未来のイノベーターはどう育つのか ― 子供の可能性を伸ばすもの・つぶすもの

トニー・ワグナー, 藤原朝子 / 英治出版
(26件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
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ブクログレビュー

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  • tommy4926

    tommy4926

    イノベーションとは?イノベーターとは?
    AIとともに生きる時代が現実味を帯びてくる中、将来労働集約型の仕事はどんどん自動化されていくと思われます。

    いまの子どもたちが社会の主役になる頃がまさにAIと完全に共存して生きる世界になっているはずです。

    ただし、イノベーションを起こすことは機械にはできません。
    世の中の問題を見つけて、それを解決するアイデアを作ることは機械にはできません。

    イノベーターになることは自分を守ることにつながると思っています。

    ではイノベーターとはどのような存在なのか。
    本書では求められるスキルとして以下をあげています。

    好奇心。すなわちいい質問をする癖と、もっと深く理解したいという欲求。
    コラボレーション。これは自分とは非常に異なる見解や専門知識を持つ人の話に耳を傾け、他人から学ぶことから始まる。
    関連付けまたは統合的思考。
    行動志向と実験志向。 

    そして、イノベーションを起こすのに必要なものを以下のように定義しています。
    クリエイティブな思考力
    専門性
    モチベーション

    それではこれらの力はどのようにつけられるのでしょうか?

    この問いに対して、現在活躍している様々な若者たちの実例を通して解答を出しています。
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    投稿日:2017.10.13

  • k-masahiro9

    k-masahiro9

    このレビューはネタバレを含みます

    「4歳児は絶えず質問をし、物事の仕組みについて首をひねっている。ところが6歳半くらいになると質問するのをやめる。なぜなら学校では、厄介な質問より正しい回答が歓迎されることを学ぶからだ。高校生にもなるとめったに知的好奇心を見せない。そして成人して就職したときには、自分の中から好奇心を締め出してしまっている」(p.27)

    「私にとってイノベーションとは、この世界で意味があること。人々にインパクトを与えること、そして人をワクワクさせることをやるということ」(p.93)

     21世紀には、自分が何を知っているかよりも、自分が知っていることで何をやれるかのほうがずっと重要になる。いま生徒たちが身につけなければならない最も重要なスキルは、新しい問題を解決するために、新しい知識に関心を持ち、新しい知識を作り出す能力だ。成功を収めたイノベーターはみな、「その場その場で」学び、その知識を新しい方法に応用する能力を持っている。(p.185)

    「工学は最も重要な専門職のひとつだという私の考えは変わらないが、一般教養も同じくらい重要だということがわかった。iPadのようにエレガントなプロダクトを作るには、アーティスト、音楽家、心理学者がエンジニアと協力する必要があるのだ。またどんな分野の教育を受けた人でも、シリコンバレーで成功することは可能だ……。学生、そして私の子供達へのアドバイスは、自分がいちばん興味があることを勉強すること、自分が最も情熱と能力を持つ分野で秀でること、そして自分のやり方と自分の言葉で世界を変えることだ」(ワドワ、p.226)

     人文科学は、身の回りのあらゆることに疑問を持つことを教え、議論をしたり論理を構築する作業への信頼を育むのです。たとえばある文学について新しい解釈をしてみる経験は、他のことでも疑問を持ち、クリエーティブに考える力を与えてくれます。(p.227)

     活力と生命力とエネルギーと鼓動は、あなたの体を通じて形になる。そしてあなたという人間はひとりしかいないから、その表現はユニークなものになる。もしそこにフタをしてしまったら、(その生命力やエネルギーは)他の媒体を通じて出てくることはなく、失われてしまう。世界がそれを目にすることはない。それがいかに素晴らしいか、どれだけ価値があるか、他の表現と比べてどうかといったことは、あなたが判断することではない。あなたの仕事は、それを確実かつ直接的に自分のものにしておくこと、その(生命力やエネルギーが溢れ出てくる)道を開いておくことです。(マーサ・グラハム、p.302)

     君はまちがいなく失敗することだ。それも何度も失敗する可能性が高い。失敗しないとすれば、それは無難にやったからに過ぎない。失敗は恐ろしく身にこたえる。人前で失敗したときは尚更だ。だが最も価値ある教訓のいくつかは失敗から得られるものだ。成功した場合よりもずっと多くを学べるはずだ。失敗の原因をよく分析すると、自分のこと(弱みや強み)がよく見えてきて、目標を修正できるようになる。また自分が何をやろうとしていて、それを成功させるには何が必要かも、もっとはっきりわかってくる。失敗はイタレーション、つまり学習のプロセスだと考えよう。(p.305)

