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ダニエル・L・エヴェレット, 屋代通子 / みすず書房 (123件のレビュー)
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さと
このレビューはネタバレを含みます
大変面白かった。17章は感動的ですらある。 犬(6章p144)、イビピーオ(7章p181)、夢(7章p185)、背中にコイン(10章p237)、レタス(14章p292)のエピソードが特に印象的。 直接体験したことしか語らない(夢の話などもするが、日中の出来事と区別をつけない)ということがさまざまなエピソードに表れている。
投稿日:2024.03.13
ciel
30年以上アマゾンの一部族ピダハンとともに暮らして学んだことをまとめた本 数えたり計算したりしない 色もない 遠い過去も未来も空想も話さない 左右もない
投稿日:2023.12.29
masyahide
赤ちゃん言葉がなく子供も大人も対等に扱われ、親族が死にかけていてもそれが運命と助けることをせず、自分の目で見たものしか信じず、それでいて先進国の我々よりは精神的に豊かで幸せな民族。 常に進化や物質的…な豊かさを追い求めることが本当の幸せかを考えさせられる。 ただし言語学的な考察がしっかりしている分、教養を求めて興味本位で読む一般人には辛い部分も多い。続きを読む
投稿日:2023.11.10
kumapooooo
この本をこれだけの人が読んでいるということ自体に驚くけど、その方面では有名なんかな。 言語の研究でありつつも、部族、文化の研究で、やっぱりこういう異文化を知るというのは面白い。全く新しいものを受け入れ…ない頑固さが、キリスト教やらを押し付ける西洋人ならではのアイデンティティとぶつかり合うさまは小気味よく読める。これが200年前に起きてたら、日本もまた違う未来を進んだんだろうか。 ともあれこの強烈な虫どもと共存できる力は分けてほしい。アマゾンで上半身裸ってヤバい。誰か科学者がこの遺伝子を解明して薬作ってプリーズ。続きを読む
投稿日:2023.10.04
充実大豆
アマゾンに住む少数民族のピダハンの言語と文化について。 聖書をピダハンの言語に翻訳するために彼らの言語を研究し、その中で今まで普遍だと思われてた人間の言語に関する常識が覆されていく。 彼らは実際に…見た事しか信じず、自分たちの生活が豊かだと感じているから、他の文化や言語を取り入れる事なく暮らしている。言語として抽象化が極端に少ないため、色や数、左右を表す単語がないことは驚いた。 伝道師としてピダハンの言語を元気してた著者が、ピダハンと関わることで信仰を捨ててしまうのも驚きだった。未来や過去なんかの抽象的な事を考えるから不安を抱くのであって、現在しか考えなければ信仰に頼る必要もないんだな。続きを読む
投稿日:2023.09.15
ikaojo
ピダハン(Pirahã)というブラジルはアマゾンの中で暮らす少数部族。20年以上にわたって、何度も村を訪れては生活を共にし、学んだ著者の記録である。 ピダハンへの理解が進むにつれ、自身の信仰に揺らぎが出る、人生が大きく変わって行く著者の物語でもある。 ゆる言語学ラジオで特集されていたのが面白かったので、読んでみた。結果、すごく面白かった。このあたりのジャンルの本、もっと読んでみようかなぁ。 ・ 宣教師として、家族とともにピダハンの村で暮らしはじめる。が、まずは言葉を覚えなければ何もできない。言語学者でもある著者は、彼らの言語・文化を調べ始める。 ピダハンの人々は、みんながみんなそれはそれは幸せそうで、どの顔も笑みに彩られ、ふくれっ面ややふさぎ込んだ顔はいない。大人も子供も、著者に興味しんしんだ。 辞書も文法書も、なんならYouTubeなどの動画素材まで充実している言語ですら、外国語というのは習得がなかなか難しいのに(私だ、、)、文字すらない未知の言語をイチから調べあげるなんて、想像しただけで気が遠くなる。 でも、その過程を私は著者とともに、ただ本を読むだけでたどって行くことができる。言語学者のフィールドワークを追体験できる貴重な本なのだ。 彼らは名前が長い。もっともよく登場するいちばんの言語の師匠は、コーホイビイーイヒーアイ。そして、何かの節目で名前を変える。彼はティアーアパハイと変えた。精霊から名前をもらうのだそうだ。全く別の人間に生まれ変わるのだ。前の名前で呼びかけても返事をしてくれない。 ピダハン語には、関係節がない。また、修飾語は1つ。2つ以上になると、文を分ける。 「おい、パイター、針を持ってきてくれ。ダンがその針を買った。同じ針だ。」という。 英語なら「ダンが買ってきた針を持ってきてくれ」のひと言で済む。 この、関係節で文を入れ子構造にできることを、リカージョンと言う。ピダハン語にはリカージョンがない。 ピダハンは、直接体験したことしか信じない。これは、ピダハンの生活、言語を体験して行く上で著者がひしひしと感じていたことだ。 ピダハン語にも慣れ、聖書の翻訳にとりかかり、いくつかピダハンに説教を試みる。 聖書は、大昔に起こったとされる奇跡・物事が伝聞された書物で、実際に今の人々が体験したことではない。なので、やはりピダハンはいくら信じた方が良いと説得されても信じようとはしなかった。 そういったことに著者は心を揺さぶられた。そして、キリスト教の伝道師たる自身の信念にも疑念を抱きはじめた。それから20年もの間、隠れ無神論者として過ごし、打ち明けた結果は、家族を失うこととなってしまった。 言語と文化はセットで互いに影響を及ぼしている、と言うのがこの本の大まかな主張(だと思う)。 ピダハン語には「心配する」に対応する語彙がない。著者は過去30年あまり、アマゾンの他の部族の調査も行ってきたが、ピダハンほど幸せそうな様子の部族は他にない。ピダハンの村にきたMITの研究グループも、これまで出会った中でもっとも幸せそうな人々だ、と評する。 著者が当初宣教しようとしていたキリスト教の教徒より、他のどんな宗教の人々より、ピダハンは類をみないほどに幸せで充足し切った人々だ。 そんな締めくくりで終わった。 ピダハン語の音源をYouTubeで見つけて聞いてみたが、めちゃくちゃ難しそうだ。これを聞き取れるようになる気がしない。著者の根気に改めて敬服する。 本の途中、言語学的観点から難しい文章が延々と続く章があるが、その辺は目が文字の上を上滑りしているだけだった。。。何もわからん。日本語さえ。。。 しかし、とにかく面白かった!
投稿日:2023.08.11
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