【感想】世界の経営学者はいま何を考えているのか ― 知られざるビジネスの知のフロンティア

入山章栄 / 英治出版
(216件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • J.ヒロシ

    J.ヒロシ

    枕元に積んでありましたがようやく読みました。
    経営学がまだ若い学問であり発展途上という事がよくわかりました。組織の記憶力の考え方が非常に面白かった。

    投稿日:2024.04.03

  • makoto20

    makoto20

    組織の全員が同じ情報を持っていればいいわけではなく、他の人が何を知っているかを知っているか、who knows whatが重要。

    ウェグナーの実験にあるように、人は交流を深めれば自然にトランザクティブメモリーを形成するものです。しかし、大きな企業では社員の全員が深い交流をすることは難しいため、その形成が難しくなります。
    だからと言って、もし中途半端にトランザクティブメモリーができている組織に制度的に記憶の分担の枠組みを与えると、ウェグナーの実験がしめしたように、むしろ両者が軋轢を起こして、組織全体の記憶効率がいちじるしく低下する可能性もあります。
    したがって大事なことは、制度的な枠にはめずとも、社員同士が自然にwho knows whatを意識できているような組織を作っていくことではないでしょうか?


    リアルオプションの考え方

    不確実が高い市場では、一気に投資をおこなうのではなく、段階的に投資をしていく。

    下振れのリスクと上振れを逃す可能性を下げることができる。

    まずは小さくやってみる。

    当初の仮定とマイルストーンを記録。
    定期的なフィードバックをおこなう。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.16

  • tanakanokouki

    tanakanokouki

    大変勉強になりました。
    もっと早く読むべきだったと思うが、遅すぎることはないかと。


    アメリカの経営学者はドラッカーを読まない。
    大半がケーススタディではなく、統計分析。
    経営学の3大流派、経済学ディシプリン、認知心理学ディシプリン、社会学ディシプリン。
    ポーター(1980年代)の戦略だけでは通用しない。持続的競争優位は2〜5%、競争優位を実現できる期間は短くなっている。一旦競争優位を失っても再び獲得できる企業が増えている。一時的な競争優位を連続して作り出せる。ダヴェニ、からの、ウィギンズ、ルエフリ、2000年代初頭。
    ハイパーコンペティション、competitive ダイナミクス、より多く競争的行動をとる、長期間競争行動をとる方が市場シェア伸びる。
    組織の記憶力は、組織全体が覚えてるのではなく、誰が何を知っているか?を知っておく。
    イノベーションに必要な両利きの経営。知と知の組み合わせ、ほどほどに幅広く。知の探索と、知の深化。両利きの企業文化、3Mの15%ルール。
    産業によっても異なる、鉄鋼は深く、半導体では弱い結びつき。変化の激しさ、
    ストラクチャール・ホール。
    海外進出、4つのフレームワーク。
    CAGE、カルチャー、administrative、ジオグラフィック、economic(所得格差)、

    不確実性の高い時代の事業計画。綿密に?
    リアルオプション、段階的な計画。最初からDCFではなく。不確実性はチャンス(但しリターンも高いか?)
    買収額の払い過ぎについて。
    CVC、双方にメリットある(特にベンチャーは、活用できる資産が増える)が、警戒感も。信頼構築が大事。
    RBV、経営理論?
    経営学は役立つか?理論に偏りすぎ?実証研究をするべき?
    続きを読む

    投稿日:2023.07.04

  • nishimagi

    nishimagi

    読み始めたら、一気に読めるほど興味深く、かつ噛み砕いて書かれています。
    論文を貪り読みたくなりました。

    投稿日:2022.11.10

  • Ogawa Koichi

    Ogawa Koichi

    この時点ですでに「両利きの経営(深化と探索)」を唱えていたのか。
    これだけ情報が伝播するのが一瞬という時代にも関わらず、人の心に言葉が根付くのには逆に時間がかかっているような気がしてしまう。
    2021年の今でこそ、社内のみならず各所で「両利きの経営」の話を聞く。
    しかもこの著作、約10年前に発行であるが、この10年間で両利きを達成して業績をV字回復した会社はほとんどないということか?
    それだけ「両利き」が根付いてないということか。
    この10年で両利きを意識していれば、必ず業績は回復しているはず。
    「『両利き』なんて10年前の理論じゃないか」で切り捨ててもいい話だ。
    しかし10年経った今でもこれらが実現できていないことは何を示唆しているのだろう。
    本書でも書かれているが、ドラッカーもポーターも今の経営学者は研究していない。
    学問にも栄枯盛衰はつきものと思うが、それではこの10年間でどの部分がどう進化していったのかが知りたいところだ。
    ビジネスは確かに大きく変化している。
    個人的な考えだが、日々の技術進歩、科学の進歩があって、それがビジネスに転用されて変化していっているように感じる。
    理想的な経営理論があって、それに合わせて後追いでビジネス自体が変化するということはないと思う。
    やっぱりテクノロジー起点と考えるのだが、それは偏った考えだろうか。
    一方で最近は人事組織についてもテクノロジーを活用するようになっている。
    経営は「戦略」という言葉が一般化したくらい、戦争・競争と切っても切り離させない。
    どういう組織が強いのか。どういう人材がいれば勝負に勝てるのか。
    ライバル企業に打ち勝つために、この辺をHRテックとして効果的に管理する方法も流行っている。
    本書を読むと「必ず勝つ戦略」がどこにもないことに気が付いてしまう。
    それは当然であって、もし必ず勝つ戦略が体系化されていて、誰でも真似が出来たらどうなるだろうか。
    どの企業もその必ず勝つ戦略を使ったらどこが勝つのだろうか。
    そう考えると「どうすれば勝てる組織を作れるか」という点に集約されていくのだということが見えてくる。
    なぜ成功した経営者ほど、M&Aでオプションを多めに積み上げてしまうのか。
    日本人は集団主義と言われるが本当なのだろうか。
    やはり企業は人と組織で左右される。
    究極の経営とは、実は人事なのではないだろうか。
    そんなことすら本書を読んで考えてしまった。
    (2021/12/21)
    続きを読む

    投稿日:2021.12.31

  • おな兄

    おな兄

    2012年に書かれているので、「いまなにを考えているか」という観点ではちょっと古くなっているのかもしれないが、平易な文章でアカデミアの経営学と実学を連結させようという筆者の意図が伝わってくる。読みやすい。総花的になっているため、結局何だったのかという感想になる可能性は高いが、ざっくりと2010年代前半までの経営学の研究潮流をとらえる(計量的な分析が多くなっているが、定性的な分析も有効性あるよね)のには良い。続きを読む

    投稿日:2021.10.17

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