【感想】アラハバード憤戦記 : インド農村開発30年

牧野由紀子 / アイオーエム
(1件のレビュー)

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  • nakaizawa

    nakaizawa

    (2009.06.30読了)
    副題が「インド農村開発30年」です。
    著者は、横浜生まれですが、ネルーの「インドの発見」を読み、キリスト教の洗礼を受けていたため、「インドに宣教師になってゆこう」と決心して、インドに渡り、農村婦人自立教育を続けている。
    夫の牧野一穂氏は、アラハバード農業大学教授として1974年から働いている。二人で、三人の子供を育てながら、ずーっとインドで暮らしてきた。
    この本は、日本の支援者たちに宛てた「アラハバード通信」の1997年から2000年までの4年分を1冊にまとめたものです。
    学校にも通うことのできなかったインドの下層民の農村婦人たちの自立支援の研修を行い、研修後の様子をインド各地にいる教え子たちを訪ね歩いた様子がつづられています。
    自立のために鶏を飼ったり、ヤギを飼ったりすれば、ということで実習に組み込んであるのですが、元手があるわけではないので、思うようにはゆきません。
    ユヌスさんのグラミン銀行がインドにもあれば、自立の手助けができるのだろうと思います。
    カースト制による身分差別があるので、アウトカースト(不可触民)は、理不尽な目にずいぶんあっているようです。文字を読み書きできない、ということで不利なこともずいぶんあるので、文字も教えています。
    貧しさに対しては、援助という方法もあるのですが、援助慣れして、自立する気のない人間にしてしまうということもあるようです。そのような人は、訪ねてゆくと、何を持ってきてくれたかを聞くだけで、なにもなければ、それだけのことです。所詮、別の世界の人でしかないのです。

    著者 牧野 由紀子
    1940年、横浜に生まれる
    1956年、キリスト教の洗礼を受ける
    1962年、横浜共立女子聖書学院卒業
    1967年、新教教団よりインド聖トマス教団シホラ・アシュラムへ派遣
    1968年、日本キリスト教団・派遣宣教師になる
    1977年、農村婦人自立教育活動開始
    1985年、アラハバード農業大学・農村婦人指導者養成所主事に就任
    アラハバード在住
    (2009年7月16日・記)
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    投稿日:2009.07.26

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