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細谷雄一 / ちくま新書 (12件のレビュー)
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makinosuke
2015年の安保法制の成立背景と意義を冷静に振り返ることができる良書でした。 大学の学生たちに噛んで含めるように語りかけているような、平易で丁寧な文章です。著者の教え子達への深い愛情を感じます。 日本…国憲法は何度か読んだことはありましたが、国際協力について強いコミットが表現されていることに、著者の指摘で改めて気付かされました。続きを読む
投稿日:2022.08.14
matthewgp
このレビューはネタバレを含みます
結果的にめちゃくちゃタイムリーなテーマとなったが、刊行年がやや古いため、現在進行中の出来事であるロシア-ウクライナの問題は当然ながら取り上げられていない。 おそらく本書は安倍内閣時のいわゆる「周辺事態法」に触発されて書かれたのだろうけど、そのカバーする範囲はかなり広く終戦から現在までをリアリズム的な視点でカバーしている。特に面白かったのは、内閣法制局の解釈が年月を経るごとに硬直化・保守化をしていったというあたりで、官僚的世界の極地をのぞいた気になる。 こういった内容がもう少し基礎知識として広がっていけば、もう少し安全保障の議論も冷静に出来るのだろうけど、今のSNSの反応見ていると、そういった期待は夢なんだろうな・・と思わざるを得なかったりもする。
投稿日:2022.02.25
shimu2
【外交によってどのように平和の実現が可能なのか。また、外交によって可能なことと、外交によって不可能なことは何なのかを知ることが、不可欠となる。外交とは魔法と同じではない】(文中より引用) 2014年…から2015年にかけ,右派・左派の双方から激しい言葉の応酬が見られた安保関連法の制定過程。噛み合わない議論と現実に基づかない認識に歯がゆさを覚えた著者が,現代の国際環境をにらみつつ,安全保障を語る上で必要不可欠な視点の提供を試みた作品です。著者は、慶應義塾大学法学部教授を務める細谷雄一。 当時の加熱する報道・意見合戦を思い起こしながら読み進めてみたのですが,本作での主張を踏まえた議論がなされていたら,その様子はどのように変わっていただろうかと思わずにはいられませんでした。著者の憤りがかなり前面に出た作品ではありますが,外交史から国内政治まで,幅広い分野からの視点が押さえられており,安全保障について考える上で大変参考になる一冊ではないでしょうか。 平易な言葉で書かれている点も☆5つ続きを読む
投稿日:2021.10.07
モゲラ
平安法制肯定派の国際政治・外交史の研究者による、独善的、感情的で党派的なものになりがちな我が国の安保論争、平和と戦争をめぐるこれまでの歴史と、今日の安全保障に対する知見なき「平和」への批判。 ただ、そ…れだけでなく、現下の安全保障環境と平安法制の必要性との関係についてもわかりやすく説明されており、その観点からも読む価値はある。続きを読む
投稿日:2020.03.14
bqdqp016
国際政治の専門家による、安全保障の話。安全保障についての意見には賛同できる。また、わが国の安保論争について、歴史的な説明はよく纏まっており、参考になった。 ただ、いろいろな人が言っている言葉や意見が多…く掲載されているが、著者がそれを使って何を言おうとしているのか曖昧なところがある。やや、論理性、学術性に欠ける。 「(オーウェル)私ははじめて、嘘をつくことが職業である人物に出会ったが、なんとその人のことを人々はジャーナリストと呼んでいる」p18 「(トロッキー)あなたは戦争に関心がないかもしれないが、戦争はあなたに関心をもっている」p57続きを読む
投稿日:2018.10.23
kymn
平和のために軍事力を持つことが必要という、一見あべこべのように感じていた理論を、わかりやすく説明してくれた本。今までの世界の歴史から、今の国際情勢、日本の立場について知れたし、理想論だけでなく現実的に…世界を見て日本がどのようにあるべきかを示してて、かなり勉強になった。続きを読む
投稿日:2017.04.11
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