【感想】母の遺産 新聞小説(上)

水村美苗 / 中公文庫
(11件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • まき

    まき

    時々お話が前後するし、読みにくい部分はあったけれど。
    主人公と近い年だし、他人事ではない内容に先が気になり興味深く読めた。

    投稿日:2024.02.18

  • 甲越

    甲越

    読売新聞にて2010年1月16日から2011年4月2日まで毎週土曜日に連載(全63回)。当日の新聞を保存してあったので、読み通した。
    自分が母の介護に追われているので、このタイミングで読んでみた。主人公の心理描写が素晴らしく、満足できる着地で読後感は期待以上であった。続きを読む

    投稿日:2022.04.26

  • nami

    nami

    介護問題において今の自分と重なる部分がある次女美津紀のことが気になり読んだ。新聞小説だけに読みやすいボリュームでタイトルがついているのも好ましい。著者の自叙伝部分もあるようなので現実味もある気がする。下巻が楽しみ。続きを読む

    投稿日:2021.09.07

  • suzuka

    suzuka

    年老いた母親とふたり姉妹の、介護にまつわる話。
    なんて素直な気持ち!
    冷静にお金の計算もしつつ、体調を加味しつつ、適当に親の相手もする。
    下巻を楽しみに読む。

    投稿日:2020.01.18

  • muffin

    muffin

    わがままだった母親の弱って行くさま。
    父親に対する母を許せなかったり 哲夫があんまりだったり。

    年齢に伴う体調の悪さもあったり仕事で食べていけるかなど色々悩み最後は シビアに生活できるかの計算において自分のこれからを決める。身につまされる。続きを読む

    投稿日:2018.09.10

  • koba-book2011

    koba-book2011

    2012年に単行本で出た際に、読んでいるんです。
    2017年現在からみると、たったの5年前。
    最近、電子書籍で再度購入。

    「母の遺産」水村美苗さん。中公文庫、上下巻。

    #

    50代の女性がいて、結婚していて子供はいない。
    父はもう亡く、老いた母がいる。
    この母が、色々面倒ばかりかけ、たいへんにしんどい。

    コレという判りやすい被害がある訳ではないけれど、とにかく気持ちに負担をかけてくる。手間暇をかけさせる。

    ただでさえ自分も体調が悪いのに。重ねて、介護の手間が厚塗りされる。地獄のような疲弊感。誰とも分け合えない苦労。誰も褒めてくれない重労働。

    そして、夫が不貞をしていたことが分かる。若い女と。匂い。証拠。確証。
    それも、浮気と言うより、本気。離婚を切り出されそう。

    そんな、日常の着物を一枚めくると、すれ違う誰もが抱えていそうなスリルとサスペンスと、げんなり感。

    母との、愛憎。


    そして、ようやくの、母の死。ほっとする。

    やっと、死んでくれた。

    そして後半は。
    夫とどう向き合うか、今後の人生をどうするか、という流れになっていくのですが...。

    #

    5年前に読んだ時も、今回も同じく面白かったんです。

    水村美苗さんは、とにかく文章に持っている品格と言うものが。触れなば斬れん妖刀村正...と言う感じ、水際立った背筋の伸び方。
    さしずめ、大正時代からの老舗の喫茶店で、物静かでシュッとしたワイシャツ姿のマスターが入れてくれるアイスコーヒーのような。それを、うだるような灼熱の午後のひととき、適度な冷房の中で味わい、上等な氷がカランと音を立てるようなココチ良さ。
    「日本語が滅びるとき」「續明暗」なども、僕は本当に大好きです。

    なんですが...
    30代で読んだ時は、「面白いなあ」だったことが。
    40代の今回の再読では「痛い...怖い...苦しい」。
    正直、特に老いた母が死ぬまでは。

    (唐突に1986年の日本映画「人間の約束」を思い出しました。あれも凄い映画でしたね。三国連太郎と佐藤浩市の共演。)

    #

    そんなわけで、下巻に入って、母が死んでくれたあとは、正直大変に読み易くなりました(笑)。
    夫と向き合う、人生の再出発を考える主人公、というのは、つまり、なんというか、どこかしら、

    「ひとごと」

    として楽しめている自分を感じましたね...恥ずかしいことですが。

    比べて前半は...。

    親の老い... 介護...
    人の、人生の、終わり方...

    みたいなことを、コレデモカと、首根っこを押さえつけられて、目をひん剥かされて直視させられるような。

    自分の親がどうこう、ということもですが、「自分のときは」みたいなことを、よぎっては身の毛もよだつ...。

    「ひとごとや、あらへんなあ」

    だったんでしょう。5年前に比べて(笑)。


    #

    村上春樹さんが、「ある年齢になってから、昔読んだ本の再読が増えてくる」ということをどこかに書いていたような。

    そんなことに、心中、同意してしまう。
    再読もまた、愉しからずや。

    でも、水村さんの新作、出ないなあ...まだまだ何か書いてほしいなあ...小説ぢゃなくてもいいから...。
    続きを読む

    投稿日:2017.07.13

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