【感想】猫の形をした幸福

小手鞠るい, 牧野千穂 / ポプラ文庫
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
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ブクログレビュー

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  • り

    泣けて仕方がない...猫と暮らしている(あるいは過去暮らしていた)読者はみんな同じはず。
    作中の猫の仕草や夫婦の会話など共感しきり。猫が来てから我が家の中心は間違いなく猫。子供のような存在。猫を置いて旅行に出かけるシーンの心理的な描写などとてもリアルで、実体験に基づいているんだろうな。
    その日を想像するだけで胸が締め付けられるけど、精一杯可愛がってのびのびと過ごしてもらいたいと思った。
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    投稿日:2021.03.28

  • 927927

    927927

    結婚した2人が猫を家族に迎え、猫を「愛し合う」話。
    猫を通じて2人の愛が感じられ、素敵なお話だった。
    マキシモは幸せな生涯を送った気がする。

    投稿日:2017.05.12

  • sana

    sana

    若夫婦が猫を飼い、とても幸せに暮らしていたが‥?
    愛あふれる切ない物語。

    彩乃と未知男は見合いで出会って一目惚れ。
    すぐに結婚して北米にわたります。
    どちらもバツイチで、抱えているものもありました。
    理想的な相手と、きれいな田舎町で暮らすことに。
    まるで少女の夢見た物語のように、甘く可愛らしい展開。

    保護施設で見つけた長毛のうつくしい雄猫マキシモ。
    猫のことで毎日笑い、夢中になり、猫を中心にすっぽりと愛に包まれた暮らしが積み重なってゆきます。
    そして16年。
    猫の病気を見守る日々から、喪失へ。
    これまでの幸福が暗転したかのように、苦しむことになります。

    愛猫との暮らしぶりと、その後の嘆きがあまりにリアル。
    設定は私小説というわけではないのでしょうが。
    猫を見送った辛さを、こういう形で描かずには、乗り越えられなかったのかも。

    夫婦でも悲しみ方にも違いがあり、慰め合おうにも当初は互いの顔を見ても悲しみが増すばかり。
    やがて、二人の胸の中に同じ形をした空洞があると思うに至ります。
    やっと少しずつ、気持ちの整理がつきかけたところまで描かれています。
    まったく身動きの取れないようだったのが、いつしかさらさらと変化していく兆し。
    そのことを救いに。

    経験があるので、気持ちはわかりすぎるほどでした。
    でもね‥出会えた喜びは、別れの辛さよりもきっと強いと思うんですよ。
    悲しみは完全に消えることはないけれど、苦しみはだんだん薄れていってくれます。
    そして、愛と幸せな思い出は、いつまでも続きます。
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    投稿日:2016.09.07

  • tantan

    tantan

    なんとなく表紙が気になって手にしてみる。
    買い猫が死んじゃうお話なのね・・・と思いつつ、いったん手放すも、猫好きの本読み友達の顔が浮かんで、たまにはこういうのも読んでみますか、と購入w

    猫のかたちの幸せは、猫のかたちの空洞に・・・。
    愛し合っている二人は、喜びは何倍にもできるけど、喪失は半減させることができない。
    それぞれが猫のかたちの空洞をかかえ、それはそれぞれの方法で埋めていくしかないらしい。

    でも、その猫のかたちの空洞の中に猫はいる。
    埋めるのでなく、お互いがそれぞれの猫のかたちを、悲しいものとしてでなく、愛おしむことができるようになったとき、また三人で一緒に暮らせるようになる・・・きっと。
    そんな日が早く来るといいねと、そっと願いたくなる物語。

    未知男みたいなダンナさん、なんて理想的な!と思いながら読んでいたんだけど、あまりに猫を愛しすぎてて、ラストでは、やっぱこの人の妻はムリだな、と思うw
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    投稿日:2016.07.10

  • なついろ。

    なついろ。

    小手鞠るいさんの
    恋愛小説を読むのは3回目ですが
    私はどれもかなり好きです。

    こんな愛の形もいいな、
    こんな夫婦になりたいな、
    って思えました。

    投稿日:2014.05.27

  • nbyshrd

    nbyshrd

    この作家の表現はいつも関心させられる。表現力が豊さすぎる。
    結婚と猫。猫の一生が家庭での幸福につながっている、単純
    なストーリーなのに。  小手鞠に脱帽である。


    《本文より》
     心地よく私の体に染み通ってくるような、関西の言葉を話す人だった。

     未知男は泣いていた。その泣き声が山を越え海を越え、大陸を越えて、わたしの耳まで響いてきた。

     その瞬間、猫の魂が体から抜けて、どこかに飛んでいくのがわかった。
     それは、助走なしでダイニングテーブルの上に跳ね上がっていた、若か  りし頃の跳躍を思わせる軽やかな旅立ちだった。
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    投稿日:2013.06.14

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