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高尾長良 / 新潮社 (3件のレビュー)
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総合評価:
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さつき
かなり読みづらい文体にようやく慣れた頃に終わった。 芥川賞候補作だったことを、読み始めてから思い出した。 読むことが苦行のようだった。 それでも止めなかったのは、何かしら感じるものがあったからだとは…思う。 しかし、何の予備知識もなく読むべき本ではなかった。 さっぱりついていけなかった。 影媛の物語を知った上で読んでいれば、 また違う感想を持てたのだろう。 後から知って、自分が読み間違えてはいなかったことに安心した。でも、それって、違う。 失敗したなあ。続きを読む
投稿日:2016.02.11
大田別 稲吉
影媛、物部麁鹿火、物部石弓若子、物部尾輿、平群真鳥、平群志毘、武烈天皇、大伴金村、が登場する。 ネット上の感想を見ると、二十二歳の著者が書いた芥川賞候補作ってことで、上から目線に「お手並み拝見」と読ん…で叩いてるのばかりですなw評論家きどりは楽しいかおまえらw 読みにくい文章といえばそうなんだけど、古代文献の訓読文をたまに眺めてる人ならすぐ慣れる。 あと作中の「彼女」はすべて影媛のこと。直前の文に誰か別の女性が出てきてても、その人のことだと思って読み進めてはいけない。 旧事本紀の系譜にのみあらわれる、麁鹿火の息子・石弓、彼が登場する貴重な小説として、後世まで物部氏マニアの間で語り継がれるであろう。続きを読む
投稿日:2015.10.01
hvnstr
このレビューはネタバレを含みます
最近よくある、歴史小説でオンナ主人公。わかりやすく、オンナとわかるタイトル。 失礼ながら、ネットによく散見される、とてもよくできたオリジナル歴史小説を自費出版したのかな、と思っていた。 現役京大生による擬古典的な文体、芥川賞候補作。第二の平野啓一郎を生みたかったのか。 物部の巫女媛が敵対する平群の後継ぎ、志毘と恋に落ちるが、聖徳太子に嫁ぐことを強いられ、父に恋人を殺される。ただそれだけの中編。題材がいいので期待していたが、構成力に乏しい。 格調高い文体を目指しているが、古語辞典から単語をひっぱって継ぎ合わせたようなちぎはぐさで、古文独特の柔らかさやリズムがない。やたらと「…の様に」を多用しているのが気になって仕方がない。平野はまだ文章になっていたのだが、これはなっていない。 鹿肉をやたらと解体するシーンだけ執拗にリアルに描写されていて、気味が悪かった。医学的興味からなのだろうか。 若さゆえの感性は鋭いと思うのだが、無理に古典的文体に挑戦せずに、現代語でのびのびと書いたほうが良かったのではないか。 若い頃に背伸びして擬古典的文体を真似て評価されたものの、その後、さっぱりという作家さんもいらっしゃるので、物語としての面白さを追求する技巧を磨いた方がいいように感じる。まあ、純文学でエンタメじゃないからこれでいいと思うかも知れないが。 あと聖徳太子の意地悪さが、某漫画っぽいと思ってしまった。
投稿日:2015.03.16
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