【感想】ジーヴズと婚礼の鐘

セバスチャン・フォークス / 竹書房文庫
(6件のレビュー)

総合評価:

平均 3.0
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ブクログレビュー

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  • じゅう

    じゅう

    イギリスの作家「セバスチャン・フォークス」のユーモアミステリ小説『ジーヴズと婚礼の鐘(原題:Jeeves and the Wedding Bells)』を読みました。

    『ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻』、『ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻』に続き「ジーヴズ」シリーズ作品… 「P・G・ウッドハウス財団」公認の続篇です、、、

    「セバスチャン・フォークス」の作品は、2年ちょっと前に読んだ『007 デヴィル・メイ・ケア』以来ですね。

    -----story-------------
    「ジーヴズ」、まさかの続篇! !
    有能なる執事「ジーヴズ」とちょいと間抜けな貴族「バーティ」
    なぜかふたりの立場が逆転して大騒動に!
    抱腹絶倒のユーモア文学シリーズが「P・G・ウッドハウス財団」公認で復活

    「すばらしく楽しい本だ」〈ガーディアン〉
    「フォークスはウッドハウス作品のムードと会話劇を完璧に再現してみせた」〈サンデー・エクスプレス〉

    「バーティ」は休暇中に出逢った魅力的な「ジョージアナ」に恋心を抱くも、 彼女が後見人の「ハックウッド卿」のために政略的な婚約をしていることを知る。
    がっかりした「バーティ」だったが、奇しくもその直後に「ハックウッド卿」の娘と婚約している友人から婚約者の誤解を解きたいとの相談を受ける。
    ひと肌脱ごうと決意するも不運な偶然が重なり、なぜか「ジーヴズ」が貴族になりすまし、 「バーティ」は近侍として「ハックウッド卿」の屋敷に滞在することに。
    ゆで卵すら作れない「バーティ」は当然次々と騒動を巻き起こし、さらに彼の“作戦"が火に油をそそぎ……。
    果たして「バーティ」は恋を成就させ友人の危機を救うことができるのか?
    「ウッドハウス財団」公認、〈ジーヴズ〉シリーズまさかの続篇! !
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    「P・G・ウッドハウス」作の代表作である「ジーヴズ」シリーズの続篇として、「ウッドハウス財団」より初めての公認を得て刊行された作品… 以前読んだ『007 デヴィル・メイ・ケア』は、「007」シリーズの続篇でしたから、「セバスチャン・フォークス」の作品って、人気作家の人気シリーズの続篇ばかりを読んでいる感じです、、、

    「ジーヴズ」シリーズでお約束の展開や常連の登場人物はそのままで、懐かしいけど、なんだか新鮮な感じのする… そんな作品でした。


    退屈しのぎに休暇に出かけたコート・ダジュールからロンドンに戻ってきた、能天気な有閑紳士「バーティ」は、恋に悩む幼友達「ペレグリン・"ウッディ"・ビーチング」の訪問を受ける… 長きにわたり、幾度となく実りなき婚約を繰り返してきた「バーティ」だが、今回もまた自分のことはさておき、熱くほとばしる友情からさっそく田舎町へ駆けつけて、有能な従者「ジーヴズ」から助言を得つつ、友人の加勢に乗り出す、、、

    されど、二人の行くところ必ずやトラブルあり… 「バーティ」にとっては、またもことごとく事態は思わぬ方向へまわりだした。

    「ウッディ」の婚約者「アメリア(アンボ)・ハックウッド」に近付こうとする中、素性を暴かれないようにするために、「アメリア」の父「ヘンリー・ハックウッド卿」に「ウッディ」が咄嗟についた嘘… それにより、「ジーヴズ」は「エトリンガム卿」に成りすますことになり、なんと、「バーティ」は、その近侍「ウィルバーフォース」に成りすまし、主従関係が逆転した状況で「ハックウッド卿」の招待を受けることになる、、、

    「ジーヴズ」と「バーティ」は「ウッディ」の恋を成就させることができるのか!? 「バーティ」は恋心を抱いた「ハックウッド卿」の姪「ジョージアナ・メドウズ」との恋を成就させることができるのか!? 「ジーヴズ」の切れが、いつも程ではないなぁ… と感じながら読み進めたのですが、エンディングでその印象は一変、さすが「ジーヴズ」ですね、ちゃんと先の先まで考えていたんですね。

    メルベリー・ホールの家政婦「ティルマン夫人」の活躍も心地良い… 「ジーヴズ」とは良いコンビですねぇ、、、
     
    クリケットのルールがわからないこともあり、中盤のクリケットの試合のあたりでは、やや中だるみ感がありましたが、色んな人の想いが成就する終盤は一気に読めましたね… まさか、三組のカップルが誕生するとは! 予想もしなかったハッピーエンドでした。


