【感想】移動動物園

佐藤泰志 / 小学館
(9件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • sachi

    sachi

    ひりひりするなー。そこ書きますか…という汚さもふくめ、不器用な若者たちの、仕事をし、生きていく様子が胸に響く。自分はもう若くないわという実感とともに。

    投稿日:2018.02.05

  • hokkaido

    hokkaido

    生前は目立つ評価を受けずに夭折したものの、近年の再評価が著しい佐藤泰志のデビュー作。

    表題作をはじめとしてここに収められた3つの短編は、いずれも寄る辺なき労働者の生活をビビッドに描きだす。この時点で、独特の言語感覚に基づく風景や心理描写のテクニックが荒削りながらもみられ、その後の傑作に繋がる片鱗をうかがわせる。続きを読む

    投稿日:2016.07.02

  • kurodamanabu

    kurodamanabu

    表題作「移動動物園」他「空の青み」「水晶の腕」二篇。
    数少ない労働を題材に描かれる青春小説。
    いずれも主人公は20代前半から半ばほどと思われる。三者三様の仕事(動物の飼育と動物のお披露目、マンションの雇われ管理人、大きな工場での手作業)と、仕事を通しての人との繋がり、瞬間が息づいている。暑い夏の空の色や茂った雑草の匂いとか滴る汗の流れ方まで、描写が精緻。文学のテーマに暴力がブームの時代があった当時の残滓が香る。
    解説では、作者と同じ時代に育った村上春樹との対比が記されており、なかなかに面白かった。彼は、主人公を汚さない、お洒落な描き方をしているのに対し、作者は、泥臭く、どこか陰気な、静観したところがある、といった様な内容だった。
    「水晶の腕」が好み。
    自衛隊やあんちゃんと呼ばれる男はじめ、他の仕事仲間とのやり取り、最後のピンク映画を見る場面なんかはそこに発せられる空気が物憂げしくもあり惰性的な生き方が描かれており、個人的には印象深い場面で、とても良い。
    続きを読む

    投稿日:2015.12.05

  • 長老みさわ

    長老みさわ

    1977年発表の表題作と1982年、83年発表の2作品を収めた短篇集。
    普段は芥川賞の候補になるような作家の作品は読まないのであまり比べることは出来ないが、このように内面を掘り下げる作家はやはり、2015年近辺の現代にはそう居ないだろうなと思う。続きを読む

    投稿日:2015.06.14

  • oceanic-hope

    oceanic-hope

    夢中になって頁を繰るとまではのめりこめず。
    でも、「水晶の腕」はそこそこがっつり読めた。
    淡々とした筆致の中に、宝物が隠れてる気配。

    投稿日:2011.07.31

  • todo23

    todo23

    久しぶりの純文学。
    重い話はどうかな、と思いましたが、意外にのめりこんでしまいました。

    しかし、何で純文学と言うやつは、閉塞感があってどこか虚無的なのだろう。この本を読みながら、そんな事を考えていたのですが、逆ですね。私が勝手に閉塞的で虚無的な作品を純文学に分類してるだけのようです。
    純文学の本当の定義ってなんでしょうね。おそらく「作者がやむに止まれぬ衝動に突き動かされて書かれる作品」なのでしょう。確かにこの作品にはその雰囲気があります。

    ちなみにこの本、3つの短編で出来てます。
    表題の「移動動物園」はかなり閉塞的ですが、最後の「水晶の腕」は先に灯りが見えるようで気持ち良い作品でした。
    続きを読む

    投稿日:2011.06.22

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