【感想】知の格闘 ──掟破りの政治学講義

御厨貴 / ちくま新書
(17件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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ブクログレビュー

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  • tetsuya44

    tetsuya44

    残念ながら、半分以上の部分は、政治学に対する知識が乏しく、よく理解できない。それでも、言及されていた著者の別の書籍の中から、興味深いものを数冊見つけたのは収穫。
    最も興味深かったテーマは、建築と政治。建築物が、そこで執務する政治家にどう影響を与えたのか、特に歴代の首相官邸の話は面白い。
    次に興味深く読んだのは、メディアと政治。やはり、映像の力は強大、ある時点を境に、テレビで主張できない政治家が、淘汰されたらしい。
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    投稿日:2018.12.09

  • ukaiya

    ukaiya

    新書としては、まとまりがなく
    老研究家の自慢話が大半を占めるが、
    時代と向き合った研究者のオーラルヒストリーとして
    読めば、興味深い記述も散りばめられている。

    おしゃべり社会となった日本での
    オーラルヒストリー研究の難しさや
    麻生総理の「状況規定」など。

    久しぶりに佐藤誠三郎の名前を目にした。
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    投稿日:2018.01.07

  • ryoi

    ryoi

    新聞で時々見かける名前程度の知識しかないところで読んでみた。

    6つのテーマについて、本人の独演、専門の研究者のコメント、質疑応答、で構成されている。

    まず感じるのは、本人、登場する研究者がみんな東大。 
    きっと、聴講者もそういう人たちなんだろう。

    中身は面白い。

    アカデミック一辺倒ではなくて。
    かなりベタなユーモアがあって、読み進められる。
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    投稿日:2014.12.04

  • takuinada

    takuinada

    退官時に出す本として、本人は満足するだろうとは思う。大層な題名だし。
    非常に貴重な研究をし続けていたということは良くわかるし、一流の学者であることも良く分かる。
    でも、それって世の中の何に役立つのか、歴史という学問にとってどんな価値があるのか。それを説明してくれないと、ムダなことに思えて仕方がない。
    そこをしないのか、できないのかわからんが、それが学者オブ学者なのかもしれない。
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    投稿日:2014.09.05

  • tomtomusc

    tomtomusc

    政治史の御厨教授の最終講義6回分のまとめ。
    政治史を、オーラルヒストリー、文献、建築など色々な角度から見ていること、メディアにもテレビや書評を通じて露出していることから、政治史そのものではなくそれぞれの切り口がどういうものかについて6回の講義を行っている。
    オーラルヒストリーについては、西欧からの導入であるが、日本に広まって来た感があり、インタビュイーもこなれて来ている。が一方メディアの出方も多様になっているため真の姿を見極めるのはやはり難しいのかもしれない。御厨教授は元々は官僚を相手に戦後の高度成長を裏付ける政策に取り組んでいたが、近年はより政治家より担って来ている。
    旧来のテレビ新聞といったメディアは、受け手も固定化され、作り手はその中で流しているだけになってしまっている。
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    投稿日:2014.08.26

  • shinko1001

    shinko1001

    御厨貴センセイの最終講義をまとめた本。最終講義といっても全6回行われ、しかも客員教授である間は、このあとも単位のある講義としてまたやることになったらしい(笑)。6回構成。
    第1回はオーラルヒストリー。オーラルヒストリーのことをよくしらなかったけど、聞き書きした回顧録などの形で作っていく歴史資料というような分野のよう。長年オーラルヒストリーをやってきた先生だけあって、いろんな政治家や官僚の話を聞いたときの裏話が面白い、宮沢喜一とか。小泉純一郎も。後藤田正晴と矢口浩一の2人のオーラルヒストリーを対比させて宮内庁・警察・裁判所の人事の関係なんかも分析したらしい、ちょっと気になる。
    第4回の「建築と政治」では、先生が歴代首相官邸を訪ね歩いて考えたりした建築と権力の関係の研究の話で、それ自体とても面白いんだけど、最高裁判所の建物と権力の分析についての話も出てきて、これがひじょうに「なるほど」。裁判所側もがんばって「裁判とは」って説明したようなのだけど、建築家に具体的なイメージをもってもらえる説明ができず、裁判官・調査官・事務総局の面々の動線がよくわからないまま、旧最高裁と異なり完全に部署ごとに塊を分ける建物になり、権力側が想定していた以上に権力的で孤独な建物になってしまった。たしかにやたら歩かせる変な動線だな…とは自分や最高裁勤務経験者の話を聞いていても思うところ。建築によって権力がドーンと規定されてしまった例、という話。
    そのほか、公共政策、書評やメディアの話に本分の政治学史の話題など。

    どうも自分は、最近ようやく今行われてる政治が少し面白くなってきたぐらいで、それを超えて政治史まで深く興味を持つに至っておらず、大学1年生の時なんていっそうそうだったので、「先生と政治史を深く学ばせてもらいたい」とならなくて、それは悔やまれるような、でも多分もう一回大学1年に戻ってもやっぱりそうだっただろうなというようなだけど(回りくどいけど要するに先生のゼミを高校の塾の先生からも紹介してもらってたのに、ほかにやりたいことがたくさんあったのと先端研までの距離と初回に読んだEHカーの「歴史とは何か」にそこまで入り込めなかったために結局ゼミを取らなかったという個人的な話)、この本で、本当に、先生の関心領域の広さ・好奇心旺盛さとそれぞれの掘り下げの深さを知ることができて、すごく面白かった。「政治史学からこんなところに行けちゃうんだ!」というような。
    実際、研究の傍らというか、先生が実際に携わった国の政策も幅広く、この本で話題に上ったものとして、勲章制度、靖国問題、震災復興構想会議と。こういうのに呼ばれるもそれぞれの分野で「ブルドーザーでガーッと耕す」みたいなやり方でそれぞれ成果をあげてるからだろう。
    「一つの分野をコツ、コツ」という研究者イメージをいい意味でぶっ壊しちゃう先生の学者生活の話、読む前は「どうかな」なんて思ってたけど、たしかに「知のエンターテインメント」という言葉が合う本でした。
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    投稿日:2014.05.28

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