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ちゅーばちばちこ, ryuga / HJ文庫 (3件のレビュー)
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もるがな
平々凡々な人間が現実離れした特殊なヒロインと出会っても、何の物語も生まれない事を200ページ使って説明した意欲的な作品。ジャンルはいわばセカイ系に属するもので、「試験官」と呼ばれる謎の怪物の脅威に怯え…る世界……は一切描写されず、中間世界をすっ飛ばし、ただひたすら殺戮系メンヘラヒロインと平凡な主人公の生活が延々と続く。波乱も起伏もなく、時折クソガキと呼ばれる超得した存在がメタフィクショナルに茶々をいれるものの、基本的には何も起こらず、主人公二人は騒動の渦中にいながらにして無関係という、虚無的な立ち位置のまま話は進んでいく。ラノベ読者にありがちな妄想をそのまま文章に起こしつつ、ただ現実化しただけではひどく奇妙でおぞましく、歪なものになることを表現したという、いわば実験作のような作品であり、ラノベとしての異様なつまらなさや破綻した箇所も、ある意味では計算のうちなのだろう。ラノベという体裁で出したセカイ系文学といったほうが正確かもしれない。主人公二人の人物造形もかなり現代的で、家族や現実に対する執着の薄さや、目の前の異性に対する感情、他人に対する冷えた感情など、セカイ系作品のテンプレート的キャラクターではあるものの、おおよそ物語のキャラクターらしくなく、ヒロインは特殊な力があるものの、文字通りその力のみでギリギリキャラクターとして成り立っているという有様である。特殊な世界、特殊な関係に置かれても物語の主人公にはなれないかもしれないという問いを突きつけている作品。舞城王太郎っぽさもちょっとだけ感じた。作品はともかく試みは興味深かった。続きを読む
投稿日:2019.05.28
massaami
セリーヌの夜の果てへの旅を参照しているライトノベルと聞いて是非読んでみたいと思っていた作品。 「・・・・・」こそ使っていないがセリーヌを意識しているだろうことは文体からうかがえる。 かつてゼロ年代を席…巻したセカイ系とセリーヌの1人称語りを足してみたら・・・という実験作だったのではないかと勘ぐることもできる。 それぞれの章の名づけ方がどこか中原昌也さえ想起させる。 あとがきからおそらくこの著者はこの作品限りでもう書かない可能性さえ感じさせる。 悪ふざけとおちょくりが目的だから。 ライトノベルとして出版されているが、ライトノベルのようなボーイミーツガールものとして購入すると痛い目見ること必至。続きを読む
投稿日:2018.01.06
しろかぎ
問題作かなーと思って買ってみたけど問題作だった。 つまらないけど自覚的でありそれが必要だったのだ、という気もしないでもないのでまあこれはこれでいいのかもしれないけどエンタメ的に面白いかと言われれば、え…ーと、うーん。 ちょっと誤植が散見されたり「女の娘」って表記はありなのだろうか…ちょっと頭痛が痛い…と思ったりもしたけど、メタ的作品であるからしてそこはまあまあ。続きを読む
投稿日:2015.10.16
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