    以下、主な登場人物です。

    「バートラム(バーティ)・ウースタ」
     青年貴族

    「ジーヴズ」
     バーティのお側附きの紳士

    「ジョージアナ・メドウズ」
     編集者

    「ペレグリン・"ウッディ"・ビーチング」
     法廷弁護士。バーティの友人

    「アメリア(アンボ)・ハックウッド」
     ウッディの婚約者。ジョージアナの従姉妹

    「ヘンリー・ハックウッド」
     アメリアの父。ジョージアナの後見人

    「グイネヴィア・ハックウッド」
     アメリアの母

    「ルーパート・ヴェナブルズ」
     作家。ジョージアナの婚約者

    「シドニー・ヴェナブルズ」
     ルーパートの父

    「アイリーン・ヴェナブルズ」
     ルーパートの母

    「エズモンド・ハドック」
     バーティの友人

    「ハロルド・"スティンカー"・ピンカー」
     牧師。バーティの友人

    「ステファニー(スティッフィー)・ピンカー」
     ハロルドの妻

    「デイム・ジュディス・パクスリー」
     歴史研究家。グイネヴィアの友人

    「ティルマン夫人」
     メルベリー・ホールの家政婦

    「ミスター・ビックネル」
     メルベリー・ホールの執事
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    投稿日:2023.03.13

  • 海と青硝子

    海と青硝子

    ジーヴズシリーズ、まさかの続編!
    ジョージアナって、私が読んだシリーズに出てきた、レディ・フローレンスとかボビーとかオノリアとは違って、ゆるふわバーティをありのままに受け入れて愛してくれる女性ですね。
    故ウッドハウスはバーティを独身のままにしておきましたが、やっぱりこんなふうに幸せになるほうがいいと、私は思いますよ。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.10

  • モチヒロ

    モチヒロ

    このレビューはネタバレを含みます

    小説

    ウッドハウス没後のファン作品

    キリスト教やヨーロッパ史を知るほどに深く味わえる…気がする。
    (主人公のバーティは英国貴族で、歴史に絡めてご先祖の栄光を語ったりする)

    ●p86 滞在先の館の主を評して

    田舎の大建築物に一家言ある僕からすれば、サー・ヘンリーなるじいさんは当主として称賛すべき務めを果たしていると言わざるを得なかった。おそらくはアン女王の治世に建てられ、スペイン継承戦争といった利の大きな遠方での争いごとでせしめた品々が、かつら頭の先祖によりむやみに溜め込まれてきたのは容易に窺えた。


    ●p126 有能執事ジーヴズとのやりとり

    「その時代にはもう、かのアイザック・ニュートンが偉業を成し遂げていたはずだよな?
    「物理学の知識の普及は、著しく遅れていたのでありましょう

    ●p292

    すでにトラピスト会士の年次総会 ーそんなものがほんとうにあればだがー をも凌ぐ静けさに包まれていたので、この場面での沈黙にはもうさほど驚きはしなかった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.10.30

  • くるり

    くるり

    シリーズの雰囲気を踏襲しつつも現代風にちょっと読みやすくした、って感じ。登場人物の傍若無人さが薄く、終わりはキレイにまとめ過ぎている感がある。元の文からか訳文からかはわからないけど、どこか違和感があって、別物のとして楽しむべき。続きを読む

    投稿日:2022.09.26

  • yueli

    yueli

    有閑紳士バーティと天才従者ジーヴズは、英国ではホームズ&ワトスンと同じくらい有名な名コンビらしい(訳者後書きより)。その原作をベースに、ファンでもある作者が、正式な依頼を受けて書いた作品。といったようなことを全く知らずに読んだわけだが、突っ走り気味だが憎めない主と、洞察力に優れ、時に慇懃無礼なところもないではないが、しっかりと主を支える従者の黄金コンビによるドタバタ劇であり、ほかの作品を知らなくてもそれなりに面白く読めた。
    冒頭部分の外国ものらしい仰々しいジョークに若干ひいたが、すぐに慣れるし、全体とおしてそういった台詞回しが多くはないので読みやすい。訳者さんがよいのだろう。
    続きを読む

    投稿日:2018.10.24

  • courbet

    courbet

    ジーヴスシリーズのパスティーシュです。ジーヴスシリーズは楽しいし好きだけど、語れるほど詳しくはない。その程度のファンでも、謝辞に涙ぐみ、意表を突くオープニングで一瞬反感を持ち、でもすぐに「やっぱりジーヴスはこうだよね!」と楽しめる作品でした。
    相変わらずの騒動に笑い、バーティーの行動に呆れ、ジーヴスの計算と言い回しに感心し。パスティーシュだというのも忘れて読み進めていくと、最後ではやっぱりシリーズとは別なんだと感じることに。ハッピーエンドなんだけれど、馴染んだキャラクターにお別れするようなさみしさもあったりします。この作品の続編ではないものをまた読みたくなりました。
    続きを読む

    投稿日:2016.08.15

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