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三井美奈 / 新潮新書 (14件のレビュー)
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さってぃ
ヨーロッパが直面してきたイスラム教や移民の課題について考察されていた。イスラム教だから過激というのではなく、社会に残る差別や格差が結果として過激派を生んでいるんだと思った。日本においても受け容れなけれ…ば人口減少が進んでいく中で、どう移民を受け容れていくか自分ごととして考える必要がある続きを読む
投稿日:2024.03.01
つー
先進国は軒並み少子化の課題を抱えているが、欧州のドイツや極東の日本は顕著だ。特に日本は現在の出生率がつづけば2060年頃には人口も8,000万人台に落ち込み、日本中の多くの地方自治体が消滅する事が予想…されている。現在でも既に働きて不足は顕在化した問題として捉えられ、転職市場では若い世代だけでなく、40〜50台までの管理職クラスまでもが奪い合いの状態だ。ここ数年、欧州の移民問題だけでなく、アメリカのトランプ政権に代表されるような極端な自国第一主義、自国民優先が表に出てきて、外部からの移民流入には各国とも慎重な動きが目立つ。だが、前述した様に日本の少子化対策が上手く進まなければ経済は縮小の一途を辿り、起業経営者も海外からの受け入れの是非を決断する時期が来た様に思える。それを国がどう受け止めるか。巷ではコンビニや家電製品売り場まで、ベトナム人の名前や中国人名に溢れているが、事業会社や会社経営により近い組織などでも既に「カタカナ名」がいる事自体が当たり前になってきた。 本書は主に欧州でこれまでに発生してきた、キリスト社会とイスラム社会の対立に焦点を当て、これから欧州各国が移民に対してどの様に向かい合っていくか、更には日本はそこから何を学べば良いかを教えてくれる。 これまでの欧州は正に「文明の衝突」とも言える様な、フランスの同時テロやスペインの列車爆破、ベルギーやデンマークでのテロなど、観光に適した安全な国がテロの現場、戦場と化してきた。欧州はこれまでもシリア内戦やその他の地域からも人道支援的な立場から難民を多く受け入れており、今それらの2世3世が移民先各国で国籍を持ち、自国民として生活している。そうした世代が直面する差別や給与格差は確実に熱気を帯びてイスラム化への原動力となっている。やり場のない怒りを吸収し、イスラムの思想の中でも一部の過激な組織は力を付ける。そうした組織が裏で手を引くテロは「ホームグロウン・テロ」(移民先で生まれたテロリストが引き起こす意)と呼ばれ、わざわざ海外から危険を犯してテロリストを派遣潜入させるよりもよほど簡単な手段となっている。ネットを見ればいつでも勧誘動画は見る事ができ、若者がそれらに感化されテロリストになるリスクは大きくなっている。 フランスで話題になった「ブルカ法」などはそうしたテロリズムへの恐怖と、自国のアイデンティティに染まらず、クルアーンの教えに厳格であればあるほど溝を生む構造が生み出したものだ。本書は「私はシャルリー」運動も重点的に触れられており、欧州の移民政策の顛末から読者へ問題の本質を考える様呼び掛けてくる。 日本の今後を考えていくためにも一読しておきたい一冊だ。続きを読む
投稿日:2023.11.26
横
異なる宗教は共存できるのか(イスラム教と、キリスト教) イスラム抜きに、今の欧州は理解できない 20世紀は、ユダヤ教と、キリスト教、21世紀に入っては、イスラム教の影響も、3大一神教が 中東を発信源…として、欧州を揺さぶっている キーワードは、テロ、移民、文化の衝突、融合しない宗教、移民受け入れに伴う社会福祉費用の増大だ。 気になったのは、以下です。 ・建国を宣言したイスラム国は人工増強策に女性を必要とした。男性戦闘員と結婚させ、次世代テロリストを産ませるためだ ・結婚できる歳を9歳としたのは、ムハマンドの妻アイシャが、6歳の時に嫁ぎ、9歳で性交したとの聖典の記述に由っている ・中東にわたり、テロ組織の戦闘員になる西欧人には、いくつかの特徴がある。定職がない。麻薬やかっぱらいなどの軽犯罪に手をそめた不良だったなど ・盗聴や通信傍受で多量データを収集しても、そこから必要な情報を引き出す能力がないと意味がない。