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山本博文 / ちくま新書 (1件のレビュー)
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reinou
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1999年刊行。著者は東京大学史料編纂所助教授。長崎警備を求められた西国14藩が長崎に置いた役職が長崎聞役であるが、江戸期唯一の国際都市での外交官兼諜報機関というべきものであった。この担当者の日記は従前、未見であったが、今般平戸藩士のそれが発見され、これをもとに馴染みのない長崎聞役の実相を明らかにし、かつ、著名な事件も解説しようとする。各藩の聞役間の交際(酒席多し)のみならず、長崎奉行との関係、奉行配下の通詞や貿易商人との関係も一端が知れる。特に、1647年の葡船団による国交・交易回復(失敗)は未知情報。 また、露プチャーチン長崎来航、露ポサドニック号事件(露船の対馬長期滞留・測量及び対馬藩での殺傷事件)とこれに関する長崎警護役藩の動きは幕末外交史の一面を彩る事件の解説であるが、なかなか珍しい。 ちなみに、西国14藩とは、定詰:黒田福岡藩、鍋島佐賀藩、細川熊本藩、宋対馬藩、松浦平戸藩、夏詰:小笠原小倉藩、島津薩摩藩、毛利長州藩、有馬久留米藩、立花柳川藩、松平島原藩、水野唐津藩、大村大村藩、五島五島藩。
投稿日:2017.01.23
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