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谷崎潤一郎 / 新潮社 (71件のレビュー)
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すよ
時代を経てもなんだか今と通じるようなちょっと粋な姿が面白かった。 子供のことを案じながらも、別れる夫婦だけどでも、お互いのことは思いやれていて壊滅的なわけでもない感じ。
投稿日:2024.03.29
かすごみ
初読時はまだ高校生だったので、仮面夫婦の心情を丁寧につづったこの物語をとても退屈に感じていたのを覚えている。 二十代後半になって、所帯こそ持っていないが、男女間の感情の機微みたいなものも、だんだんわか…るようになってきたので、再読して少し印象が変わった。 斯波夫婦はとても都会的な感性の持ち主で、全方位に悪い印象を持たれないように立ち回ろうとしている。それは自分達に対してもそうで、とっくに冷え切った関係にあるのに、はっきりした別離の悲しみを感じたくないあまりにズルズルと先延ばしにして、結局作中でも問題はまったく動いていないと言える。 要は作中で女性崇拝者と表現されているが、人形のようなお久や、房事のみの関係のルイズ、そして夫婦の語らいなどなくなった美佐子、それぞれに情念を抱いており、現代の感覚的には、むしろ女性を侮辱しているようにも感じられる。そのときどきに着る服を選ぶように隣に置く女を考えているように自分は感じた。別段フェミニストというわけでもないのだが。なぜだろう。 高校生のころは、退屈な上に尻切れトンボで、四割くらいは文楽の話で、なにがよいのだろうと思ったものだが、これも谷崎の持ち味と感じられるほどには大人になれたらしい。続きを読む
投稿日:2024.02.20
正木 伸城
メモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1757180962067333468?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
投稿日:2024.02.13
1755594番目の読書家
面白くないわけじゃないんだけど、あまりにも静。 序盤引き込まれるんだけどな、結局これからのところを見せてもらえないからか、文学的にはこれでいいんだろうけどストーリー的にはどうしてもドロドロ展開とかそう…いうの望んじゃった感あるから、え、これで終わり?感。 あとは単純に価値観の問題。わかるよ、夫婦の微妙な感覚、子供への気遣い。 でも大事なことだからこそ高夏に任してほっとしてなんかいないで、両親が子供にきちんと正面から向き合ってほしいなって思っちゃう親心。 妻が〜みたいな感じで進んどきながら夫が風俗通ってたこと詳しく話すのはわりかし最後の方になってからで、何となく男の狡さ?みたいなの感じてもうた。 本作全体の量に対して、謎の3人メンツで浄瑠璃見るとこちょっと長すぎかな?笑続きを読む
投稿日:2024.01.30
フランジパニ
文庫本の裏表紙に著者の私生活を反映した問題作、と書いてあるのが気になって読んでみた。 物語の冒頭、旦那が出かける前に身支度を妻が手伝ってやるシーン。 それだけのことなのに、女性の姿態の描写が妙に生々…しく、さすがの描写でいきなり引き込まれた。 世間体を気にして離婚に踏み切れない主人公。 子供に自分の口から言うのさえ憚れて、従兄の口から子供に伝えてくれないかと思っている。 妻の父親にもなかなか切り出せない。 グズグズぶりがなんとも情けない。 こんなんだから嫁が旦那に魅力を感じず、外で彼氏を作るんだよ!と思ってしまった。 前編を通して昭和20年代の日本の雰囲気を満喫。 TVもネットもない時代、娯楽であった文楽、人形浄瑠璃を楽しむシーン満載。 決してキレイとはいえない芝居小屋でのトイレ事情や裸電球の照明など、芝居好きの私には興味深かった。 妻の父親は50代後半だというのに、やたら老人という描写。人生100年時代となった今でいうと70代位でしょうか。続きを読む
投稿日:2023.11.27
チベスナ呑兵衛
妻譲渡事件がモチーフなのでしょうが、後半は物語を彩る小物たちを使って陰翳礼讃を小説に落とし込む実験作だったのかとも思ってしまった。
投稿日:2023.08.28
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