【感想】現場力の教科書

遠藤功 / 光文社新書
(19件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • つー

    つー

    最近私の所属する会社でも現場主義や現場力と言った言葉をよく耳にする。当たり前の事だが、利益の大半は現場(全国の営業所や支店など)で作られているから、私の所属する本社組織などは現場を徹底的に支援せよ、足を引っ張るなとの事。確かにそれには何ら否定する要素もないし、その方向で考えている。一方で現場の裁量は低く、徹底的にルールや権限は統制されており、尚且つ本社からの通達やらで次々とあれやれこれやれの指示の連発。これで本当にスピーディに対応できるのかと不安に思う。会社は社員にビジョンを指し示し、会社の使命や社会における存在意義を持ち、そして戦略や当面の計画を立てていく。社員にそれを浸透させるための全社会議などもやってみたりする。誰が見ても崇高な理念と、夢のある計画になっているが、最終的にはそれを実現するのは現場のオペレーションである。いかに崇高な理念も実現しなくては何も意味を持たない。実際はその様な企業は沢山あるのではないだろうか。
    この実践力に着目した講義を書籍としてまとめたものが本書である。
    現場力とは何かに始まり、その必要性及びそれらを高めるための考え方について、実際に成功している企業を例に挙げ、体系的に判りやすく伝えている。経営の参考書でもよく取り上げられる花王やトヨタの事例だけでなく、特定の分野で無くてはならない存在となった中小企業やローカルのスーパーまで多くの好事例を取り上げている。いずれの現場も最前線で闘う社員のボトムアップの取り組みから始まっていく。それが一方的に単発で終わらない様にする為には、トップダウンでその様な取り組みを推奨し、適切に評価する仕組み作りが合わさらなければならない。現場オペレーションと経営戦略は相互補完の状態にすることが重要だ。
    また単に推奨するだけでは、中々実施に至らず、社員個々に自発的・自主的・自律的なマインドを醸成する取り組みも必要になる。そこに何か決まった定型的なやり方は無く、それぞれの会社にあったやり方を探す必要性も強く感じる。
    その様なマインドの醸成に役立つのは社訓やクレドなどだが、これも単に決めるだけにとどまらず、現場社員一人一人が意識するよう会社が取り組む事が重要だ。
    昨今、働き方の自由度や、働き手のライフスタイルに合った就業体制がある事が、採用に際しても非常に重要度を増してきた。在宅ワークなどは当たり前、フレキシブルな時間管理も必要、更に個々のキャリアプランに合わせた能力開発も会社が押し付けるのでは無く、自発的に取り組むような制度作りも必要になってきた。就労人口が益々減少し流動化も激しい。その様な社会環境の中で、いかに社員のライフプランやキャリアプランに合った働き方を提供できるかは人材獲得に向けた難題である。
    現場中心の自発的な取り組み、組織の壁に囚われない横の連携、加えて経営に反映させる縦の連携。縦横無尽に活躍できる機会を現場に与えていく事、そしてその様な自発的社員を増やしていくための制度作りを行なっていく必要性がある。
    本書を参考にその様な現場オペレーションと経営の融合にチャレンジしたい。
    続きを読む

    投稿日:2023.05.28

  • milktea

    milktea

    私は「現場支援をする事務方」だけど、どの様に支援するか考える時に、現場を想像する力も必要だし、何なら支援するという行為だってどんどん変わらなきゃいけない。私だってある意味現場にいるのだと思って読み進めてみた所、よい刺激を受けた。業務に活かしたい。続きを読む

    投稿日:2021.03.07

  • su

    su

    オペレーションが差別化要因になっている会社は確かにあると思う。戦略の実行に必須な力として現場力というものの定義と、その発生源と活かしかたについて整理されている。自社他社を見る際の新しい尺度になるのではないか。続きを読む

    投稿日:2018.04.24

  • HiroIwao

    HiroIwao

     とある課題図書として一冊読みました。
     以前から感じていることがある程度体系的にまとめられていたので,納得できる内容も多かったと思います。少し立場が変わったということもあり,今のタイミングでこの内容について読み直して,考え直すのもよかったと思っています。続きを読む

    投稿日:2017.11.12

  • nakahisashi

    nakahisashi

    経営戦略だ、管理会計だ、という話をしていると、つい一番価値を生み出す「現場」の大切さを忘れてしまい、机上の空論になってしまいがちだ。戦略も大切だが、戦略も戦術も推進力は現場にあることを忘れてはいけないと肝に銘じさせてくれる。現場力というとボトムアップばかりが言われるが、それを引き出すことこそがトップマネジメントだということもわかる。ただ個人的に言うとこの本は、『五能線物語 「奇跡のローカル線」を生んだ最強の現場力』や『現場論』を読むためにオリエンテーションとして読んだので、先に進みたい。続きを読む

    投稿日:2016.10.22

  • いっちー

    いっちー

    経営者側が必要な”現場視点”について、トヨタ自動車やヤマト運輸等の取組み事例が描かれており、すべての企業に当てはまる訳では無いですが、とても参考になる書籍だと思います。

    投稿日:2014.12.27

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