本当に必要な情報をよりすぐり、テロリストを結ぶ線をどう見つけるか、分析力が必要だ ・聖戦や抵抗運動を志すイスラム教徒は自国やあらゆる場所で、米国に対する戦いに参加することができる。 ・欧米人なら、雑踏にまぎれやすい。テロ犯罪歴がない小者なら、捜査当局にマークされることもない。目立たないように、細胞はできるだけ少人数がよい。 ・テロリストの出現は英国政府を震撼させた。270万人のイスラム教徒がいる、多くは、移民2世、3世だ。 ・イスラム教徒たちが西欧にやってきたとき、彼らは希望に満ちていた。西欧は第2次大戦後の経済復興期にあたり、産業を支える労働力として、南西アジアや北アフリカからくるイスラム教徒たちは歓迎された ・西欧で生まれた移民の子たちは、出生国で市民権を獲得した。現在は、2世、3世だ。 ・イスラム教徒はいまだに、フランスでよそ者扱いです。我々は人種差別撤廃に努めている、という人たちも、イスラム教徒が信仰を実践することを嫌うのです ・西欧ではイスラムとの関係で2つの異なったアプローチがある ①同化主義:フランスやドイツのように、同化、をもとめ、移民たちに自国の価値を植え付けようとする考え ②多文化主義:英国のように、さまざまな民族集団が独自の宗教、習慣を維持しながら、併存を目指す考え ・シャルリ:漫画をつかったイスラムへの風刺 仏誌 リベラシオン、ルモンドは、ムハマンドの風刺画をそろって新聞に掲載した 米国は掲載に慎重、ニューヨークタイムス、AP通信、CNNらも報道を見送った 日本も、読売、朝日、毎日などの主要全国紙も掲載を見送った ・ドイツの積極的な移民受け入れ政策:メルケルの方針には、人道的配慮以外に、人口減少への危機感という思惑もあった ・中東からドイツへ向かう移民の群れが、その通過国に大きな影響を与えてきた ・欧州では、難民を受け入れるべきとの声と、イスラム人口急増、移民の流入を不安視する声があがっている ・まったく異なる文明の国から、ものすごい数の移民が波のように押し寄せている。その習慣や伝統は、我々とはまったく折り合わないものだ ・かわる北欧の寛容、国民と同化する移民は歓迎するが、イスラム教徒は国民が培ってきた価値観に溶け込まず、福祉を食い物にしているだけだと告発した ・イスラム嫌い政党が伸長するフランスや北欧には共通点がある。それは、福祉国家の代表格である上に、国の価値観に対する強烈な自意識をもっていることだ ・移民嫌悪の根っこは、経済や、福祉の負担だけではない。価値観の違いが大きい ・各国政府は一方で、イスラム教徒の若者にアピールするあめに、若くて有能な政治家を要職に起用する努力をしている ・日本が移民受け入れに消極的なのは、よく知られている。外国人が来れば、賃金が下がる、得をするのは大企業だけ。治安悪化をまねく、日本に多民族主義は合わない 目次 はじめに 1 過激派志願の若者たち 2 ホームグロウン・テロリスト 3 共存の葛藤 4 立ちはだかる壁 5 シャルリー・エブド事件の衝撃 6 イスラムと欧州政治 ISBN:9784106106491 出版社:新潮社 判型:新書 ページ数:208ページ 定価:720円(本体) 発売日:2015年12月20日続きを読む
投稿日:2023.11.21
あがり
欧州におけるイスラム勢力の台頭を多数のニュースとともに紹介。事実の羅列が長く、冗長。読むのが苦痛なほど。 そして背景とか今後の展望とかは少ない。 よって、資料として。 読了45分
投稿日:2023.09.01
荒川自転車乃介
海外からフランスに渡ってきた移民や、その子供たちが疎外され、イスラム教の中でも過激な思想に染まり、ホームグロウンテロリストになっていく構図が、説得力を持って示される。2015年の刊行だが、2023年の…今読んでも内容は古びていない。 日本でも、海外からの労働者やその子供は疎外されている。日本も他人事ではないし、フランスや他のヨーロッパのようになってしまうかもしれない。そうなる前に、手を打たなくてはならないと強く感じた。続きを読む
投稿日:2023.02.27
kopita
実際ヨーロッパに行くと、ムスリムの人たちが 多い。 宗教も違うし、絶対軋轢あるよなぁと、 思いながら読みました。 日本でもこのような問題が起きるでしょう。
投稿日:2019.09.22
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