【感想】朝顔の日

高橋弘希 / 新潮社
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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5
2
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ブクログレビュー

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  • maako

    maako

    ちょっと昔の小説を読んだような不思議な感覚。作者はまだ若い。結核病棟のそれも現代的ではない空気が感じられた。

    投稿日:2020.10.05

  • 港

    妻に迫る"死"を静かに、綺麗に描かれていた。
    一見淡々としているようだけれど、夫婦の会話などから感じる"愛"。それを感じると、やっぱり色鮮やかに描かれてるなあと痛感した。
    いい意味で、インパクトがあった訳ではないが、この本から感じる温度がとても心地よかった。
    また時間があれば読みたいし、部屋に置いておきたいと思える一冊でした。
    続きを読む

    投稿日:2019.02.11

  • 雄志

    雄志

    このレビューはネタバレを含みます

     テーベ、現在でいう結核を発症している人たちの病棟と思われる入院施設に入院している妻を見舞いに訪れる夫の凛太の視点が主になっている。一瞬一瞬を生きている人たちの光景に死の影がちらちらとあって、だんだん不安になる。特に筆談で会話するようになってから。そんな中でも最後は少しだけ光が見えたのかな。わずかな命に輝きが見えたそんな感じ。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2018.11.23

  • 八百

    八百

    あの「野火」に匹敵する…の帯にそんなわけがないだろう!と高を括っていたのだが読み終えて思ったのはこれは戦争など知る由もない30代の青年に旧日本軍の兵士が憑依したのではないのかと。その想像の世界の戦争はエンタテインメントに走ることもなく飢餓と病により死を目前にした人間の内面を淡々と描くものであるがそれは遠く離れた南の島で戦病死した何十万人の兵士の生々しい声。忘れてはいけない、語り継ぐなどの大義はさておきスタバのコーヒー1杯分の値段で読めるわずか70年前に起こった歴史の事実を感じ取れるこの文庫本の価値は高い続きを読む

    投稿日:2018.10.16

  • 橘

    とても静かで美しいお話でした。
    戦争の影が差す時代、結核で療養している妻を見舞う夫のお話。
    感情を全面に大袈裟に押し出していない冷静な語り口ですが、病が進行していくにつれて透明になっていく妻に接する夫の悲しみが静かにひたひたとしみこんでくるようでした。
    情景や、筆談になった妻の書き言葉もとても綺麗。昔に書かれた物語だっけ…と途中思いました。
    この作家さんの文章が好きです。痛々しい描写もありますが、静かで。
    続きを読む

    投稿日:2018.08.18

  • ありが亭めんべい

    ありが亭めんべい

    つい先日 芥川賞を得た高橋弘希さんの3年前 35歳時の作品。昭和15年年末から翌年年末に至る当時の不治の病 結核に見舞われた妻と寄り添う夫との日常の光景が家族や病院の人々と共に 静かに静かに流れるように語られており読者の心に染み入ってくる。こうした作品を35歳の方が当たり前の如く違和感なく極く自然に描けることに驚いた。何故だか不意に大昔に頭に残った文芸歌謡曲、三浦洸一の「純愛」が浮かんだ♪
    この作品も芥川賞候補だったし、「指の骨」も芥川賞と三島由紀夫賞候補だったけど この作家の非凡さ半端ないって 笑。
    続きを読む

    投稿日:2018.07.29

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