【感想】台湾とは何か

野嶋剛 / ちくま新書
(15件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • しおり

    しおり

    2024年の台湾総統選が間近に迫っているけれど、台湾政治をふわっとしか知らないので読んでみた。読んでよかった。特に、馬英九政権の台湾についての理解が進んだ。台湾関連のニュースの解像度もかなり上がった。

    改めて、難しい場所だと感じる。特に、「第五章 台湾アイデンティティ」「第六章 例外と虚構の地「台湾」」を読むと、台湾への言及の仕方に迷い、幾分慎重にもなる。

    それでもやっぱり、この場所が大好きで、これからも通い続けて台湾の文化を一層理解したいと思う。

    本書は、蔡英文が総統に就任した直後の2016年に出版された。あれから、世界の状況も大きく動いた。1月に総統選を迎える台湾から目が離せない。

    野嶋剛さんの新刊『台湾の本音』がまもなく発売ということで、楽しみ。
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    投稿日:2023.11.22

  • ペラート

    ペラート

    ジャーナリストなのでやはり読みやすく面白い。冒頭から巻末まで淀みなくどんどん読んでしまう。内容的には、政治的な事柄とアイデンティティについてが殆どだ。著者は、もっと台湾のことを直視しろ、議論しろ、と言う。私も二週間後、本書の内容を思い返しながら、台湾に行ってこよう。続きを読む

    投稿日:2022.12.31

  • 1662057番目の読書家

    1662057番目の読書家

    平易な文章でわかりやすい。紹介されていた司馬『台湾紀行』と小林『台湾論』は読んでおきたい。興味深い記述は以下のとおり。
    ・1953年に中国は十一段線のうちトンキン湾線と北部湾線を削除
    ・2013年に台湾外交部は「釣魚台の争いにおいて中国大陸と合作しない我が国の立場」を発表
    ・村山談話において、台湾をどう位置づけるかはまともに議論した形跡なし。「返還」されたことで日本社会の認知の中で台湾という存在が消失したのでは。
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    投稿日:2022.10.23

  • twshayafune

    twshayafune

    台湾について少し何かを知りたいと思って借りた本。
    しかし、読み始めて最初の序章、次の第1章がとてもお堅い内容。台湾の政治に多少なりとも興味を持っていなければなかなか読み進められない。もうほとんどやめようかと思ってぱらぱらと読み飛ばして第2章に入った途端面白くなった。
    著者は朝日新聞で中国語圏に留学する機会を得て台湾の大学を選択するも、会社の方針で中国に変更させられた
    という。この体験談から、2016年当時の日本と中国、台湾との関係がとてもよくわかった。
    日本は台湾と正式な国交を結んでいないため、台湾との関係をまじめに考えようとすると矛盾が多く、「思考停止」せざるを得なくなる。台湾人も、独立国台湾を望む人が増えているというが、かといって積極的な独立運動は行わず「現状維持」波が多数を占めているという。
    経済的にも文化的にも魅力の多い台湾は、政治的には複雑な立場に置かれているようだ。
    他の本も読んで台湾のことをもっと知らなければいけないと思った。
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    投稿日:2022.04.26

  • あっとゆーじ

    あっとゆーじ

    台湾とは何か。日本から見た・中国から見た・歴史的に・そして今、台湾とは何者かを日本人目線で理解することができる本。
    時事モノとしては少し古いけど、図書館で見かけて大学時代の講義を思い出して借りた。当時は初めて民進党が政権取った時代で、中国とは異なる歴史を歩む台湾は盛り上がっていたことを覚えている。
    本書は現地に詳しい新聞記者目線から見た、日本人が知らない台湾の基本について分かりやすく解説してくれる。ちょっと勢いのある主観的な書き方が気になったが、正論とか事実だけを振り回すではない、現地の事情を理解した説明は説得力がある。
    なお、本書は中国の影響増大・トランプ出現する前に書かれたものであるので、本書が取り上げている最新情報・未来については昨今の情勢で各自アップデートする必要はある。しかし、日本と台湾の歴史的な関わりと現代、そして何より中華民国ではなく「台湾」として生きようとする在り方をこの1冊で知ることができたのは収穫だった。
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    投稿日:2021.08.31

  • kingasia722

    kingasia722

    読了。
    いま香港で起こっている事を理解し、そのありうべき未来を予測するにあたって、日中の政治パワーの狭間で絶妙なバランスを保ちながら、独自のポジションを築き上げた台湾を考察するのは、それぞれの立場に於いても大いに意味のあることだろう。
    元朝日の記者にしては(笑)、非常にバランスの取れた観点で、フェアに現在の台湾を描き出そうとしているのは好感が持てる(でも、ちょっと蔡英文に肩入れしすぎかな)。
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    投稿日:2019.08.30

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