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倉本一宏 / 中公新書 (21件のレビュー)
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めめ
蘇我氏滅亡してないやん!っていう面白さ。あと家系図が独特で良かった。昔は親族で結婚することも多かったからというのもあるが、蘇我氏の血がどれぐらい入ってるか(1/2とか1/4)っていうアプローチが新鮮。
投稿日:2022.04.10
1440612番目の読書家
蘇我氏渡来人由来説は誤り。現在の奈良県曽我が発祥の地と考えられる。始祖は葛城氏から独立した蘇我稲目。それ以前の家系図も存在するが実在は疑わしい。 王位継承に血縁原理が導入されたのは5世紀のことであり、…欽明天皇と稲目により確立した。戸籍登録も行った。蘇我氏を悪と決めつけ聖徳太子や中大兄皇子による天皇中心の中央集権国家の建設を善とする歴史観では蘇我氏の開明性は説明できない。 馬子の時代、物部氏を滅ぼし政治抗争に勝利した。この時蘇我氏側についた王子に厩戸王子がいた。馬子は崇峻天皇を暗殺し、推古天皇が初の女帝として即位した。馬子、推古天皇、聖徳太子の三者共同政治体制が敷かれ、長く続いた。 次代の蝦夷は舒明天皇を補佐し、皇極天皇(女)の頃には入鹿が力をつけた。日本書紀ではこの頃から蘇我氏の横暴が描かれているが、乙巳の変を正当化するための編者の意図が窺われる。 入鹿は中大兄王子に惨殺され、蝦夷は自害させられたと考えられる。その実態は単なる権力闘争であり、どちらが善というわけでもない。 天智天皇となった後も蘇我氏から大臣が選ばれるなどしており、大化の改新で蘇我氏が滅んだというのは誤り。蘇我氏の系譜は平安時代末期頃まで見られ、下級官吏を輩出していたが、その後は没落し歴史から消えた。続きを読む
投稿日:2022.01.07
あんず
漫画『日出処の天子』を読んで蘇我氏に対する理解を深めたく読んでみた。 蘇我氏は葛城氏として起こり蘇我氏として独立し、その後馬子、蝦夷、入鹿の活躍を経て本宗家は途絶えるものの、蝦夷の兄弟である倉麻呂の…家系が蘇我から石川へと氏を変え、生き延び、再び宗岳氏となり歴史の中に消えていく…。 蘇我氏と聞くと、十数年前に学校の授業で教えられたことを思い出す。蘇我は悪い奴らで、大化の改新でやっつけられた─。本書はこのような従来の捉え方に疑問を呈する。私個人としても蘇我氏(主に蝦夷)に感情移入しているので彼らが悪党そのものであったとは思えない。著者はただの憶測ではなく、あらゆる文献や史料を参考として解説してくれる。古文を読み慣れてなかったり、時代に詳しくない人にはだいぶ難しいと思うが丁寧ではある。 乙巳の変の部分は迫力がある。どうしても『日出処の天子』の作画で想像してしまうので悲しさと切なさが強い。。この結末を詳細に知ってから漫画を読むと切なさが倍増しそう。。 蘇我氏本宗家が滅んでからは徐々に藤原氏が台頭してくるが、藤原氏も蘇我氏と同じように外戚の立場を強めていく。平安時代の摂関政治のはしりは蘇我氏だったのか。 とても学びのある本だったが難しいので完全には理解できていない。これからも手元に置いて度々読み返したい。続きを読む
投稿日:2022.01.02
his360
乙巳の変で蝦夷・入鹿父子が討たれるまではもちろんのこと、大化改新から平安末期までの時期も扱われている。壬申の乱以降の律令制国家の下、中下級氏族になって生き残り続けた時代の様子は中々に新鮮だった。
投稿日:2020.08.29
yossy525
蘇我氏の始まりと歴史の表舞台から姿を消したその後…。 資料に基いた説得力のある推測と同族氏族の追跡調査。かなり詳しく調べられていて非常に興味深く読めました。 わたしにとっては、蘇我氏に対する知識が物凄…く深まりましたし、古代ロマンに没頭できる素晴らしい一冊でした。続きを読む
投稿日:2020.06.18
ぶうすけ
蘇我氏は大化改新で滅亡したという固定観念を覆す。生き残った一族は、その地位を藤原氏にとって替わられた。藤原氏がその後1000年にもわたり栄華を極められたのは、不比等の巧みな制度設計によるものなのか。
投稿日:2020.02.09
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