【感想】トップウGP(4)

藤島康介 / アフタヌーン
(1件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 『黒犬』の優樹

    『黒犬』の優樹

    他の人と表現が丸被りしてしまう可能性が無きにしも非ずだが、散々に考えても、これしか出なかった
    面白さがますます、加速している
    本当に、藤島先生は凄い漫画家だ、と感じる
    多くの人が同意してくれると思うが、『血界戦線』シリーズの内藤泰弘先生と同じく、成長が桁違い
    年齢もキャリア結構、積み重ねているはずなのに、まだまだ満足せず、もっと面白くするには、どうしたらいいだろう、と良い試行錯誤を繰り返し、自分の限界に挑戦しているのが、どの回からも感じ取れる
    このような感想が出るのは、「[新装版]ああっ女神さまっ」(24)の感想を書き終えた上で、こちらに真正面から立ち向かっているからだろう
    シンプルに、読み手へ、バイクレースの楽しさを伝えたい、そんな藤島先生の欲が伝わってくる、絵からも、キャラからも、ストーリーからも
    主人公を筆頭にしたキャラたちの成長、ライバルとの切磋琢磨、ヒロインとの甘酸っぱいラブコメ、など読み手が読みたい全てが詰め込まれているってのに、破綻する気配が微塵もない
    これほど、ハイクオリティな漫画なのだから、あのしげの秀一先生が太鼓判を押し、藤島先生を讃えるのも納得って話だ
    どのジャンルにも通じる事だが、読み手に憧れを抱かれる主人公の魅力は、本人の努力や勝利からも伝わるが、それ以上に、ライバルの存在があってこそだ
    反目し、意見をぶつけ合い、「俺の方が強い」と咬み付きながらも、胸の奥底では、ライバルの凄さも認めている
    だからこそ、手を組むべき時、と判断したのなら迷わない
    協力することで、相手の凄さを更に知ると同時に、コイツに勝つには自分は何をしたらいいか、を自分の頭で考えられるようになる
    クセの強いライバルと、キャラが立っているヒールがいてこそ、真剣勝負が軸になっているタイプの漫画は面白くなるのだな、と勉強になった
    もちろん、ヒロインも重要だってのは承知している
    可愛いけれど、怒ったら何をするのか読めず、時たま、「好き」って気持ちが暴走しちゃう。しかし、誰よりも速く、美しいのが真音
    そんな彼女と疾風の、おねショタは読んでいて、実に和む
    また、勝てる事の嬉しさ、負ける事に対する恐れ、負けてしまった時の悔しさ、負けたからこそ通すべき筋、なども表現されており、読み応えがバッチリ
    一日でも早く、アニメで観たいが、素人でも、この作品をアニメにするとなると、とんでもない時間が必要になる、と薄々は理解できる
    もうしばらくは、我慢してなきゃダメかねえ
    どの回にも、藤島イズムを感じ取れる。その中でも、特に強烈だったのは、Lap28「勝利の晩ごはん」だ
    ある意味、疾風はすき焼きよりも嬉しいご褒美を貰ってしまったな
    好きな人が、自分の入浴中に、恥ずかしそうにしながらも入ってきてくれた嬉しさと驚きがゴッチャゴッチャになった疾風のパニックを起こした様は初々しく、可愛さすら感じた
    もしも、真音がタオルを巻かずに入ってきていたら、疾風は失神しちまっていたかもしれない。隠しているからこそ色っぽいってのもあるにしろ、まだ、疾風にはそのエロさは分からず、裸体の方が効くのだろうな
    疾風の言葉を聞き間違えちまった真音には、彼と一緒にお風呂に入りたい、そんな願望が自分の目も届かない場所に潜んでいるのかもしれないぞ
    もちろん、本筋であるレースシーンにも滾った
    少し出来る程度の雑魚を一蹴したのなら、もう、共闘する理由はない
    一位争いを全力でする突風と高台
    突風の勝ち方も見事だが、高台のプロとしての姿勢にも感服した
    ただ、ふと思ったのは、世界の頂点になれる奴ってのは、大人の都合なんか知ったこっちゃなく、子供のように、とことん純粋で、とことん我儘に、いつでも本気になれるのかも
    この台詞を引用に選んだのは、シンプルな発想こそ最高、と感じ取ったので
    勝てば万事問題ないってのは、人生でもお約束だ
    ほんと、真音さんは突風のスイッチの入れ方が分かっているようである
    人は恐怖を覚えた時こそ、最も派手に成長できる、と当人が知っているんだろうな
    ホント、突風の尊厳が守られて一安心。読み手のコッチが安堵しちゃった
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    投稿日:2018.11.25

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