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田畑則重 / 新潮新書 (9件のレビュー)
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総合評価:
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reinou
このレビューはネタバレを含みます
2005年刊。日露戦争の帰趨を制した外債発行とその消化。高橋是清らの尽力で日本は成功、他方、ロシアは失敗に帰した。日本の外債発行・消化に大きく影響を与えたユダヤ人米国在住の銀行家がいた。その名はジェィコブ・シフ。本書の軸は、叙勲に際しての彼の訪日記の抄訳・意訳。また、シフの人物像を著者が簡明に解説。ただ、訪日時期の日記のため、起債状況や交渉に触れられず、明治後期の日本の風物見聞録、日本政府要人や高官とのパーティの様子のみ描述。記録としては一読してもよいが、何か新たな発見があるとは言いがたい。改変も疑問符。
投稿日:2017.01.21
W. Yuriko
戦時資金をどう調達するのかというのはあまり知らなかったし、日露戦争で軍以外のどういう人たちが活躍していたのかが分かって勉強になった。 個人的には第一章の内容をもっと膨らませて欲しかった。第二章は本当に…ただの日記で、物語性は出るものの、歴史的な視座を与えてくれるものではなかった。続きを読む
投稿日:2014.01.22
booklogpiroshi
日露戦争とアメリカ文学の関係を調べていたらなぜか行き当たった本。 明治に活躍した人物があちこちに登場して、日本史の理解が立体的になります。 私も当時の日本を旅してみたい。
投稿日:2014.01.08
unzarist
日露戦争時の日本国債に、 「帝政ロシアのポグロムに苦しむ同胞を解放する」という大義名分から 投資したとして名高いシフを主題とした一書。 最初に日露戦争時のシフの立ち回りを概説した上で、 日露戦争後に日…本を訪れたシフの日本滞在記を掲載している。 文章量が少なくサックリ読める反面、後書きに筆者がつづっているような 「なぜシフが新興国日本に投資したのか?」という思いを 日本滞在記から読み解くことは難しく、 ただただ日本側のシフに対する国を挙げての厚遇振りに驚かされた。 天皇、元老、その他の政治家をあげての歓迎ぶりには シフの果たした役割がどれほどを大きかったのかを感じざるをえない。 筆者の狙いを果たすという意味合いでは、 ただ日本滞在記を掲載するのではなく、 要所要所に筆者の解説を頻繁に挟んでいくなどして 読者の思考をリードしていくような仕組みが用意されていてもよいのでは と思った。 とはいえ今までまったく知らなかった日露戦争の一面に触れることができ 大変有意義な一書であったといえる。続きを読む
投稿日:2012.04.14
cronista
戦争を始めるには兵力と大義名分と金が要る。日露戦争をはじめる当時の日本にはとにかく金がなかった。外債の募集を諸外国に求めても日本が勝つとは思っている国なんてないので、絶望的に集まらない。高橋是清の尽…力で、やっことさ同盟国のイギリスが買ってくれたが、それでも目標の半分にしかならなかった。そこにひょっこり現れたのがユダヤ人投資家シフだ。 当時のロシアはユダヤ人を迫害していた。シフは同胞を窮地から救うために日本に投資を決断した。 とここまでは、『坂の上の雲』をテレビで見たり、本を読んだ人なら知っている内容。 もっと詳しく知りたくてこの本を読んだのに、これ以上のことはほとんど書いていない。 シフの滞日記を基に、彼は投資家だから、義憤だけで投資したとは思えない、なんらかの目算があったのではないか、と著者は言うが、言うだけで論証作業をしてない。大学の卒論なら間違いなく落第だ。 シフの日記も中学生が卒業文集で修学旅行の思い出を語っているレベルのものだ。 なんのためにこんな本を書いたんだ、この著者は。 続きを読む
投稿日:2012.03.06
のり
日露戦争は、ユダヤ人銀行家のジェイコブ・シフか戦費の4割を調達した事から戦う事が出来た。本書はシフの評伝と戦後、来日した時の日記で構成されている。この日記を読むと明治日本を旅しているような気分が味わえ…て面白い。それにしてもセレブはタフでないと勤まらないのですね続きを読む
投稿日:2011.12.17
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