【感想】[新装版]土光敏夫 信念の言葉

PHP研究所 / PHP研究所
(9件のレビュー)

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  • seiyan36

    seiyan36

    土光敏夫さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。

    ---引用開始

    土光 敏夫(どこう としお、1896年(明治29年)9月15日 - 1988年(昭和63年)8月4日)は、昭和時代の日本のエンジニア、実業家。位階勲等は従二位勲一等(勲一等旭日桐花大綬章・勲一等旭日大綬章・勲一等瑞宝章)。岡山県名誉県民、岡山市名誉市民。

    ---引用終了

    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    1950年、大赤字・給料遅配・スト続きで苦しむ石川島重工業(現IHI)の社長に就任した土光氏は、「ミスター合理化」と呼ばれるほどの経営合理化で再建を果たす。
    その後、東京芝浦電気(現東芝)の社長に就任、さらに長年にわたり経済団体連合会会長などを務め、日本経済の発展に尽くした。
    また、81年、会長に就任した第二次臨時行政調査会で、
    国鉄の分割民営化や三公社の民営化で日本の構造改革を実現させ、「行革の鬼」との異名をとっている。しかし、その生活ぶりは質素で、潔い人生観もうかがえる。何ごとがあろうとも信念を貫き、大願を成就させた強い意志と行動力の源泉を、200篇の言葉で探る。
    政治や経済の仕組みが大きく変わろうとしているいま、土光氏の考え、発言は、これからの日本を考える上でも、大きな意味を持ってくるに違いない。

    ---引用終了

    1981年に、第二次臨時行政調査会の会長に就任したとのこと。
    土光敏夫さんの当時の年齢は、85歳位になりますか。
    心境を推し量ることはできませんが、すごいです。


    p194に、当時の日本とアメリカの議員数が書かれています。
    日本は、参議院252人、衆議院511人。
    アメリカは、上院100人、下院435人。

    で、現在は、
    日本は、参議院248人、衆議院465人。
    アメリカは、上院100人、下院435人。
    続きを読む

    投稿日:2023.04.08

  • boompanch

    boompanch

    東芝の先代社長の中でも、名経営者と謳われた土光さんの言葉を集めた本。
    会長就任が1972年ですから、半世紀前です。
    さぞかし古臭いことを言っているのかと思うととんでもない。
    今でも通用するような言葉のオンパレードでした。
    その後弊社が何も変わっていないのか、紆余曲折を経てまた戻ってきたのかわかりません。
    しかし、問題意識に関して共感できるということにとても驚きました。
    メザシの土光さんの言葉は今の我々にも響きます。

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    以下気になった部分を抜粋。

    ・全ては自分をどう完成させるかという真剣な試み
    ・毎日壁にぶつかれ。壁がないとしたら問題意識がない。座ってないで立って歩け、立って歩けばすぐぶつかる
    ・人の立場は変わっていくが、大事なのは、使う立場のときは使われる立場を思いやり、使われる立場のときは使う立場を思いやる
    ・艱難汝を玉にす
    ・毎日早朝と就寝前に日蓮宗の法華経を読経し、仏心に触れることで自身の修養と反省をしている。即身成仏
    ・僕は社員を首にしない。人は短所ばかり見るが、神様はそうしないし、誰にでも長所はある。それをみない人事はおかしい。外れた人は皆僕の直属にします。
    熱を入れて喋るから社長が怒ったと言われることがあるが、ぼくは怒ったことはない、意見をしてる。
    ・組織間の葛藤を乗り越える鍵は、肯定的態度で話を聞けるか。肯定的態度とは、相手の立場で、どこに賛成しようかと考える姿勢。否定的態度はどこに反対しようか考える、自己防衛や自己顕示の気持ちの表れ。
    ・「人はその長所のみとらば可なり。短所を知るを要せず」by 荻生徂徠
    短所をあげつらう減点主義では人の心を腐蝕するばかり。
    ・信頼される人となるための行動基準
    1. 相手の立場になって物を考える
    2. 約束をきちんと守る
    3. いうことと行うことを一致させる
    4. 結果をこまめに連絡する
    5. 相手のミスを積極的にカバーする
    ・行動を伴わない思考は腐敗を生む。両者が相互作用をしながら成熟して行く。
    ・部下から見た好ましい上長は、上長が上長に対して、反論も辞せずイエス、ノーをはっきり言う人
    ・人を見たら客と思え
    ・人に対する厳しさに欠けるのは、自分に厳しくなかった証拠。部下を管理するためにはまず自らの管理が必要。
    ・幹部が偉い所以は、上に立つほど重い責任を負うから。幹部は権限を振り回さずなるべく委譲した方がいい。残るは責任ばかり。重役に推薦するときは、家庭を犠牲にする覚悟があるか家族と相談する猶予を与えている。
    ・1人が初めから終わりまで一貫してまとまりある仕事をするタテワリのそ、やりがいのある仕事の基盤。
    ・三べん注意してやらないからと諦めるな。息子だったら何べんでも言ってやらせるでしょう。やるまで忠告しろ。
    ・幹部に完璧を求めない。変化の時代にはスピードが命。60点でもタイミングを逃さないこと。
    ・本来の情報は上に上がる途中でアク抜きされる。そんな弱った情報では間違った判断をする。幹部は自らの足で現場を歩き、空気を味わい、働く人の感覚に直に触れるべき、陽の当たらない職場をこそ見るべき。
    ・部下の数を多々益々と弁ずる部下所有意識から、部下は会社から借りているという部下借用意識に切り替えよ。借り物は少ない方がいいし、早く返すべき。有能なものから順に返しながら、後に続く人を育てるのが筋。
    ・意思決定は多数決ではない、多数の意見は聞くが、決めるのは一人。勇者は一度しか死なないが、臆病者は千回見苦しい死を遂げる。
    ・率先垂範
    上位者ほど早く出勤するという習慣がすでに定着している。そんな部下を見て部下たちも変わって来た。早朝勉強会や、体操をやっている。自発的に考え自主的に行動している。
    →いつから失った!?
    ・真に取り組むべき問題とは、現状にとらわれず、「かくあるべきすがた」の中に見出す不足部分をさす。
    問題意識を持つとは、このギャップを意識すること。
    問題はあるべきすがたを日々追求する者の前に現れ。
    ・株主からは儲かるものだけやれと言われるが、東芝100年の歴史は日本の近代化の旗手としての役割に徹して来たことにある。
    ・上司が中身がわからず部下に振るようなら、部下一人会議に出ればいい。
    ・企業にはルールが多すぎる。規定などは紙に書いてもしょうがない。伝統、風土として慣習的に醸成してゆくべき。死せる規定、守られざる規程はルール軽視の風潮を生む。ルールは時代や環境の変化によって正当性を失って来たら勇気を持って変えなければならない。
    ・情報はどの階層であっても等量化する。権限委譲したら口出しはしない、でも情報は出す。
    ・上へのリーダーシップが取れない人は下にも取れない。組織は階層ではなく、同心円状に広がる宇宙系組織
    ・今日決めたことは明日にはいくらかマンネリ化する。清水でも動かねば腐る。組織は湯が煮えたぎっている状態が一番良い。
    ・若い人たちに早めに地位を与える。上の地位での能力はやらせてみないとわからないし、敢えて登用することで能力を持ち上げようと考えるべき。
    人間が最も創造力を発揮するのは20代、石川島では30歳そこそこで課長だ。
    ・少数精鋭とは、少数にすれば皆が精鋭になりうるということ。人が少ないと処理方法を改善しようという意欲が生まれる。終身雇用的人間関係はお互いにかばい合い、のんびりやろうという空気が生まれる人材の墓場。
    ・自分を不必要にする。自分の後継者は絶えず二人くらい持っておき、いつでも自分はやめられる状態にする。そういう育成をする。
    続きを読む

