【感想】ルポ 餓死現場で生きる

石井光太 / ちくま新書
(30件のレビュー)

総合評価:

平均 4.4
15
9
2
1
0

ブクログレビュー

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  • ortieortie

    ortieortie

    世界の貧困問題のルポタージュ。

    石井光太さんのルポは事実を客観的に述べながらも、悲壮感だけでない部分もしっかり切り取る眼差しがある。遠い遠い国の話ではなく、自分達の世界の延長にあることを感じさせてくれる。

    同時に、こうした地域では良い悪いではなくもともとの習慣や風習、思考が前提として大きく違う。違いをわかったうえで支援をしていかないと穴のあいたバケツのように全く意味をなさなくなってしまうという事を感じた。

    どんな課題や問題であっても、まず相手を知ること、現状を客観的に正しく理解することが必要。
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    投稿日:2022.10.11

  • ばん

    ばん

    貧困や飢餓、ストリートチルドレン、少年兵、性犯罪、エイズ。
    漠然と大変な問題という認識はあったが、こんなにも悲惨な事だったとは。
    改めて自分が如何に満たされた生活をしているのかを認識し、何が出来るのかを考えさせられる本でした。

    著者が現地で聞いた話がリアルに書かれており、ショッキングな内容が多い。
    倫理に反した犯罪や人身売買等も書かれているが、現地の人達の気持ちや状況を考え、一概に否定していないのが素晴らしいと思う。
    我々の物差しで測れる事では無い。
    ただ、解決に協力は出来ると思う。
    もっと積極的に知って、行動していきたい。
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    投稿日:2021.08.29

  • ありんこゆういち

    ありんこゆういち

    餓死現場というよりも、飢餓の中で人々がどう生きていて、世界の中でどれくらいの人が絶対貧困状態にあって、彼らが決して救われないスパイラルの中にいるという事がひしひしと感じられます。
    偶然日本に生まれて相対的な貧困を感じながら生きてきましたが、この本の中で語られるような生活が、とても遠い所に感じられるのは事実です。彼らから搾取したもので豊かな生活をしている一部の人々の中に、自分も含まれているんだなと実感しました。
    世界が等しく豊かになるという事は、搾取する先が無くなるという事なので、何らか搾取する先を見つけて貧者を作り出すことになるのでしょうか。だとしたら悲しい事です。

    世界でどれくらいの割合の人が・・・。という数値を表しながら、石井氏が各国で見て来た事柄を語ってくれます。いかに教育というものが大事かという事と、一概に誤りを糾弾する事が貧しい人達の為になるのかは難しい問題だと感じました。
    人道的に間違っているとしても、そのシステムの中で生きている人がそこからはじき出された瞬間に、何もかも失ってしまうとしたら、必要悪という言葉の意味も変わって聞こえるのではないでしょうか。
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    投稿日:2021.05.17

  • だりあぽっぽ

    だりあぽっぽ

    久しぶりの石井さんの本。

    貧困についてやけど、その貧困を理由に生じる児童労働・教育・児童結婚と性・ストリートチルドレン・子供兵・エイズについて書かれている。

    それぞれ筆者が出会った人たちの個人のストーリーが紹介されるので、自分が思ってたそれぞれの問題が一概に言えないと痛感。

    とくに児童労働の話が印象的で、ハッとさせられた。
    児童労働と聞くと小さい子供たちが朝から晩まで長時間、低賃金で肉体労働させられて可哀想!と思ってたけど、実際はそうとも言えないなと。
    そこで働けなくなったら、本当に餓死しかない切羽詰まった環境。

    よくよく考えたら分かる事を気付かされた!
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    投稿日:2020.10.14

  • kaze229

    kaze229

    知らないままに いる
    ことと
    知らなかった とは
    ずいぶん 違う

    知らないままに する
    ことと
    知ろうとする のは
    もっと 違う

    石井光太さんの
    「本」に惹かれるのは
    そういうことなのだろう

    投稿日:2018.06.20

  • ヒラハラ

    ヒラハラ

    中学生向けくらいの本かな。
    しかし、どうなの?と思うのは、売春や児童労働、児童婚などについて、なにかと「先進国の人間がそれはよくないことだと言って批判するのがいいとは限らない」みたいな書き方が出てくること。確かに他に選択肢がなく、限られた中で彼らが選んだことかもしれないけど、先進国の人間は彼ら自身を非難しているのではなく、彼らにそれらの選択肢以外を用意してあげられない政治や経済を非難しているわけであって、統計の数字が彼らの現場を見ていないわけでもない。
    貧困、とくに国や地域、民族レベルの貧困、その原因や結果となる紛争は、子どもたちから未来を奪う。それはよくないことだというのは自明だと思う。

    「私たちの問題はたいがい問題を直す意志に欠けることではなく、直す方法を知らないことである。」(「資本主義が嫌いな人のための経済学」より)
    これに尽きる。
    続きを読む

    投稿日:2015.08.19

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