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酒井邦秀 / ちくま学芸文庫 (9件のレビュー)
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キじばと。。
学校英語・受験英語のおかしさを具体的に指摘した本です。 著者の主張自体はけっして珍しいものではなく、むしろ聞き飽きているといっていいくらいなのですが、英和辞典の硬直した訳語や、森一郎の『試験に出る英…単語』(青春出版社)、伊藤和夫と鈴木長十の『基本英文700選』(駿台文庫)などから多くの例を引きながら、その問題点を明らかにしているところなどは、単純に勉強になりました。 ただ正直なところ、受験英語に対する批判のトーンがやや強すぎるのではないかとも感じます。確かに、英語と日本語との間に硬直した一対一対応が成り立っているかのような理解には問題があるのでしょうが、学校英語・受験英語も初歩の段階においては役に立っているのではないかと思うのですが。ただのハシゴにすぎないと割り切れば、それなりに有益だと考えます。続きを読む
投稿日:2017.06.16
shyamazaki69
先日読んだ『快読100万語!ペーパーバックへの道』に共感したため、同著者のこちらを読んでみました。 いや、なかなか舌鋒鋭いです。日本の学校英語、なかんずく受験英語批判。そしてその指摘のほとんどに「確か…に」と頷かされます。日本で教えられている英語は「人工言語」。では、本来の英語を身につけていくためにはどうすれば良いか… すでに『快読〜』の方にその方法論は書かれていますが、こちらはその「理屈編」というべき内容でした。私は著者の方法論に共感します。続きを読む
投稿日:2015.06.22
ヒロ
日本の英語教育は、人工言語のお勉強とキッパリ断言。 言葉は、文化が生み出したもの。文化が違う国の言葉と自国語は1対1対応の言葉や発音はありえない。 身につけるためには、とにかくシャワーを浴びるように英…語を聞き、読むことを繰り返すこと。 訳さずにそのまま意味がわかるようにする。そのためには全部わかる必要はない。 60%わかればよいと思って乱読すること。続きを読む
投稿日:2014.06.23
kerukamo
少々古くなってはいるが、受験英語の構造的欠陥を指摘した点、やはり出色であった。伊藤和夫、森一郎的受験英語が日本人の英語能力にいささかの寄与もなし得なかったことは何度繰り返されてもいいと思う。
投稿日:2013.02.15
kazuha
日本人が英語を話せない理由がいくつも挙げられているが、それは非常に的を射ていると思われる。その主軸にあるのが、「一対一対応」なるものである。headの意味は頭で統一する。しかし、頭と言っても、英語のh…eadは顔も含みうるのである、場合によっては。eveningにしたって、夕方と訳すが、実際は夕方から就寝するまでの時間帯がeveningにあたるので、夕方よりもむしろ夜の方が長いわけである。といったように、英語と日本語ではそもそも言葉が表す「範囲」が異なるのに無理やりそれを対応させようとした結果、ズレが生じる。これは、発音にも該当する。実際には、英語と日本語の発音で同じものなどないのだが、それをaやi:は一緒だといったように一対一対応をさせようとする結果、おかしくなる。それくらいなら聞こえるままにひたすら発音練習をしてゆけばよい。要するに人によって音の聞こえ方なんて異なるのだから、「自分にはこう聞こえるものがaである」といったように練習を積んだ方がネイティブをききとる、あるいは、ネイティブと会話するには近道なのである。さらに、この一対一対応をつくりあげるシステムとして、「英和辞典」などがあげられる。さらには、受験英語や入試英語は生徒が間違いやすい部分に焦点を絞るために、実用性からは限りなく離れていくこととなる。早い話、関係代名詞などなくとも会話が可能である。 特に、 The boy who is tall is Bob. The tall boy is Bob. といった二文があれば上は意味不明であろう、なにゆえ、こういった言い回しがされるべきなのか?日本語で妙に角ばった言い回しをするとおかしく感じるだろう。ただ、我々は、英語に関してその感覚を持てないのである。それも問題である。 ※その1 「レモネード」→「ラムネ」 「エ」→「ア」 「ガレー船」→「ゲラ」 「ア」→「エ」 「トラック」→「トロッコ」 「ア」→「オ」 「フック」→「ホック」 「ウ」→「オ」 「チケット」→「テケツ」 「イ」→「エ」 「マシーン」→「ミシン」 「ア」→「イ」 といったように、聞こえる、という法則があるようです。 ※その2「マクドナルドの法則:強い音節が弱い音節を飲み込む」などがある。 「McDonald's」→「ムダノス」にきこえる。 ※その3母音が非常にあいまいなどの特徴も見受けられる。 ※その4 What are you going to do tonight? 「ワデガナドゥーダナイ?」 What do you want to do tonight? 「ワデワナドゥーダナイ?」と、きこえる。 ※その5冠詞 ■英語 ■仏語 単数 複数 単数 複数 不定冠詞 a なし un,une des 定冠詞 the the le,la les といったように、英語は、不定冠詞に複数形がないし、定冠詞は、単数複数一緒なので少しつかみにくい。 ちなみに、日本人の英語例文の作り方は、知っている文法を元に創作的に作ってしまう。だから、ネイティブではほぼ使わないようなものや、あるいは意味がずれているのにそれと気づかずに使ってしまう。だから、おかしな例文ばかりが並ぶ。それも、孤立した例文である。本来は文脈を元に理解されるべきであるのに、我々は文脈を元にした理解を怠っているので、どうしても孤立した文が出来上がり、文脈を無視した表現などが多用されてしまう。それは、我々の英語教育が文法中心であり、文法を元にした精読中心であり、よって触れる文量が圧倒的に少ないことも、我々が生きた英語を持ちいれない原因であると、著者は述べる。我々は、時間をかけて客観的に分析する力は養えても、ネイティブのように生きた英語を使いこなす練習を欠いている、のである。よって、話せるわけがない、というのである。 ※その6 ■日本語 ■英語 近くのもの→これ 近くのものや人→これ 中間のもの→それ 近くないものや人→あれ 遠くのもの→あれ 英語には、中間的なものがないので、それ、という概念は実はない。it=それ、というのは、日本人が無理やり一対一対応させた結果できたものであり、itをそれ、と訳す必要はない。とはいえ、それ以外の適語がないのも実情であろう。 ※その7 How about tea?:これは、何か飲みましょうという文脈で、それなら、「お茶はどうですか?」という意味合い。 How about some tea?:これは、そういった文脈なしで、「お茶でもどうですか?」と勧める際に用いる。 ※その8 不定詞の用法や、現在完了の意味わけなどといったものは、文脈で判断すればよい。また、三単現のsなど付け忘れたところでどうだっていい。 さて、著者が英語学習のために提案している手法は3つ。 1つ目は多読である。高校生1年生なら、中学1年生くらい。3年戻れ、そうすれば、すらすら読める=多読可能、ということである。また、知らない単語は1ページに3つまで、というのも重要。この二つの条件を満たせばすらすら読める、という次第なのである。これによって、ひたすら足りない量をこなしていく。 2つ目は精読である。精読といっても、60%の精読である。全体の文意だけとられる。とりあえず、パラグラフの一分目さえつかめればあとは次にいってよい、それで全体の意味さえつかめれば大丈夫、ということである。つまり、精読しながらも多読をこなせ、という要求なのである。3つ目は、シャドウイングである。映画を見ながら、きこえてくるのとまったく同じ形で、セリフと同時に英語を唱える、という練習である。ネイティブと同じスピードで同じ呼吸で同じ発音ができえれば(それが不可能だとしてもそれに限りなく近づければ)、会話も自然とできるようになるだろう、というわけである。続きを読む
投稿日:2012.07.01
oshsbookreview
著者は、うちの学校にもよく来てくれる先生。 うちの「英語教育」の考え方がよくわかる本だぞ。英語をもっと使えるようになりたいという人はぜひ読んでください。 著者の先生は、しょっちゅう学校に来るので、…直接質問もできるぞ。続きを読む
投稿日:2012.04.13
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