【感想】予言村の転校生

堀川アサコ / 文春文庫
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 3.0
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ブクログレビュー

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  • tikuo

    tikuo

    父が突然「こよみ村の村長になるから」と市役所を辞めた。娘の奈央は、それについて(賭けに負けて)こよみ村に転向することになったが、こよみ村は予め有る予言暦のとおりに治められているという噂を耳にする。亡くなった奈央の祖父で前村長のみ知る予言暦とは…。

    うーん、思ってたんと違う。というのが読んでの第一印象。まず、タイトルからして学校のことがメインだと思いきや、学校はほんのちょっとしか出てこない。ほとんどは休日や放課後の出来事や、村長になった父のまわりの出来事である。

    また、大人の世界のめんどくさいことというわけでもなく、とぼけた父が引き起こす数々の勘違いでのコメディというわけでもない。では何かというと、奈央を中心とした、子どもたちのちょっとした冒険や謎解きというものであろう。

    もともと児童文学を書く作者のようで、特に何度か有る事件が起こっている最中は、かなり主観的に、しかも客観的だったものが次の行では主観に入れ替わるように描かれいるため、大人の文章に慣れているとどうにも理解し難いものがある。よく考えてみれば、昔読んだ子供の本はそういう無理に事件の中心へ視点を動かしてしまうものが多かったと思う。

    全体に子供向けで、事件自体もいうほどのものもないため、ゆるい印象だ。懐かしい児童文学を読むような気分を味わうには良いのだろう。子供に受けるかどうかは疑問。
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    投稿日:2021.12.02

  • unimog

    unimog

    読みやすい。
    中学生から高校生がターゲットかな。

    面白いので、この著者の作品、別のもの読んでみようと思った。

    投稿日:2021.01.31

  • シルル

    シルル

    父が故郷の村長になり、主人公の奈央は閉鎖された陸の孤島のような村に移り住む。
    全ての出来事が「予言暦」に書かれていて、それによって成り立っているという村での、さまざまな出来事や事件を追うストーリー。
    田舎でののどかな生活が子供の頃の実家を思い出し、懐かしくてほっこりとする。
    中学生2年生の主人公の視点からストーリーが進むので、子供っぽいところや、妙に大人びた意見などが混ざった感じも懐かしく感じられて面白い。
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    投稿日:2019.03.12

  • nasunonasuo

    nasunonasuo

    行間の空白が独りよがりなせいか、物語が全く頭に入ってこない。それどころか、理解不能であった。読み手の感覚で書いておらず、自分の世界観を自分の世界観のままに描写して自己満足しているような印象だった。自分の世界観を第三者の世界観の視点を通しても書けるのがプロなのではないのか。憤りを感じるレベル。かけた時間を返せ!と言いたくなるくらい読む価値のない一冊だった。続きを読む

    投稿日:2018.10.28

  • もっこ

    もっこ

    のんびりした村の時間の流れの中で、
    柳田国男の遠野物語まで引用した不可思議な話など、
    不可解なエピソードがそこかしこに散らばっている。
    ドキドキとワクワクとヒヤヒヤが適当な加減で
    混ざりあって、いい感じなのですよ。
    隠し味程度の恋のエピソードも効いており癒されます。
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    投稿日:2018.09.17

  • 香具師山啖呵堂

    香具師山啖呵堂

     都市伝説の田舎版というか、学校の怪談というか、私があまり読まないホラーや伝奇小説風味の物語でした。
     柳田國男の遠野物語なども引用されていて本格的。
     しかしB級民俗学同好会とは面白そう。そんなサークルなら入ってみたい。
     本書は文春文庫のための書き下ろしだそうです。
     私は出版業界について詳しくないのですが、文庫書下ろしとはよくあるのでしょうか。普通は文芸誌に掲載したものを文庫化するのではないでしょうか。
     本書は主人公が中学2年生だから、その年齢の読者も期待できるのではないでしょうか。
     私の中学時代には、赤川次郎だとか新井素子だとかコバルト文庫などがありました。今なら、萌え系の表紙のライトノベルでしょうか。
     文庫書下ろしなら、文春文庫よりそういったライトノベル系のレーベルの方が合っているのではと思ったり。
     しかし、もし本書がライトノベルみたいな表紙だったら私が読むことはなかったことでしょう。
         
     こよみ村では自然保護・独立維持派と開発派が勢力争いを行っています。
     開発派がどんどん勢力を拡大し、物語の終わり頃にはほとんど開発派の勝利が決していました。 
     経済力・政治力に勝る現実主義が主導権を握るのは、日本のみならず世界中で行われている縮図ですね。
     ここまで決まってしまったのだから、続編はあり得るのか、と思ったら、1冊だけ出ているようです。
     本作品の世界観が気に入ったので、続編も読んでみたいと思います。
       http://d.hatena.ne.jp/nazegaku/20160613/p1
    続きを読む

    投稿日:2016.06.15

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