    投稿日:2018.10.07

  • macmarry

    macmarry

    4
    石川島播磨、東芝出身でMr.合理化と言われた土光敏夫の言葉を集めたもの。仕事や経営、行革の話が中心。火種のような人、1日1日にけじめ、自分の物差しで自分を測る、仕事の報酬は仕事、上のリーダーシップ、率先垂範などが面白い。耳が痛い点もあり、なかなか面白い。吉川さん推薦。続きを読む

    投稿日:2016.08.28

  • 奈央(@azuminyan)

    奈央(@azuminyan)

    1986年 岡山県に生まれ、東京高等工業学校(現東京工業大学)機械科卒業後、東京石川島造船所に入社。のちに石川島重工業社長に就任。経営合理化で会社を再建。
    65年、東京芝浦電気(現東芝)の社長になり、72年に会長に就任。

    経営能力を頼られ社長・会長を離れてもなお、長年にわたり経済団体連合会会長になり日本経済の発展に力を尽くした。

    臨時行政調査回会長、各種審議機関要職を歴任し、国政にも関与した。

    ・・・・・・・・

    以上は本書のプロフィールをまとめたものです。

    1988年 91歳で亡くなるまで、日本経済を支えた人だと思う。

    傾きかけた会社を再建させるというのは、並大抵のことではない。
    しかし、土光さんは贅沢をせず、自らを管理していた。

    第一部は人生についてのまとめ

    土光さんの歩んできた時代と現在とでは大きく変化してしまっているため、全部が当てはまるとは言えないが、ところどころにきらりと光る言葉が見えた。

    第二部と第三部は経営についてのまとめ

    私は今、働いていないし、経営者ではないので距離感はあったが、もし、自分が働いていたとしたら、社長及び上司にはこれを読んでもらいたい。

    第四部は行革についてのまとめ

    臨時行政調査会としての土光さんの言葉がいっぱい。
    あの時代に、もう見えている日本の行く末をみて鳥肌が立った。
    常々、私も「国会議員が多すぎる」と考えていたのだが、土光さんも同じことを言っていた。
    もっと、いろいろ書きたいが、未読の人のためには書かないでおこうと思う。

    土光さん以降、経済団体連合会会長もだんだんパッとしなくなっている気がする。総理大臣に意見できるような、骨太の人が出てくるのは、もう望みはないのだろうか。
    続きを読む

    投稿日:2014.06.07

  • yukihiroymx

    yukihiroymx

    仕事で迷いに迷ったとき時々読み返してみると深い示唆を与えてくれてハートを強くしてくれる。
    そんなメッセージが詰まった一冊です。

    投稿日:2013.07.01

  • ohtakeyuki

    ohtakeyuki

    紹介されたから読んでみたが、経営とか行革とか、普段読まない分野の考えに触れることができた。
    私が感銘を受けたのは序盤に固まるが、仕事への姿勢は変わりそう。
    後ろ姿で語ってやろーじゃないか。

    投稿日:2012.09.05

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