【感想】不思議の国のNEO 未来を変えたお金の話

斉藤賢爾, 山村浩二 / 太郎次郎社エディタス
(4件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ささみわ

    ささみわ

    子ども向けの物語かと思いきや、なんと地球の歴史や成り立ちから、今話題のお金(ビットコインやブロックチェーン、仮想通貨)などの基礎知識が得られる優秀本。著書の斎藤さんがストーリーも考えていらっしゃるとは驚き!随所に学問的キーワードが散りばめられている。そして、インターネットの活用を地球の未来のために考えていることに感動しました。限りある地球の資源を使い切っちゃう前に、今の経済成長第一主義を見直してほしい。お金は所詮全て、人間の決め事で作られた仮想通貨に過ぎない。お金をたくさんあることが幸せと思わない方がいい。この本ではむしろ、お金があることを負債が増えると言っていた。そんな考えもあるんだと、お金の捉え方が少し広がった一冊でした。続きを読む

    投稿日:2022.07.27

  • yasz

    yasz

    エネルギーの取得方法や、お金のシステムが従来の世界とは異なるという「不思議な国:NEO」に関するお話です。想像上の話の形態をとっていますが、この本の筆者達が考える理想の国のあり方を示唆していると感じました。

    資本主義の根幹の方針である「増え続けなければならないシステム」をサポートしているのが「利子」、貨幣とはどうあるべきか、特許に関する考え方等、読んでいて楽しかったです。

    以下は気になったポイントです。

    ・銀行の「信用創造」の仕組みを読み解いていくと、増えたとされるお金の正体は「借金」である(p64)

    ・人間圏が無限に成長していけると思えたのは、それだけの急激な成長を、地球というシステムが受け止める事のできた期間、地球の歴史から見たらほんの一瞬である、人口と掘り出せる化石燃料との間に特殊な条件が当てはまっていた時代だけの話(p67)

    ・不当に人間圏の拡大を促し、人々を競争に没頭させて本来の時間の使い方を失わせようとしている、これを時間泥棒という(p101)

    ・明日とか一時間後のような非常に至近な未来をのぞこうとすると、いま未来を覗いているという事実の影響が未来に色濃く現われるので、それによる違った未来の可能性が重ねあわされて、その新しい未来を覗いているという事実の影響がまた加わり、真っ白な映像になる(p108)

    ・減価するワット券を受け取る理由は、なるべく早くその券を使うと、自分は寄付する量を少なく出来るし、発行した人に寄付した事を世の中にアピールできる(p130)

    ・エネルギーの取得方法が変われば、文明が変わるし、生活様式である文化も変わる(p208)

    ・循環型で自律・分散・協調的な地産地消経済を形成するには、お金の仕組みを変えることが大事(p214)

    ・ワットシステムは森野氏により開発された地域通貨の仕組みで、埼玉県志木市・知多半島・神奈川県大和市の農場などで使われている(p231)

    ・スタンプ紙幣は、世界が大恐慌にあえでいた1920-30年代、北米や欧州のさまざまな地域で使用されたが、中央銀行から訴えられて終結した(p239)

    2014年6月15日作成
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    投稿日:2014.06.15

  • penxera

    penxera

    インターネットの仕組みを今までの人間社会に当てはめていければ未来は変えられる。環境問題にも触れながらこれからのインターネットを考える良い本です。直前にインターネットの不思議探検隊を読むとさらにわかりやすいです。続きを読む

    投稿日:2011.01.23

  • kj_ito

    kj_ito

    ファンタジーの体裁を借りた、新しい経済モデルの提案。
    児童書のような文体なので正直読みづらいが、
    内容はしっかり経済。
    インターネット型=アンチ中央集権型の理想の国が舞台。
    そこでは警察や中央銀行などの国家権力が存在せず、
    貨幣は労働や個人の信用を基軸にした地域通貨のようなものを
    誰もが自由に発行できる。

    ここでいうインターネット型というのは、中央に強力な権威を持たず、
    個人同士が緩やかに、自由に繋がっていて、
    性善説に基づく自浄作用で犯罪も無くなるというもの。

    この手のユートピアは以前も村上龍「希望の国のエクゾダス」や
    アーネスト・カレンバック「エコトピア・レポート」にも描かれたが
    個人的には理想主義過ぎてなんかうさん臭く感じる。
    残念ながら人間はそこまで高尚じゃないのではないかとも思う。

    地域貨幣にしてもここまで多くの種類の通貨が流通する事の煩わしさを
    解決する必要がある。

    銀行という仕組みが持つ、常に負債を生み出す事が
    前提となる経済モデルの問題点も指摘されている。
    安部 芳裕「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」にも
    その辺は解説されていたように、
    資本主義経済が永遠の市場拡大を前提に作られている以上、
    エネルギーや各種資源の有限性により、
    どこかで行き詰まるのは自明だと思う。
    続きを読む

    投稿日:2010.01.26

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