【感想】政権交代 民主党政権とは何であったのか

小林良彰 / 中公新書
(17件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • トグサ

    トグサ

    著者の提案する選挙制度に賛同しない。
    選挙制度を幾らいじっても、選挙カーから、名前の連呼という現状の選挙運動では何も変わらないと思う。
    少なくとも、選挙期間を1ヶ月は、必要だと思う。
    選挙が、それまでの議員での国会活動の評価と結びついていないのは、僕も問題だと思う。続きを読む

    投稿日:2019.11.09

  • shimu2

    shimu2

    [変わったもの、変われなかったもの]長年にわたる自民党政権に代わり、国民の期待を背負って民主党が政権に就くことになった2009年の政権交代。その政治的事件をもたらした原因、そして政権交代後の民主党の「凋落」を踏まえつつ、日本のあるべき次の政治形態について考えていく作品です。著者は、米国の数々の大学で研究教育に従事した経験をお持ちの小林良彰。


    政権交代にまつわるデータや出来事がわかりやすく時系列でまとめられており、当時の流れを振り返る上で非常に便利な一冊。小泉政権以後から野田政権に至るまでの日本の政局のテンポの速い変転を理解することができました。本書で示される政権交代が起きた理由などについては、巷間で語られるところのものから大きな違いがありませんでしたが、スタンダードな見方を身につけておく上で有益だと思いました。


    政治プロセスの適切化を主目的とした選挙制度改革の提言については、読者によってその賛否がわかれるところがあるかと思います。他方、選挙制度の改革というのが本当に一筋縄ではいかないことが本書を読むだけでもよくわかると思いますので、議論の出発点として読んでみるのもまた良いのではないでしょうか。

    〜日本の政権交代は、権力を担う政党政治家が代わっても、有権者にとって政治が変わるわけではなく、未来が明るく見えるとは言いがたい。つまり「権力の交代」にとどまっているのである。〜

    それにしても著者による鳩山元総理への指弾ぶりはすごかった☆5つ
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    投稿日:2015.02.27

  • marubei

    marubei

    民主党政権のおさらいと、現行の選挙制度の問題点・改善策をまとめた本。
    中盤までは小泉内閣~野田内閣までの平成政治史を解説。非常に分かりやすい。特に普天間基地を巡る鳩山元首相の二転三転していた対応が印象的。終盤では日本の選挙について。筆者の分析結果によると、立候補者の選挙公約は選挙結果に一切影響せず、有権者がいかに政党名で判断しているかが証明されていた。薄々気づいてはいたものの学術的な裏付けを前に改めて衝撃を受けた。
    制度云々より、有権者が立候補者ごとに個人レベルで比較検討しない事が、日本の選挙の最大の問題かと
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    投稿日:2014.04.14

  • フラビオ

    フラビオ

    2014年1月1日読了。2009年夏の大事件・自民党から民主党への政権交代とは何であったのか?について、小泉~安倍~福田~麻生と続いた自民党政権における「決められない政治」から、鳩山~菅~野田と迷走を続けた民主党政権の実際と、日本の政党政治の何が問題か・またそれをどうすれば改善できるかを提言する本。自民党が重要法案を通せず有権者に支持されなかったのは衆参ねじれによる部分が大きかったが、民主党政権が迷走を続けたのは民主党自身が政権運営できる能力を全く欠いていたこと、また有権者が政党の主張・実績を評価することができていないことが原因なのか。とはいえ、有権者の我々が望んだ現在の「決められる政治」が、結局現在の秘密保護法案の成立や中国・韓国との外交的対立を招いているのだから、政治というものにも唯一の正解はないものだ・・・。続きを読む

    投稿日:2014.01.01

  • Flooding Throne

    Flooding Throne

    今となっては空手形の別名扱いの「マニフェスト」だが、理念自体は決して否定されるものでないと思うし、考えてみれば公約のない選挙なんて怖くて参加できるものではない。公約の重要性は民主党政権の未熟さとは明確に切り離して冷静に議論すべき問題なのにと思っていたら、この本で見事に論じられていた。

    著者によれば原因は小選挙区制度にある。対立候補が互いに多くの有権者の支持を得ようとして総花的な公約を提示する結果、どの政党も政策が似通ってしまう。そしていざ政権を担当し公約を実行しようとすると、有権者の一方の期待に反する行動を取らざるを得なくなるというもの。

    また、有権者の側でも自らの意思が政治に反映されるという期待値が極めて低いため、次の選挙では政策ベースでなく単なる政党ベースや知名度ベースでの投票が行われ、勢い投票行動は現行政権への懲罰的な色彩を強く帯びることになる。

    かくして有権者が選択したというわけでもなく、実現性も高いわけではない政策を掲げる政権が誕生する。そしての公約が破られ、懲罰的選挙が行われ・・・というvicious cycleが成立してしまうというわけだ。

    政治改革が行われた90年代以降、殆どの選挙は政権担当政党の完敗(例外は小泉政権)であったことを考えると、小選挙区制に原因ありとの議論は非常に説得力がある。現在久し振りに安定的な政権を頂く日本だが、低学歴・低所得者が特に現行政権への不満を抱く傾向があることを考えると、何か一つのボタンの掛け違えで民主党政権のような混乱に陥らないとも限らない。今のうちに本書で検討されているような選挙制度改革を検討する必要があると強く思った。

    気になるのは題名。主題は明らかに選挙制度にあるのに、これだと民主党政権の総点検のみが中心であるような誤解を与えてしまい、損だと思う。また終章の展開が素晴らしいだけに、中盤までの民主党クロニクルがやや冗長だと思った。
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    投稿日:2013.09.08

  • unzarist

    unzarist

    民主党への政権交代前夜から、
    民主党政権における政権運営を概説し、
    日本の選挙制度の問題点を探る一冊。
    語り口が非常にわかりやすく、民主党政権を振り返るのにちょうど良い。
    また、有権者が選挙に際し何を見ているかを明らかにした上で、
    その態度を受け入れた上で最適な選挙制度を提言する姿勢には
    好感が持てた。
    続きを読む

    投稿日:2013.02.11

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