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長野まゆみ / 河出文庫 (21件のレビュー)
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総合評価:
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橘
銀木犀ってどんな香りがするのでしょう。 緑と雨に包まれた静謐なお話でした。 銀木犀は少年を取り込み、命を繋いでいく。 好きな世界です。
投稿日:2020.01.06
花
最初から最後まで、主人公の見た目も年齢もわからないまま、夏の蒸し暑さや、熟れすぎた果物の半分腐ったような感触が物凄く印象に残る作品。 物語自体も短く、短編ずつ区切られているのでさらりと読めるかと思っ…たけれど内容が割と重くて、読み終わった後も作品の雰囲気にしばらく引き摺られてしまう。 『銀木犀』というタイトル通り、銀木犀を中心に進む物語だけれど、途中から現れる不思議な少年に主人公の日常が掻き乱されてしまう。死んだ鳥の卵や、巣から落ちたヒナだったり、扱い方がわからずに投げ出してしまった小さな命の罪悪感にひたすら囚われてしまって苦しんでいる姿と、泥に沈んでしまいたいといった自虐が混ぜこぜになって、あの少年は、そういった主人公の感傷が見せた銀木犀の幻影なのかな?とも感じました。 秋になると強い芳香を放つ金木犀とは違って、どちらかといえば目立たない存在の銀木犀でも、実はほんのりと香りがあるようで、知らず識らずのうちにその香りに誘われてそのまま飲み込まれてしまうような、奇妙な感覚。続きを読む
投稿日:2018.08.21
Chanrisa
自然に還ると言ってしまえばあまりにも短絡的すぎるけれども、あるものへのどうしようもない憧れを描いていて、あとがきに書いてあるようにカンパネラと同時期に書かれたというのは納得。 ある意味夜啼く鳥は夢を見…たにも近い。続きを読む
投稿日:2016.02.25
o
このレビューはネタバレを含みます
ストーリーというストーリーはない。ない? 登場人物は主人公(といえるのか)の燈水と銀木犀だけ。燈水の社会的属性や誰かとの関係は何も書かれてない。ただの少年。 お気に入りの隠れ処である銀木犀の幹で眠る燈水、少年の射るような目線に気づいて、不思議な夢を見始め、銀木犀に取り憑かれて、銀木犀に取り込まれる。 銀木犀の少年は死んだ鳥の体の中の卵を食べるとずっと少年のままでいられるという。その卵を食べさせられて燈水は銀木犀で永遠に眠る。 泥濘、雨水、死んだ鳥、卵 感性がそれほど豊かじゃないので「ほえー」って感じで読んだ。正直よくわからん。でもただただ美しい。長野さんの小説って「よくわからんけどまあいいや」って思えるのがいい。 よくこんな幻想的なものを言語化できるなあと思う。どこからこのイメージは出てくるんだ?
投稿日:2015.11.15
aki333
『夜啼く鳥は夢をみた』を思い出す内容だった。絡めとられるように夜な夜な銀木犀の元へ向かってしまう燈水のあやうさは、まさに長野少年といったところ。細い首をした早緑の少年へ無意識に抱く敵意。小さい頃、知ら…ぬ土地で出会った同じ年頃の子どもには何故か敵愾心のようなものを感じたものだったけれど、そんな遠い記憶を呼び覚まされて懐かしい気分に浸った。 初期の作品を読むのは久しぶりで、結末には思わず息を飲んでしまった。続きを読む
投稿日:2013.08.14
cs
あえてカテゴライズするなら、“きれいなホラー”…? 『夜啼く鳥は夢を見た』と似た雰囲気。 よく考えればすごい不気味なおはなしのに、 そう感じさせない表現で、それがまたきれいな文章で、 言葉がじんわり沁み込んでいく感じ。 久々に、踊り字が並ぶ作品。 一の字点、くの字点…日本語って いいな。
投稿日:2013.06.19
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