【感想】アイズオンリー 【イラスト付】

一穂ミチ, 小椋ムク / SHY NOVELS
(15件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
5
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5
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ブクログレビュー

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  • ちびねこ

    ちびねこ

    このレビューはネタバレを含みます

    元全盲の少年だった攻めと、その頃図書館で読み聞かせしてあげてた受け。「見ること」についてよく練られた構成だった。受けが過去に、攻めに酷いことをして…というほのめかしもあってか、するすると読めました。あと、受けの秘密とか。

    とてもネタバレになりますが、


    受けの秘密は、TVの知識で知っていたので、途中でそうかも?と勘づいた。この障害を持った人の小説を読んでみたかったので、それがBLとして読めたのは棚ぼたでした。とても興味深く読ませてもらいました。

    しかし受けの、相手を傷つけても逃避する、保身的な態度が、理解はできるけどいまいち受け入れがたく…。秘密を打ち明けられないトラウマみたいなエピソードが具体的にあったら納得いったかもですが。

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    投稿日:2016.11.08

  • らい

    らい

    このレビューはネタバレを含みます

    特殊なお仕事、複雑なバックグラウンドを持ったが故の固有の物の見方考え方を持った人たちの心情の捉え方を書かせると強いなあ。
    すごーく好きなお話でした。

    かつて目が見えなかったことから触れることで確かめる癖を持つ数馬と、相貌失認の病から人と深く関わることを避けている縁。
    初恋の相手との再会と、心の傷をゆっくりと回復していくまでの優しさ満ち溢れたお話。
    数馬のフットワークの軽さには驚かされますが、この軽やかさと会話のテンポの軽妙さは一穂ワールドの本領発揮だなと。綺麗でやわらかく心を掬い取っていく言葉運びは切り抜いてしまっておきたいものばかり。

    序盤から思いっきりエロシーンがあり、ムクさんの挿絵もがっつりその手の場面でおっ、おうとなりましたが(なんせ口絵もそのシーン)一穂節ならではのざっくばらんな男同士のやりとりが楽しくて好きなのです。
    会話のやり取りの楽しさ、いまひとつしっくりこない翌朝のやり取りを経て、「友達なんだかなんなのか」な和馬が縁にとってかけがえのない相手に変わり、それ故に真実を知られることを恐れてしまう縁の気持ちの移り変わりがとても切なかった。
    縁の抱えた癒えない孤独や不安をそっと包んでくれる数馬の優しさがとても好きです。
    タオルケットに添えたメッセージ、愛おしくくるまって目を瞑る縁、突然泣いてしまった縁に何も言わずに寄り添ってくれる数馬のくだりがすごく好き。

    ひとの顔、表情がわからないゆえの寂しさや戸惑い、孤独感が数馬の存在によって丁寧にやわらかに溶かされていく様が心地よく穏やかで、小椋ムクさんの優しいイラストにとてもあっていました。

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    投稿日:2016.11.06

  • みぃ

    みぃ

    このレビューはネタバレを含みます

    縁がかかえている問題は他人事ではなくて、はらはら読んだ。  小椋ムク先生の絵は好きだけど、数真のあっけらかんとした強引さには少々物足りない感じが、、、。見かけと違う意外さ、でいいのかな?

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    投稿日:2015.09.30

  • ほじ

    ほじ

    ここのところずーっと自分の中でぼんやりと思っていることがあって、それはこのストーリーそのものの出来事ではないんだけれど、読んでいてとても「きた」のだった。心がウルウルした。 一穂さんはなぜかいつも心のどこかに刺さってくるストーリで私を癒してくれる。だから大好きなのだ。続きを読む

    投稿日:2013.09.03

  • kamaboko

    kamaboko

    このレビューはネタバレを含みます

    縁と目が見えない数真の二人は、幼い頃図書館で出会い、ひとときの楽しい夏休みを過ごしていたが、縁が自分の病気が故の臆病さで数真にヒドイことをしてしまい、その後二人は離れ離れになってしまったまま大人になる。
    縁の叔父である訓(この訓さんがめちゃめちゃいいキャラだった)に紹介されて再開をした二人。目が見えるようになっていた数真に縁は、自分があの“ゆかりちゃん”だと告白することができない。そうして数真に誘われるがままに数真とsexを重ね、数真に惹かれていく縁。

    目が見えるけど、顔の認識ができない“相貌失認”という病気をもつ縁と、幼少期に盲目だったけれども手術を経て視力を取り戻すことができた数真。見えるけど分からない、見えなかったけど見えるようになった、似ているようで似ていない二人のお話は、とても切なかった。

    縁は自分の病気が原因で引きこもりがちで、すごく人との付き合いに対してすごく臆病。そして、自分の病気とちゃんと向き合えてなかったのかなと思う。諦めて投げ出して逃げていた縁を、目が見えるようになった数真が見つけて、手を掴んでくれたっていうのがすごくかっこいいと思った。もう縁には数真しかいないね!と。

    この本は読み終わった後、じわじわくる。読了後に、物語を反芻して登場人物のことを考えると、ゆっくり切なさとか感動とが身に染みてくる、とても素敵なBLな本です。

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    投稿日:2013.08.20

  • 野々

    野々

    このレビューはネタバレを含みます

    今回は障がいを扱ったお話です。
    一穂さんはBL業界ではこれでもかってほど、特殊設定をうまく
    利用する作家さんではありますが、最近特殊設定でなければ
    話が書けないのかな……と思ったり。

    題材が題材なだけに、何ともコメントしにくいお話でした。
    うるっときたり、じーんと目頭が熱くなることはあったけども、
    作者の意図が透けて見える部分が何カ所か合って、そのあたりに
    何とも言えないモヤモヤというか、あざとさを感じてしまいました。
    基本、障がい設定はデリケートな題材なので、納得させるだけの
    展開や書き込みが必要だと思います。
    その点、妙にさらっとしていたので、何となく読んで何となく終わった
    感じがしました。必要以上に悲壮感出してないので、いやらしさは
    感じなかったけども、別にBLじゃなくてもいいと思いました。

    そして一番残念なのが安っぽい桃色シーン。
    一穂さんって文章綺麗なのに、桃色だけはまるで別の人が書いて
    るんじゃないかってほど微妙なんですよね……。
    情緒がない、ムードがない、色気がない→萎えるの図式。

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    投稿日:2013.04.30

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