【感想】セプテンバー・ラプソディ

サラ・パレツキー, 山本やよい / ハヤカワ・ミステリ文庫
(11件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
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ブクログレビュー

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  • へ〜た

    へ〜た

    なんか中途半端な 3F 小説を読んでしまったので、やっぱりこういうときは V.I. だよなーと思って未読のうちから一冊を取る。このシリーズは大学時代にずいぶん読んだもので、今でも文庫・ハードカバー合わせて 10冊くらいは本棚に並んでいる。最後に読んだのが booklog にも登録されている「ナイト・ストーム」で 2012年、その前で本棚に入っている一番新しい作品は 2004年の「ハードタイム」だから 10年に一冊くらいしか読まなくなってしまった。

    最初の方はチンタラ読んでいたのだが、後半300ページくらいは夜を徹っして一気読み。そうそう、こういうのが読みたかったんだよ。一時期はおばあちゃんっ気を出して腰が痛いの疲れが取れないの言っていたヴィクだが(そのせいでちょっと距離を置いてしまったというのもある)、その路線は止めにしたらしく、いつものパワフルな女探偵が戻ってきていて嬉しい。あとは江口寿史のカバーイラストが戻ってきてさえくれれば、全冊揃えるのに。
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    投稿日:2022.03.06

  • fattycatlover

    fattycatlover

    このレビューはネタバレを含みます

    探偵ウォーショースキーの17作目。

    振り回されていた従妹のペトラは平和部隊に参加して、
    シカゴを離れてしまった隣人コントレーラスは、
    意気消沈しているらしい。

    ロティの古い友人の娘が電話で助けを求めてきたことから、
    トウモロコシ畑にでかけて、
    男の死体を発見してしまうヴィク。
    さらにその娘の息子も行方不明になっていることがわかり、
    その捜索も引き受けることに。

    ロティの過去、コンピューターの誕生の秘密と田舎警察の汚職が
    からみあい、
    最後にはウィーンまで行くことに。

    相変わらず地下に閉じこめられたり、
    それでも孫息子を救いに出かけて、危ない目に遭うヴィクも
    カフェインが睡眠を邪魔するようになったらしい。
    リッチな家庭の娘と逃げまわるところは、
    従妹のペトラとの事件を彷彿とさせた。

    トウモロコシ畑で助けた犬を飼うことになるのではないかと、
    いらぬ心配していたが、
    飼い主が引き取れるようになって良かった。

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    投稿日:2021.08.30

  • 瑠璃花@紫苑

    瑠璃花@紫苑

    やっと読了。かなりのボリュームでした。

    高名な物理学者の血を引くクスリ中毒の
    女性を助けたロティに、ヴィクが助力する
    ところからお話が始まります。

    その女性、ジュディの息子、マーティンは
    母や祖母と違って、物理学の天才。
    IT企業でアルバイトをしていますが、
    失踪してしまいます。

    ジュディの母、キティに頼まれ、マーティンを探すヴィクですが、なかなか彼は見つかりません…。

    第二次大戦中のロティに深く関わるお話。
    マーティンの一家は、かつてナチから迫害を受けていたり、マンハッタン計画に関わった学者が出てきたり、現代のシカゴと大戦中のヨーロッパを舞台に、そう来るか!という歴史の謎解きも楽しむことが出来ます。

    前々から思っていたことですが、パレツキーのライフワークの中には、『第二次大戦を風化させない』と言う内的テーマがあるのでしょうか。

    いま、NHKのドキュメンタリーでも見ない限り、私達も、遠い記憶のように思っている戦争。それが本当に、もう起こる心配がないから遠い記憶になっていくならいいのですが…。

    むしろ北朝鮮の情勢などは緊迫し、私達は戦争の影に怯えています。こういう警鐘の鳴らし方もあるのですね。

    個人的には、ヴィク、
    五十歳を過ぎても、お洒落好きで
    パワフルで、危険な現場に飛び込んでいく
    ヴィクは、一時期より若々しく、音楽家の
    恋人、ジェイクとも上手く行っているようです。

    一度

    「あら私、もう歳かしら…。」

    なんてところを通って、

    「年齢なんか関係ないわ。私は私。今の私を愛して、思うとおりに生きるのよ。」

    というふうに変化する…そしてもう一つ魅力的になる…というのは、この年齢の女性の、共通する心理的変化なのかもしれませんね。

    おばあちゃんなんかじゃありません。
    ヴィク、今が一番いい女なんじゃないかしら。

    すぐカッとなる感じじゃなくて、優しさも見せてる。怒らなきゃいけないものには、敢然と立ち向かう。そのバランスがいい感じ。

    彼女の、大きな権力にも屈しない強さ。本当のことが分かるまで、手を緩めないで事件を追う姿勢が、歴史の闇を解き明かしたり、事件に関わった人々を良い方向に向けていく姿は見ていて痛快です。

    それだけじゃなくて…。上に書いたように
    大きなテーマが隠れていて。

    時間が解決して、生活が変化するとか、自分の人生史に新たな一ページが加わるとかは、一人ひとりには大きな変化だけど、歴史の中で起きる出来事としては、とても小さなこと。

    でも、それを通して…
    あの戦争を忘れたらダメよ。私達がそれを覚えてて、危機感を持ってることそのものが、大事なことなのよ…というメッセージも、伝わっていると思うのです。

    やっぱりこのシリーズ、大好きですね。
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    投稿日:2018.02.08

  • loveolive

    loveolive

    このレビューはネタバレを含みます

    マルティナから続く家族や、ロティの祖父母の悲しみが心に重くのしかかり辛かったけれど、後半ダロウまでが登場してテンポ良く続くハッピーエンディングに泣いてしまった。

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    投稿日:2018.01.23

  • harinezuminami

    harinezuminami

    V.I.シリーズ第16作目。
    1930年代に宇宙線物理学の分野でパイオニア的な研究を行い、ウィーンの放射能研究所の研究員だったオーストリアの物理学者マリエッタ・ブラウの存在からインスパイアされて書かれた作品。
    今回はドラッグ絡みの事件かな?と思いきや、まさかこんな展開が待ってるなんて!なのはやはりさすがのサラ・パレツキーなのだ。
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    投稿日:2018.01.22

  • kattebooks

    kattebooks

    このレビューはネタバレを含みます

    よく考えてみると、ウォーショースキーシリーズの場合、事件が解決しても、犯人(と言うか黒幕というか)は、必ずしも逮捕されて終わりじゃないんですよね。この物語でもそう。一応、それなりの代償を負う形にはなって終わりますが、通り一遍の「巨悪が倒れで、目立たしめでたし」ではありません。そこが、このシリーズのもう一つの魅力なのかもしれませんね。
    それはそれとして、V.I.も、そこそこの歳になってきているはずですが、いつまで活躍できるのか?そのあたりが気になっています。

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    投稿日:2016.08.21

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