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檀一雄 / 新潮文庫 (3件のレビュー)
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heepeeco
私のなかの、「勝手に檀一雄シリーズ」最終章。『火宅の人』より何より、一番、よかった。檀一雄その人のことを、一番身近に感じたような一冊だった。紡がれてく言葉、文章も一番率直で丁寧で、美しかった。最初の奥…さんとの、生きるための壮絶な闘い、生活。子どもの天真爛漫さに(読者も)救われるひととき。リツ子さんの臨終のシーンやそのときの檀の心の葛藤の描写は激しく重く、顔をしかめずには読めなかった。ゴゴゴ、と何か強い力に胸のあたりを押される感じ。リツ子の死後も檀は素直に自分の溢れでくる感情に従う。正直であることの残酷さ。そんなふうにしてしか生きられない性(さが)を背負って生きていく著者の決意がみえたような気がした。 時代、環境、いろいろあるけど、なんか、濃く生きるのっていいな。続きを読む
投稿日:2013.09.10
shimasora
チチー、ハハーという声が頭に浮かんでくる。 記憶が間違っていなければ、確か映画化されていて今井美紀がリツ子だったと思う。映画の中で病んでいく彼女がまた美しく切なかった。
投稿日:2011.08.24
SOHO
小説家・壇一雄と妻リツ子、息子太郎との生活を綴る。戦時中、妻と息子を日本において取材のためと称して内地へ行ったり、思うがままの生活を送る。肺結核にかかり寝たきりとなった妻の看護生活。 はーなんともす…ごい話だった。わがままなのに献身的で哀切に満ちた話。太郎のかわいい振る舞い、言葉が救い。「なーん?ん、なーん」「大きくなってチチになって御飯タキタキする」続きを読む
投稿日:2010.07.11
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