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谷崎潤一郎 / 新潮社 (119件のレビュー)
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総合評価:
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さんぷう
上中下通じて上方の上流階級の家族の日常が美しい絵巻物のように描かれている。 その舞台の中で繰り広げられるゆっくりとした栄華の没落。そしてこいさんの破天荒ぶり。といったところが読みどころか。
投稿日:2024.04.09
安美
2024.1.9 読了。 「細雪」完結巻。上〜下巻まで約1100ページに及ぶ大阪の高級階級の蒔岡家の4姉妹を巡る物語。 限りなく☆4に近い作品。 下巻も主に次女・幸子視点でまだ嫁いでいない雪子、…妙子が物語の中心となっていく。 一見年相応のコミュニケーションが取れないほど人見知りが激しく大人しく見た目も純和風を好む雪子と新進的で自立を目指し異性関係も奔放である妙子は姉妹の中で対比される対象のように見えるが、実は二人とも自分の芯を強く持ち貫く姿勢も見られるのでやはり似ているところも大いにあるのかな、と感じた。 読み終わってみると数年間の季節の変化や建築物の描写が美しかったし、その数年の間に時代の変化と4姉妹の心境の変化も加わってドタバタとした場面もあるが読み手側にごちゃごちゃとした印象は与えていなかったように思う。 幸子・貞之助夫妻はいつも互いに思いやりのある行動をしていた場面を読むと雪子妙子のドタバタが一度凪いだような気持ちになりそこも美しかったと思う。 ラストシーンではキラキラした中に涙の込上げるようなものを感じた。 谷崎作品を読むのは「春琴抄」に続いて2作目で「細雪」はもう題名から美しさを感じられたのがすごく良かったが個人的には「春琴抄」のどこまでも純粋である中にエロティックさやマゾスティックさの表現された人間の本能というか本性が描かれた作品の方が読書欲を掻き立てられた気がする。続きを読む
投稿日:2024.01.10
司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)
三宅香帆さんの、「ジェイン・オースティン著、イギリス文学の『傲慢と偏見』を読んだ方におすすめする次の本」 (『人生を狂わす名著50』三宅香帆著 ライツ社 の紹介より) 「昭和十六年、三十五歳になった…雪子は、やっと貴族出の男との縁談がまとまり、結婚式に上京する。他方、バーテンと同棲した妙子は子供を死産してしまい、明暗二様の対比のうちに物語が終る。『源氏物語』の現代語訳をなしとげた著者が、現代の上方文化のなかにその伝統を再現しようと、戦争中の言論統制によって雑誌掲載を禁止されながらも、えいえいとして書き続けた記念碑的大作。 谷崎潤一郎(1886-1965) 東京・日本橋生れ。東大国文科中退。在学中より創作を始め、同人雑誌「新思潮」(第二次)を創刊。同誌に発表した「刺青」などの作品が高く評価され作家に。当初は西欧的なスタイルを好んだが、関東大震災を機に関西へ移り住んだこともあって、次第に純日本的なものへの指向を強め、伝統的な日本語による美しい文体を確立するに至る。1949(昭和24)年、文化勲章受章。主な作品に『痴人の愛』『春琴抄』『卍』『細雪』『陰翳礼讃』など。」続きを読む
投稿日:2023.09.26
Monique
このレビューはネタバレを含みます
全編通して妙子に共感してしまった。というのも、 1. 好きな人がいても、姉が結婚するまでは結婚できない。 2. 職業婦人になることを反対される。 3. 身分が低いがいい男の板倉との結婚を反対され、いいとこのお坊ちゃんかもしれないけどどうしようもない奥畑と結婚させられようとする。 4. 板倉の死後新しく出会った三好とは結婚が許してもらえないだろうから、わざと妊娠。すると家族はその事実を徹底的に隠す。 この不自由さ。 特に3に納得いかなくて、 ・アメリカで修行して、写真屋さんとして立派にやっている板倉と、家族に無心し続ける奥畑。 ・妙子が洪水で危なかった時に命懸けで助けに行く板倉と、その時におしゃれな服を汚したくないから帰ってしまう奥畑。 ・素行に心配なさそうな板倉と、愛人に隠し子まで産ませた奥畑。 どちらの方がいい男か、一目瞭然ではないか?それでも、「板倉は身分が低い」ただそれだけで、不幸になることが目に見えている奥畑と結婚しろという。本人がどれだけ不幸になろうとも構わない。本人の意向も関係ない。 世間的に無難な条件だけど生理的に無理な人との結婚をやめて、心の底から納得した年下外国人の夫と結婚した自分と重なってつらかった。昭和初期なら「年下外国人は世間体が悪い。どれだけ嫌でも生理的に無理な人と結婚しろ」と言われたのか…と。
投稿日:2023.07.25
とまむ
読み終わってしまいました。 今読んでも十分面白い小説ですね。 戦時中でありながら、ある種のエンターテイメント小説を貫き通した谷崎の姿勢は、すごく気高いものに感じられます。 名もなき人の生活文化こそが文…学になり得る、という主張とも読めますね。 私も文学は万人に開かれたものであってほしいと思いますし、全く共感します。続きを読む
投稿日:2023.07.06
のりまき小梅
すごく長かった分、読み終わると姉妹たちと別れるみたいで寂しかった。出てくる登場人物みんながどうか戦争を生き抜いてますように。
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