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    投稿日:2017.09.02

  • 奇数屋タバエフ

    奇数屋タバエフ

    イノベーターになること、イノベーションを起こすことが唯一の解であり、素晴らしいから素晴らしいという考えには疑問が残るが、教育や学習についての考え方を新たに捉える上で非常に参考になった。

    投稿日:2017.07.19

  • machidyo

    machidyo

    我が子への教育は、一緒に過ごし様子を見る、そこから始まる。

    ゲームは子どもにとって悪なのだろうか?
    この本ではゲームをさせるよりも他のものをある。

    それも一理あるとは思うが、それだけではないと思う

    ただゲームをやるのではなく、ゲームをもっと突き詰めて考える。
    攻略だけなく、なぜおもしろいと感じるのか、
    どうやったらもっとおもしろくなるのか。
    そういうことを議論することで生まれるものがあると言っているのだと思う。

    これは学校などの教育機関にも言えることなのだろう。
    過去の知識だけを学ぶではなく、未来の課題に向き合う。
    各々の力に合わせて提供できるようになれば、それは最高の教育になるのではないだろうか。

    (以下抜粋。○:完全抜粋、●:簡略抜粋)
    ○現代の製品やサービスや経験は非常に複雑であり、
     クリエーティブな天才が一人いれば
     問題は解決できるという思い込みはもはや幻想にすぎない。
     問題解決には複数の分野を知る情熱的なコラボレーターが
     必要だというのが新しい現実だ。
     最高のデザイン思考者は、異なる分野の人と一緒に仕事ができるだけでなく、
     自らもさまざまな領域で相当な経験を積んでいる。(P.23)
    ○私たちがやってもらおうと思っていること、
     たとえばプログラム開発や会計処理が上手にできることは重要だ。
     しかし私たちは全員にリーダーシップを求める。
     誰かにリードしてもらうのを待つのではなく、
     状況をコントロールできる人物だ。(P.25)
    ○現代の社会で「(大多数の人と)違う発想をするために、
     違う行動を取る」のは容易ではない。
     それを変えるには大人の行動を根本から変える必要がある。
     グレガーセンはあるインタビューで創造性の欠如について語っている。
     「4歳児は絶えず質問をし、物事の仕組みについて首をひねっている。
     ところが6歳半くらいになると質問するのをやめる。
     なぜなら学校では、厄介な質問よりも正しい回答が歓迎されることを学ぶからだ。
     高校生にもなるとめったに知的好奇心を見せない。
     そして成人して就職したときには、自分の中から好奇心を締め出してしまっている。
     新しいアイデアを見つけることに自分の20%以下しか割かない企業経営者は80%にも上る。
     もちろんアップルやグーグルのような企業の経営者なら話は別だが」(P.27)
    ○よそと違っていたのは、毎日1時間を読書の時間と決めていたこと。(P.53)
    ○「多くの親は子供によかれと思って、『正しい』習い事をやらせ、
     『最高の』学校に入れる」とコードは続けた。
     「でも私に言わせれば、そういう親は子供と過ごす時間の大切さを見落としています。
     子供が何かを言ったときに耳を傾けてくれる大人が近くにいること、
     子供が何かを探しているときに気にかけてくれる大人がいることは重要です。
     私たち夫婦は子供と過ごす時間を犠牲だと思いませんでした。
     人間として子供たちがとても興味深いと思ったから一緒に過ごしただけです。
     多くの人はそこのところを軽視しています。
     子供たちが小さかったとき、私は自分の会社を立ち上げて忙しかったから、
     よく言われる『短くても質の高い時期を一緒に過ごすことが重要だ』と
     考えた時期がありました。
     仕事から帰ったら、子供と密度の高い45分を過ごせばいいと。
     でも子供は、まず親が十分な時間を割いてやらないと
     質の高い時間を与えてはくれません」(P.54)
    ○でも大学に入ったら、自分は科学者ではないことに気がつきました。
     ひとつの問題にういて深く考えて実験を設計する、
     といった孤独な側面に魅力を感じなかったんです。
     ぼくが好きなのは、『みんなで作ろう』というコラボレーション的な作業。
     スタンフォードに入ってかなり早い段階で、
     それはエンジニアリングというものなんだと気がつきました。(P.57)
    ○対立は、優れたプロダクトを作る基本です。
     革新的であるはずの多くの会社が素晴らしい製品を作れないのは、
     新しいプロダクトを作るには制約を取り除かなければいけないと考えているからです。
     でも制約を取り除いてしまったら、それを乗り越えるために考え抜き、
     イノベーションを起こす原動力がなくなってしまいます。(P.62)
    ●プロダクトマネージャーは各制約を取り除くのではなく、
     制約を基に、遥か高い目標を達成する。
     そのためには各担当者と同じことができなくとも、
     各々が何をやっているか、それぞれがどう絡み合っているか理解し、
     相互作用による解決策を提示する。(P.62-63)
    ○まず、課題の解決をするためのスキルを教えること、
     そして課題の難易度を少しずつ上げて学生に自信を持たせることだ。
     教授は、自分の授業を受けた学生は博士課程で
     「少しばかり怖いもの知らずになる」と言った。(P.73)
    ○仕事でハッピーだと思えなかったら、それは単なる働き口であって、
     キャリアとは言えない(P.127)
    ○論文の発表数を基準にして無難な評価をしたいなら、それでもいい。
     だが学生相手の授業を無難にやり過ごすべきじゃない。
     それなら学生とはほとんど交流がない研究専門教員と、
     論文の発表数など気にする必要のない指導専門教員をつくるべきです。
     厄介だしむずかしいかもしれませんが、学生にとってはそのほうがいいでしょう(P.147)
    ○若者が自分の好きなことに打ち込むように後押しするのも重要だが、
     現状を打破するために努力しなくてはいけないと教えることも重要だと実感している。
     「(都市貧困地区に住む子供たちは)深く考えたり、限界に挑戦したりせず、
     平凡に甘んじるよう育てられている」と、エリカは言う。(P.161)
    ○目的意識がある人間は、多くのことに耐えられる。
     この部分が現在の教育システムにはすっぽり欠けています。
     目的もわからずにあんな暗記作業をやりたい人間なんてどこにいるのでしょうか(P.189)
    ○未来の課題を理解することよりも、過去を学ぶことに力を入れすぎています(P.242)
    ○私はマックの担当の先生に会いに行き、マックが本を大好きで、
     いつかすばらしい読者家になるとわかっているけれど、
     いま読書を強制したら本を嫌いになってしまうと説明しました。
     すると彼女は突然泣き始めて言いました。
     『そう言ってくれて、どんなに私がうれいしいかわかりますか。
     ほとんどの親は、先生がうちの子に読書を教えてくれないからでしょう、
     と怒鳴るのです』」(P.269)
    ○失敗しないとすれば、それは無難にやったからに過ぎない。(P.305)
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    投稿日:2017.05.04

