【感想】猫と漱石と悪妻

植松三十里 / 中公文庫
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
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ブクログレビュー

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  • チッチ

    チッチ

    とても読みやすく面白かった。漱石の聞かん坊ぶりに心がざわついたり、同情したり。最後まで一気に読んだ。

    投稿日:2023.08.15

  • pokke

    pokke

    とても読み易い文章で一気に読了。漱石の妻は悪妻だったとは聞いていたけど、その時代に男の側から見れば、そう映るのかもしれない。でも、漱石にとっては、大らかで元気が良く、わかり易い性格の鏡子はきっと良妻だっただろう。続きを読む

    投稿日:2023.02.04

  • すこべえ

    すこべえ

    漱石の妻を主人公にしたドラマの原作本かと思ったが、さにあらず。
    こちらは漱石関係の資料を駆使して描かれた、文庫書下ろしの作品だという。
    ちょうど、そのドラマと同時期に発刊されてるので、当時は漱石の妻にスポットライトを当てるブームだったのか??
    あくまで悪妻と呼ばれた妻、鏡子さんの目線から書かれた物語で、文体も現代人が読みやすいものとなっている。漱石作品へのアプローチになるかも??
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    投稿日:2021.09.02

  • りお

    りお

    夏目漱石の奥さんからの視点で小説が生まれていくところが面白かった。亭主関白というか暴力を振るうのはどうかと思うけど、植松さんの文章で嫌な感じもなくすんなり読むことができた。

    投稿日:2019.05.11

  • uchineko

    uchineko

    見合い相手として現れた夏目金之助(漱石)に一目惚れした鏡子。しかし、結婚生活は苦難の連続で…! 波瀾と笑いの数々を経て、深く結ばれた夫婦の絆を描く、文豪一家グラフィティ。

    夏目漱石と言えば気難しそうな顔をしたあの写真と、ロンドン時代に心の病を発症したことが知られている。「吾輩は猫である」が実話に基づいていることは聞いたことがあったけれど、本作はさまざまな漱石作品の誕生の背景を鮮やかに描く。さすが植松三十里だ。
    (B)
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    投稿日:2018.08.26

  • しずく

    しずく

    漱石について書かれた本はいくらか読んだり、講座を受講したりとそれなりに理解しているつもりだ。初期のころは「吾輩は猫である」や「坊ちゃん」など軽妙で笑える作品だったのが、晩年近くになるにつれ死生観や知識人の苦悩などの重厚なテーマに変わっていく。生い立ちは勿論のこと、イギリス留学を機に精神的に不安定になり闘病が続く。一通り漱石論も学んだが、文豪・漱石さんは苦手。読んでいると、小説の主人公である男たちにイライラが募ってしまう。親友の恋人を奪い自分を赦せないでいる『先生』、妻の愛情に疑念を抱き、弟に妻と旅行に行ってもらい愛を確かめたい男。かと思えば、罹患した病の詳しい説明や、愛娘が亡くなった時の様子や葬儀などが細かく小説にとりいれられたり・・・。苦しみから首をひん曲げて顔を背けて乗り切ってきた私には、到底理解できない。文章を綴る作業をやっていたら、始終向き合わねばならず忘れる暇がないのではないか。却って症状が治まらずにひどくなっていったのは仕方ない。漱石、50歳に届くか届かないかの死だった。
    漱石の作品の中の女性たちは結構自由奔放な面が見受けられる。漱石は屈折した女性観の持ち主なので、あけすけに物言う女に安心感を抱いていた。
    鏡子さんはまぎれもなくそういう女性だったと思う。漱石は仕事には几帳面で社会人としては常識を通していたが、家庭では怒り出したら妻や幼い娘たちにも手をあげていた。今でいううつ病で家庭内暴力をふるっていたという。一番近い家族に甘えて暴力に走るという典型的な症状に感じられた。
    本書は妻・鏡子さんの視点から漱石を捉えてある。鏡子さんについて云々というより、家庭での漱石を描かれたことで、より漱石像が鮮明になって好きではなかった漱石に親近感が湧いた。
    『銀河鉄道の父』で賢治の隠された面を知り、より深く理解できたのと同じ感覚だった。

    ※漱石は「漱石枕流」から筆名を取った。
    昔中国に『流れに漱(くちすす)ぎ石に枕す』という言葉を、『石に漱ぎ、流れに枕す』と言い間違えた男がいたが、負けず嫌いで間違いを認めなかった。負けず嫌いやへそ曲がりを『漱石枕流』と言うようになったという。負けず嫌いは苦しかろう・・・。
    続きを読む

    投稿日:2018.08.15

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