【感想】インドネシア 多民族国家という宿命

水本達也 / 中公新書
(8件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • nari-aki

    nari-aki

    第二次世界大戦以後、スハルト政権から以後のインドネシアの歴史をコンパクトに、しかし、専門的にも解説している。


    1950年にインドネシア共和国が誕生して以来、300の民族で構成される多民族国家として、混沌の中で国を存続させる矛盾と困難がこの国の根底。

    イスラム過激派、大統領、民族紛争、外交の違った視点からインドネシアの歴史をたどるという構成。

    複雑な状況を読み解くのに適した書になっている。

    本書の内容は、単行本にでもなろうかという多くの内容が書かれているが、新書で読めるというのは、たいへんありがたい。
    新書の分量を感じさせない内容の濃い本である。
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    投稿日:2017.03.19

  • shimu2

    shimu2

    [建設という難業]豊富な人口と資源を背景に、強固な政治体制の下で経済成長の道に邁進している印象が持たれることの多いインドネシア。実は多民族・多言語からなるこの「若い」国家の達成と苦難を取材した作品です。著者は、時事通信社のジャカルタ支局に勤めた経験を有する水本達也。


    「国家建設」「他民族」「イスラーム」という三本の柱を軸として、インドネシアをわかりやすくまとめた良作かと。経済というよりは政治や外交の視点が強く前面に出ていますので、もしその側面からインドネシアを知りたいと思う方にはうってつけの一冊ではないでしょうか。建国からおよそ70年を経る中で、インドネシアがダイナミックに移り変わってきたことがわかるのも本書の魅力の一つです。

    〜それぞれの民族と社会集団は中央との距離や歴史的背景、文化、取り巻く政治社会環境によって全く異なった存在となっている。しかしそれでもインドネシアに暮らす人はみな等しく「インドネシア人」でなければならない。これこそが、「多様性のなかの統一」を実現するインドネシア共和国の為政者の存在原則と苦悩だった。〜

    中東をいろいろと勉強した後にアジアに戻ってくると、いろいろと考えさせられることが多い☆5つ
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    投稿日:2016.06.03

  • yamaguchi0604

    yamaguchi0604

    このレビューはネタバレを含みます

    独立。300の民族、200の言語、宗教の違い、紛争、軍部の暴走、通貨危機、汚職、賄賂、貧困、津波、これでもかって言うくらい日本人には想像しずらい困難な状況が展開されている。その中でもASEANでの政治的な綱引きや、国連で「常任理事国」入りを本気で考えていたり、要所では国として主張すべきことを主張している。アメリカにも遠慮もしない。そのような部分は日本も見習うべきだと考える。

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    投稿日:2011.06.07

  • igochan

    igochan

    第二次世界大戦後のインドネシアについて政権を軸にかなり詳細に述べられている。著者が新聞記者ということもあり、新聞記事の特集版といった印象を受ける。そのため、政治過程や関係者のあぶり出し、軍部の詳細などが調べたい方には向いていると思う。続きを読む

    投稿日:2011.04.22

  • H.Sato

    H.Sato

    ジハードには必ず理由がある。それに目をつぶっている限り全体の解決はない。
    スハルトの作り上げたシステムは、スカルノ時代を古いものとする意味で新秩序とおばれた。政策の基本は政治を安定させることで経済を発展させることである。
    オランダはかつてアチェ王国に宣戦布告した。それはアチェに主権があることを意味する。そしてこの主権がインドネシアに移籍された歴史的事実はない。インドネシアはそもそも地政学的に実態があるものではない。
    アチェにとって不運だったのは、インドネスあのもうひとつの病根だった東ティモールが99年に独立したこと。アチェがインドネシアから分離したら、国家統合は事実上、崩壊する。インドネシアの分裂は東アジア全域の危機に発展するおそれがあった。
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    投稿日:2010.10.06

  • ecyao

    ecyao

    この本の紹介を授業でプレゼンします!

    (追記)
    しました!笑
    本の紹介というより
    インドネシアの紹介になっていまいましたが
    プレゼンとしては成功

    バワポとか使って本格的に
    やるわけではなかった分
    話し方とかに気を使った


    ちなみに
    大統領選挙はユドヨノ続投の流れ
    一億七千万の有権者が投票する
    世界最大の直接選挙
    続きを読む

    投稿日:2009.07.08

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