【感想】痴人の愛

谷崎潤一郎 / 新潮社
(574件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
139
197
148
32
6

ブクログレビュー

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  • みさきんぐ

    みさきんぐ

    初谷崎!おもしれ〜文章がうまくて読みやすぅ〜
    ナオミみたいに愛されたいわ女だもの
    譲治の容姿とナオミの美が失われた後に起こりうる悲劇は置いといて

    投稿日:2024.04.05

  • パリの雨音

    パリの雨音

    唯美派とか耽美派というのは、こういう陶酔感のある悩みなんだなということで、記憶に残っている。
    読みやすい文体も、いわゆる饒舌系ということでなるほどと思ったことを覚えている。物語の内容は、真面目と思われてると思っている者に巡ってきた出会いが、じつはどんどん変化し進歩し享楽的であり、遊びの中に美をみる女へと成長していく自由な娘であることに驚き、喜び、苦しむものである。第一印象からの変化と、自分自身がそれに溺れてることへのギャップを感じつつも先回りされて追いつけない哀しさみたいなものでこりゃあもうしょうがないなとなる気持ちがよく表された文学である。続きを読む

    投稿日:2024.03.14

  • マリモ

    マリモ

    近代文学を読もう16。
    再び谷崎潤一郎、ついに読んでしまったよー。
    身も心も、そして金も(←)全てを捧げ尽くす、谷崎のマゾヒズム炸裂の『痴人の愛』。

    オーディブルにて読了。平川正三さんのナレーション、ナオミの婀娜な魅力が十分に伝わりました。

    女性経験がなく、「君子」とあだ名がつくくらい真面目なサラリーマンである28歳独身の河合譲治は、浅草のカフェーで出会った15歳の美少女ナオミを見初め、自分が教育と作法を身につけさせ、夫婦になろうと思って彼女を引き取り、一緒に住むようになる。
     
    ナオミ16歳のときに二人は入籍。しかしナオミをレディーに仕立てようという彼の期待は、次第に裏切られていく。ナオミは怠惰で行儀が悪く、言葉遣いも男のようで、浪費家で飽きっぽい。ナオミの散財で、金銭的な余裕はなくなっていった。
    しかしナオミは次第に女としての魅力を開花させていき、譲治はナオミに抗うことができなくなる。
    ある日、彼が早く家に帰ってみると、玄関の前でナオミが若い男と立ち話をしていた。ナオミはお友達だと否定する。
    しかしまもなく、ナオミが他にも何人もの男と深い仲になり、卑猥なあだ名までつけられていることを知り、一切の付き合いを禁じる。しかしナオミがおとなしくなったのは表面だけで、また男と密会していることを知り、ついにはナオミを追い出す。

    追い出したものの、譲治はナオミが恋しくて仕方がない。反対にナオミは、知り合いの男性の家に泊まり、豪華な衣装で遊び歩いて楽しく暮らしているようで、自分への未練などなさそうだ。
    もう忘れようと決意していた譲治のもとへ、ナオミがふらっと現れるようになり、肉体的な魅力をふりまいて翻弄する。ナオミは自分の魅力を十分に知って、譲治が自ら陥落するのを待っていて…。
    譲治は全面的に降伏し、すべてをナオミに捧げると違う。

    う、うん、すげー話でした。ここまで恋焦がれてしまうナオミの魅力。惚れたもん勝ちと言うけど、その一番沼の深いバージョンでしょうか…。大正時代に書かれたというが、現代でも読んでギクっとする人は多いのではないでしょうか?笑
    あざとい女って女からは嫌われるけれど、男の人は、自分の気をひこうとするそのあざとさが可愛いって思うものらしいよね。ナオミまでいくと、さすがに可愛いとか言ってられないけれど。

    翻弄されて身悶えしながらも恍惚としている譲治。彼なりに幸せな人生だったといえるのでしょう…(でも金の切れ目が縁の切れ目になってないか心配だな)
    続きを読む

    投稿日:2024.03.07

  • おおはら

    おおはら

    大正という時代に対する私たちの偏見が、日本人が日本の伝統と西洋の新文化の狭間で動揺していた時代というイメージが、譲治とナオミの「ハイカラ」な暮らし振りによって容易く打ち砕かれる。彼らは病的に西洋を崇拝し模倣する。彼らは確かに時代の尖端にあったが、しかし来るべき時代の象徴でもあったのだろう。谷崎作品に通底する病的なマゾヒズム、女性や西洋に対するヒステリックな羨望は、この前期作品において、ふたりの堕落した生活のなかに、しかし現代の私たちには他人事とは笑えないリアリティをもった生活のなかに、確かな強度で現れている。ナオミの皮膚は譲治を支配するひとつの象徴としてたくみに描かれる。西洋人への、或いは白色への熱烈な崇拝が、勤勉で女を知らぬ譲治のナオミへの倒錯した支配欲として顕現し、しかし気づいた時には彼はその象徴たるナオミの膝下に嬉々として跪いている。然るに跪いたのは、読者の私たちではなかったろうか。続きを読む

    投稿日:2024.02.28

  • ののの@彩ふ読書会

    ののの@彩ふ読書会

    読み進めていく内に、譲治もナオミも正常なんではないかと思えてくる。歪ではあるし周りからは理解されないだろうけれど、互いに足りないものを得ようとしているだけなのかも。ナオミは精神的な幸せを感じられるのか?現代に置き換えても考えれるし、色褪せることない名著ですね!続きを読む

    投稿日:2024.02.27

  • スペルマライフ

    スペルマライフ

    知人にオススメされて読んだけど私はナオミのようなワガママな女は嫌いなのでいくら美貌があろうとも羨ましいとも思わず不快感が拭えなかった
    ただ、谷澤潤一郎のナオミの愛し方の表現方法がが生々しくてそこは良かった続きを読む

    投稿日:2024.01.27

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