【感想】幸福な朝食

志穂子の歩みに感じた「共感する箇所なさ」が痛い。下方旋回をはまさにこんな状況なのかな。
羨望、嫉妬、男女双方に有るネガティブな感情のややこしさ、もがくほどに、自分ではどうしようもなくなっていく様が哀し…い。

此処迄救いようがないイヤミスを描く筆者の力に続きを読む

著者のデビュー作で日本推理サスペンス大賞優秀作。タイトルからは想像できない救いようのなさ。もう少し違う生き方ができていれば…。

志穂子が周りを見下す性格というのもあって感情移入できなかった。
ただ、あまりにも不幸というか、やることなすこと裏目に出ている感じが可哀想ではあった。
もう少しポジティブに、全ての因果関係は自分の責任だ…と思って、失敗から学んで生きられたら幸せになれたのかな、と思う。

弓子の死や、伊吹との関係性など、ところどころに謎が散りばめられていて、最後に回収してくれる。続きを読む

気がついたときにはもう
崩れていて、壊れていた。
もう最初から壊れていたのかも。
こんなはずじゃなかっただろうに、志穂子が報われない。

これがデビュー作だなんて、、
乃南さんさすが。