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谷沢永一 / 東洋経済新報社 (1件のレビュー)
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福井智紀
本の読み方や古本屋との付き合い方などを体験を踏まえて語る。 前半は、様々な種類の本との付き合い方と、古本屋との付き合い方について、体験を踏まえて語る。後半では、様々な古本屋とその店主にまつわる思い出を…回想する。 著者の信念らしく、著者略歴や執筆一覧が一切ない。調べてみると、関西大学名誉教授で、ちょっとネット書店で検索しただけでも、膨大な著書がヒットする。通読中の別の本には、司馬遼太郎全集の解説を書いた人物として名が挙がっていた。とにかく本好きで、しかも長年かけて培ったノウハウと信念を持っている、といことが良く分かった。ただ、かなり断定的にものを言う場合があって、ちょっと引っ掛かる箇所もあった。結び近くでも突然、「岩波文庫の『ローマ帝国衰亡史』を売りに出している古書店がもしあったら、それはずぶの素人か、よほどの悪辣に決まっている」(178)とある。やっつけ作業の本だから、と直後に理由があるが、それだけで済まされては一般読者は何のことやら混乱してしまうだろう。梅棹忠夫のカード法も、どうやらあまり気に入っていないようだ。誰にでも有効な方法だとは思わないが、著者のように「七四歳の今日まで、ノートにしろカードにしろ、一度たりとも用いたことがない」(15)という人の方もまた、稀有な存在では?続きを読む
投稿日:2013.01.05
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