  • ktok

    ktok

    題名の通り、イノベーターを育てる為に必要なことを考察した本

    さまざまな具体例が載っていて良かった。

    - 子供の情熱をかきたてられるようにチャレンジできる環境をつくること
    - 子どもの可能性を信じ、認め、応援し続けること

    の2つだと感じた!!

    大変いい本だった。
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    投稿日:2017.04.04

  • yukisaito

    yukisaito

    優れたイノベーションを成し遂げた人物は、どのような教育を受けて育ったのか。イノベーター本人やその両親、学生時代の恩師等への取材から、イノベーションを生み出すための資質と、それを育む家庭や学校教育のあるべき姿を提言した一冊。

    著者は、知識獲得への偏重や試験による画一的評価など、"標準化"された現状の教育が"破壊的イノベーション"を妨げているとして、子供が自ら興味を持った「遊び」が「情熱」になり「目的意識」へと深化する「内的モチベーション」と、異なる要素を組み合わせる統合思考や他者とのコラボレーション、失敗から学ぶ実験主義を含めた「クリエイティブ思考力」を教育の中心にすべきだと主張する。

    本書で紹介される親や教師達は皆、子供が本当にやりたいことを見つけることに腐心しており、良い成績や良い大学といったお決まりのキャリア形成を是としない点で、周囲から異端視されることが多いという。イノベーションこそが組織や社会を進化させると信じる一方、子を持つ親、部下を持つ管理者、生徒を持つ教育者として、価値観の矛盾や衝突に悩んだことのあるすべての人にとって必読書といえる。
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    投稿日:2015.06.08

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