【感想】こころの読書教室

河合隼雄 / 新潮文庫
(21件のレビュー)

総合評価:

平均 4.6
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ブクログレビュー

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  • こうき

    こうき

    ユング派心理学の第一人者である河合隼雄氏の最晩年の著書。
    著者が「読まなきゃ損」と考える書籍を紹介し、自分はどう読んだか、どんなメッセージを受け取ったかを語るという形式になっている。
    一番読みたいと思ったのは「一組の男女の関係は6通りある」と語るエマ・ユングの『内なる異性ーアニムスとアニマ』。河合氏のような洞察は不可能にしても、実際の著作に触れてみます。続きを読む

    投稿日:2022.06.12

  • Showji_S

    Showji_S

    【1回目】自分自身、精神科にかからなければならなくなったことから、一時期よく読んでいたが、最近はとんとお暇してしまっていた。一読目の感想は、やはり「こころ」というもの(?)の、わけの「わからなさ」である。極めて身近な存在であるだけに、わかっている「つもり」でいると、大やけどをすることになる。河合さんは、取り上げた本に連ねられていることば達とともに、真っ直ぐ「こころ」の深みへと私たちを誘う。いや、「こころ」では足りてないのではないか。それは「いのち」の深みなのではないのか。続きを読む

    投稿日:2021.11.25

  • Aoi

    Aoi

    心とはどういうものかということを、臨床心理学者であった河合隼雄さんのおすすめの文学作品をとりあげながら語られたもの。知識として、学問的に心を理解するのではなく、文学作品に触れながら、登場人物の心の働きについて一緒に感じてみようというねらいがある。

    この本を読んで、物語というのは知識や情報を並べるだけでは決して生まれないもので、作者が無意識をどんどん掘り下げながら創作しているものだから、読書することで読む側の無意識もまた自然と掘り下げられるのだということがよく分かった。そういう視点を忘れずに本に向かい合うと、本から得られるものというのは格段に広がっていくし、自分自身に向かい合うことに通じているのだと思った。

    自分自身や、自分の人生に向かい合おう!と思って向かい合うことのできる人は少なくて、心の中の深い部分に向き合って悲しみや怒りや孤独といった感情を取り出してみるのはとても勇気のいること。なぜならそうした深いものと向かい合ったところで、自分のメリットになるとは思えないし、むしろ社会生活をまともに送る上では邪魔にすら思えてくるから。それを、目の前の本の物語を経由しながら、心の動きを見つめ、それによって物語だけでなく自分自身を理解するというのはとても大切なことだし、安全だと思った。きっと本当に触れたいのは、物語の中の登場人物の心ではなく、自分の心なのだと思う。

    自己実現はself realizationと訳されるけれど、realizationという単語には理解という意味もあるというお話が面白かった。自分を理解するということが自分らしく生きるうえでとても大切なのだということ。

    河合隼雄さんが真剣に選ばれた文学作品をこれから少しずつ読んでいきたいと思った。
    続きを読む

    投稿日:2021.03.14

  • 蓮子

    蓮子

    タイトルに惹かれて購入。著者が選んだ本を解説しつつ、人の心について解き明かした本。ここに紹介されるのはカフカ、ドストエフスキー、ユング、村上春樹、吉本ばなな、児童文学から絵本まで幅広い。私が読んだことがある作品も取り上げられていたけれど、全く読み方が違っていて、目からウロコが落ちました。色々な読み方が出来るのは文学の楽しさだなと改めて思いました。読んでみたい本が増えたので探して読みます。「人間ていうのは、ほんとうに大事なことがわかるときは、絶対に大事なものを失わないと獲得できないのではないか」この河合隼雄さんの言葉が突き刺さる。続きを読む

    投稿日:2020.12.02

  • なんくるない

    なんくるない

    魂とか深層心理の話とか、現実世界でどっぷり生きてるとなんか敬遠してしまったりするところを、河井隼雄さんの言葉だとまんざらでもなく引き込まれる。知らないことがたくさん。読むたい本が増えました。理解できない小説とかの視点のヒントももらった感じ。

    2016.5.15
    続きを読む

    投稿日:2016.05.15

  • flounder532002

    flounder532002

    20冊の本をテーマに心の扉を開く話。膨大な量の中から読む本を選ぶか?書評を参考にするか、尊敬する人の推薦するものは必ず読むとのこと。尊敬する人を増やすには、尊敬できるような人と数多く接する必要がある。対談集を数多く出してる著者や司馬遼太郎さんがすごいのはこういうところにありそうだ。もちろん、今回お薦めの本は読んでいくつもりだ。2015.5.24続きを読む

    投稿日:2015.05.24

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