には是非、より厚い本による本格的な評価をお願いしたい。
    続きを読む

    投稿日:2016.07.24

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。