【感想】ちっちゃなかみさん 新装版

平岩弓枝 / 角川文庫
(19件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
1
8
6
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • nyan0620

    nyan0620

    時代小説は、舞台となった時代以上に執筆された時代を映し出すのかも。
    冒頭から、真面目で生き方が不器用で、貧乏くじを引いてばかりいる女性の愚痴交じりの話がいくつか。女性ならではの視点・・・という言い方は嫌いなのだが、昭和40年代の女性の匂いがした。

    「なんでも八文」には、恵まれた地位にいるけど、人としての器量の足りない女性が出てくる。周りにそっぽを向かれて孤独を感じるとこで終わるのだが、これはどうなの?と正直思った。古今東西、恵まれた地位にいる、器量の足りない男性の方が、はるかに迷惑・・・という話はおいても、そんな彼女の人生の逆転ホームランみたいな落ちが読みたかった。しかも、自らの非を悟った彼女は、後年いい人になりました・・・みたいなのじゃなくて、三年寝太郎みたいな斜め上のどんでん返し。気が利かないからって、なんなのよ!と言ってやりたい。

    私は、後半の作品の方が、好みだな。
    続きを読む

    投稿日:2023.07.22

  • ayu

    ayu

    偉い人におすすめの本を聞いたらこの本を教えてくれたので。
    難しいことばがたくさん登場するけれど、なぜか読みやすくてスルスル読めてしまう感じすごいなって思いました。
    少し前の時代の日本にも、色んなかたちの愛が存在するんだなあと感じられるお話たちでした。続きを読む

    投稿日:2023.07.10

  • 二十日

    二十日

    このレビューはネタバレを含みます

    「ちっちゃなかみさん」は胸がしめつけられるような切ないお話なのですが、
    いくつかのお話はとても嫌な人間が出て来ます。

    自分の浅ましさ身勝手さにに苦悩して必死に向き合おうとしたり
    自分がどんな嫌な人間か理解出来ず、自分が陰口を言われているのを耳にして自分のどこがどう悪いのか知ってしまってさえそれを恥じて変えようとしない人の話も。

    感動出来るお話だけをまとめた作品ではないので
    読後感が微妙なのですが

    人間の醜い部分を突きつけられるようで
    若い頃良くない態度を取ってしまった事や
    外に出さなくても内心思ってしまった良くない事などが思い出され、
    そういうものが客観的に見るとこんなにも悲しいものだと思うと
    日頃から自分の言動には注意しなければならないと改めて思った次第です。

    良い本というのは
    面白い本、感動する本だけではなく
    その人の中に残って
    それを助ける本だと思っています。

    面白い本は心を弾ませてくれるし
    感動する本は気持ちを浄化してくれるような気がします。
    嫌な気分になる本でもそれを覚えておいて
    自分を律するのに役立つならそれも良い本です。

    この本は感動したり嫌な気分になったりで
    色々お得感があるのではないでしょうか。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.02.27

  • tikuo

    tikuo

    老舗の料亭の娘、お京は、数ある縁談を断り、出入りの豆腐屋の信吉を見初める。しかし、信吉はその気持を受け入れず、頑なに拒むのであった。ある日、こっそり信吉の店を覗きに行ったところ、小さな子供たちが信吉の家の家事を行っているではないか…。

    色々あるものの、大方が縁談の上手くいく行かないといったたぐいの短編集である。おしゃれげだからと気軽に時代物のライトノベルを書いている作家と違い、文章に安定感があるので読みやすい。

    何本有ったっけな。結構細かくて、さらには時代物特有のオチがふんわりとなって引きで締める、みたいな、現代物を読み慣れた我々にとっては、インパクトを受けにくい作品があるが、いくつかはかなり衝撃的な内容であろう。

    日本昔話のような『かみなり』もそういう作品の一本で、個人的にとても好きな作品である。

    この作家の魅力の一つが、わかりやすいが無理のない言葉の選び方であろう。ブンガク然とした、時代考証的なカチカチの文でも、あのへんとかあのへんのように「剣呑な」なんて言葉を乱打するような文でもない。さらっと「このコンビは」なんて言う言葉を入れてきたりする自然さかつ、なんでもかんでも「ちゃんすであると」なんて言うわざとらしさもない。最近そんなんばっかり読んでたな。

    長編を読んでみないとなと思うが、時代物苦手なんですよね。
    続きを読む

    投稿日:2021.05.10

  • hemulen

    hemulen

    もらった本。
    江戸の人情話の短編集。文章が格調高い、で、読みやすい。
    どうする??どうなる??と読み進めると全部読んじゃう。温かい目線。人間が根っこしっかり張って、生きてる!!!
    結末、すっきり!ではなくて、うっすらと物悲しいのが多い。続きを読む

    投稿日:2020.11.10

  • yueli

    yueli

    時代物短編集。面白くないわけではないが、なんだかスッキリしない終わり方の物が多い。可哀想というか、救われない人がいるというか。しかも、後半に行くにしたがって重くなっていくようで、段々読書スピードが落ちてしまった。
    うまくいかない夫婦、男女の話が多いのは、この作家の特色なのか。
    続きを読む

    投稿日:2016.01.06

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。