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谷知子 / 角川ソフィア文庫 (20件のレビュー)
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観領
百人一首を学び、味わうのに、入門として誰にでも薦められる好著。 個人的には、右近の「忘らるる身をば思わず誓いてし人の命の惜しくもあるかな」の深い読みに震撼させられました。
投稿日:2024.05.30
agjmd
百人一首について勉強しようかと思い、買ってみた一冊。一首につき、2〜3ページの解説がされている。解説がコンパクトなので、気に入った一首、気になった一首とかをサクッと知りたい時に便利である。 和歌とい…うのは、「出会いや別れ、ある風景を前にしたとき、恋に落ちた瞬間など日常生活の一齣」に「心のときめき、緊張を感じ」た「ハレ」の瞬間を捉えた写真集のようなものだ。そんな考え方から、和歌が捉えた「ハレ」の「瞬間」を解説する姿勢が一貫してるので、和歌の一つの楽しみ方が、読み終わったときに身についているような気がする。 特に、目に見えない気持ちや感覚を、目に見えるもので「描こう」とするところに、和歌の表現があるという説明で、かなり和歌の楽しみ方が変わった実感がある。 「難波潟短き蘆の節の間も逢はでこの世を過ぐしてよとや」では、恋人会うことのできない時間が、たとえ短い時間であっても待っていられない気持ちを伝えるのに、「蘆の節の間」に託していると読む。「蘆の節の間」は、視覚的に見える空間的な短さだけれども、それ一気に恋人と離れている時間の短さに転じている。 こうした目に見えないものを、目に見えるもの託す、比喩と見立てが和歌の一つの表現なのだ。 こんな解説を百首分も読んでいると、次第に和歌の描く風景を、それを詠んだ人の情景として見ようとする。そうすると、何も知らずに読んだときとは、違った歌に見えてくる。それが楽しかった。 他にも、歴史的背景や歌人同士の人間模様など、別の楽しみ方も触れられている。ただ、似たような名前と人物関係がこんがらがって、まだまだそうした楽しみ方には程遠い。割と、自分自身が、歌の言葉そのものには興味はあっても、その人物模様にあまり興味がないのかもしれないなとも思った。 いずれにせよ、和歌の楽しみ方を、ちょっとお堅めの文章で初めて学ぶ一冊として、いい本だと思う。続きを読む
投稿日:2024.02.12
司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)
「古典を難しく感じるのは、時代背景が分からないと作品の内容が理解できないところにある。ビギナーズ・クラシックスシリーズでは古典の原文→その現代語訳→さらにその部分の解説という構成になっているので、当時…の風習などを理解しつつ、原文の雰囲気を味わいながら古典に親しむことが出来る。」 (大居雄一『身になる読書術』の紹介より。続きを読む
投稿日:2024.01.14
サラゲ
子供が中学生のときにすべて暗記していたが、この本はその歌の内容の解説があるので、意味がわかっていいと思う。ドラマ鎌倉殿で、源実朝様に興味を持ち、百人一首にもその歌があるとのことで、家の本棚にあったこの…本を読んでみました。続きを読む
投稿日:2023.11.02
ゆきなし
昔から好きなのは「さびしさに宿を…」なんだけど、今回は38番「忘らるる身をば思わず誓ひてし人の命の惜しくもあるかな」も面白かった。 ううん、私のことはいいの。ただ、私との愛の誓いを破ったあなたが神罰で…死ぬのがとっても残念で…と、悲痛な顔で中指立ててそうで笑っちゃった。続きを読む
投稿日:2023.09.07
ゆうや
全部じっくり読めてはいないのですが、百人一首は授業で覚えさせられるもの、という今まで抱いていた負のイメージを払拭するきっかけになった本。 解説文が個人的に読みやすく、親しみを持って歌に触れることができ…ました。お気に入りの歌は、 一五「君がため春の野に出でて若菜摘むわが衣手に雪は降りつつ」 八四「ながらへばまたこのごろやしのばれむ憂しと見し世ぞ今は恋しき」続きを読む
投稿日:2023.08.06
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