【感想】鳩のなかの猫

アガサ・クリスティー, 橋本福夫 / クリスティー文庫
(35件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
8
10
11
2
0

ブクログレビュー

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  • うめきち

    うめきち

    このレビューはネタバレを含みます

    これまでの作品の中で、トップクラスに犯人の目星がつかず、思考を巡らされた作品だった。
    怪しいと思われる人が殺されたり、白と思われている人が実は怪しい人のうちの1人だったりと、面白い論理の展開だった。

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    投稿日:2024.03.11

  • あくら

    あくら

    ポアロシリーズだということを忘れてしまうくらいポアロが出てこない。
    名門女子校で起こる殺人事件と中東の王国での革命騒ぎ。
    この2つの出来事が徐々に繋がっていき、全容が見えてくるという構成が面白い。
    人的に、物語の舞台が屋敷とか豪邸ではなく“学校”であることに新鮮さを感じた。
    メインキャラのほとんどが女であり、彼女達の思惑が交錯するストーリーも良かった。
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    投稿日:2024.02.04

  • オズ

    オズ

    物語は壮大に二つのパートにわかれている。
     一つは革命が起きた中東の地ラマット。国王であるアリは信頼出来る友人のボブと国からの脱出を目論見ながら、王家に伝わる宝石をボブに託す。ボブは人知れず宝石を国外に持ち出す算段をつけて行動する。その後、革命に巻き込まれて彼らは命を落とすが、肝心の宝石は行方知れずのまま。
     一つはロンドン郊外にある名門女子校メドウバンク校。バルストロードは一代でメドウバンク校を立ち上げたやり手の校長。学校は倍率も高く王族等も通う。特徴的な教員が在籍しており、優秀な人達が多い。
     今作はこの二つの側面が合わさって、サスペンスミステリーの様相を持つ。謎解きの中心はメドウバンク校での事件であり、ラマット国の革命はバックボーン的なイメージだが、彼の国から持ち出された宝石がとある理由からメドウバンク校に持ち込まれていると考えられる事が事件が発展する要因になる。
     警部のケルシーやスパイのアダムも魅力的ではあるが、最大に貢献したのはジュリアという女学生であり、彼女が「マギンティ夫人は死んだ」に出てくるサマーヘイズ夫人の姪っ子でポアロの噂を聞いており、学校を抜け出して彼に相談にきた事、更には今までの事件からとある事実を推測し確信に触れている部分は優秀で、彼女がポアロに相談しなければ間違い無く事件は解決しなかっただろう。
     人物として、校長であるオノリア・バロストロードはとても優秀な人物で、考え方や人の導き方、生き方がとても立派で、外国人として対面してきたポアロにも偏見などを持たずに相対している。また、元諜報部員のサットクリフ婦人も個性があり、彼女を捕まえれば事件は難なく解決だった訳だが、旅をしており終盤まで警察も協力要請出来なかった。メドウバンクはこの後とても難しい試練を進むが、バロストロード校長をはじめ困難に立ち向かう人物が魅力的に描写されていてきっと上手く立ち直るだろうと予測できる。
     事件を整理した上で犯人は学校に潜入しており、必ず誰かに化けているはずで、ポアロは捜査として先生方の親まで調べ上げ捜査をする。ポアロ自体登場は終盤になるが必要な部分を効果的に調査し事件を真相へと導く。また、犯人判明した後もとある理由で読者は驚かさるわけだが、流石はクリスティ、一筋縄ではいかない仕掛けだ。物語の結び方も好きで、そういう結末もいいなあと感じた。国王が海外に持ち出そうと策略した巨額な宝石を巡るサスペンスミステリーだ。
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    投稿日:2023.11.29

  • クーコ

    クーコ

    イギリスの名門校で教師が殺害される。その少し前に起こった中東での革命で、莫大な価値を持つ宝石が消え失せた。この二つの事件の関連は?
    ここに誘拐事件なんかも絡んできて、事件だらけ。ポアロも中々出てこない!!続きを読む

    投稿日:2023.09.19

  • JINTA(じんた)

    JINTA(じんた)

    名門女子校で女性教師が殺害される。いかにもサスペンス、ミステリーに向いた設定。タイトル「鳩のなかの猫」とは言い得て妙。肝心の名探偵ポアロは中盤まで中々出てこないが、終盤の謎解きはあっぱれ。

    投稿日:2023.08.25

  • Mkengar

    Mkengar

    アガサ・クリスティの小説の中でも異質な女学校が舞台となった作品です。さらに謀略のにおいが冒頭からしています。職員も含めて女しかいない学校、しかもそこで次々と起こる殺人事件の背後には、どうやら某中東国の財宝がからんでいるのではないか、ということで、この設定だけで十分読むのにそそられました。本書は登場人物もなかなか個性的でいいです。先生陣、生徒たち、そして母親と基本的に女性しか登場しませんが(ポワロもかなり後半での登場)、それぞれが全然違う個性を持っているので、頭の中で整理しやすかったです。あいかわらず難しい犯人探しやその動機など、アガサ・クリスティの切れ味鋭い筋書き作りは健在です。連続殺人事件が起こるにもかかわらず、かわいらしい女学生の活躍や謀略サスペンス的な要素が、本書をなんだか爽やかな物語にも仕立て上げています。凄惨で陰鬱な推理小説に飽きた方、そういうのが嫌いな方はぜひ本書を読んでみてください。続きを読む

    投稿日:2023.04.24

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