【感想】もののけの正体―怪談はこうして生まれた―

原田実 / 新潮新書
(12件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • dramaticseimei

    dramaticseimei

    もののけ、妖怪の類をなぜ発生して、どのように日本文化に落とし込まれ、民衆の間で機能していたのかについてを有名な妖怪をメインに扱いながら読みやすい文章で示してくれている。宗教にしろ、精霊にしろ、妖怪にしろ、あらゆる物事にはそれが発生する所以があり、それが長い時を経て文化にさえもなることを教えてくれる。読み応えがあった。

    手軽に読めるもののけの構造分解書入門として良いと思う。京極夏彦作にも同じようなものがあるが、雲泥の差で読みやすい。京極著はまじで素人を粉砕してくる笑
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    投稿日:2024.01.08

  • enato

    enato

    日本の夏といえば怪談。怪談といえば妖怪や幽霊などの「もののけ」達の出番です。お岩さんに河童に豆腐小僧と、日本にはたくさんの種類のもののけがいます。本書ではそんなもののけ達について、くわしく紹介しています。暑い夏を、ヒヤッとするお話で乗り切るのはいかがでしょうか。続きを読む

    投稿日:2014.07.31

  • Pseudoscholar

    Pseudoscholar

    このレビューはネタバレを含みます

    日本の「もののけ」(妖怪)の姿やあり方を、江戸期のもののけの様相を中心として考察・解説した本。「鬼」・「天狗」・「河童」などメジャーなものから、「累」・「化け猫」・「豆腐小僧」と言った江戸期の活躍したもの、更には琉球・蝦夷地のものまで幅広く紹介している。
    個人的に参考になったのは、第三章「『百物語』のもののけたち」である。この章では『絵本百物語』に登場するよう妖怪(の一部)を解説しており、特に「舞首」の起源に関する説は大変興味深かった。また第四章・第五章で取り上げられた琉球・蝦夷地の妖怪に関する解説も初めて知る事が多かった。
    ただ、いくつかの記述に間違いがあったほか、妖怪の解釈について疑問のあるものもあった(『付喪神絵巻』のテーマなど)。

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    投稿日:2013.02.04

  • わっさん

    わっさん

    ●:引用 →:感想

    ●(前略)怪談映画や怪談本の中の幽霊、特撮映画やテレビの中の怪獣、ゲームの中の幻獣、ファンタジーの妖精なども、彼らの同類とみなすこともできるだろう。
    →妖怪は怪獣などとは違い、創造されたものではないと思っていたが、実は同類のようである。

    ●江戸時代の人々もまた、作り物のもののけを見て、大いに楽しんでいたわけである。そうした作品の中にはしばしば、もののけは見る人の心の産物といった意味の表現がでてくる。つまりは現代人とさほど変わらないもののけとのつきあい方もあったわけだ。また、妖怪の創造に女性差別が存在してなど考えたことも無かった。

    ●人間はとらえどころのない恐怖に仮の名や姿を与え、それを克服しようとした。恐怖の対象をいったんキャラクター化してしまえば、それを退治したり追い払ったりすることが(たとえ、まねごとだけであっても)可能だからだ。(略)いわば、もののけは恐れられるものであるとともに、人間が過剰な恐怖に捉われるのを防ぎ、恐怖をコントロールするためにも役立っていたのである。

    ●現代においてもののけを考えてみると、1960年代以来、幾度も繰り返されてきた妖怪ブームもまた、現代人が反省の意味をこめて、もののけたちに新たな意味を与えようとした試みだったといえよう。(中略)つまりはその作品が描かれた時期の人にとってもっとも身近な恐怖を妖怪として形象化し、さらにその妖怪が引き起こす事件が解決される様を示すことで過剰な恐怖から読者・視聴者を解放する役を果たしていたわけだ。

    妖怪と女性差別
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    投稿日:2012.02.05

  • turunokai

    turunokai

    鬼や天狗はどこから来たのか怪談とはこうして生まれたのだと民俗学に近い本ですが妖怪が沢山出てくるし本自体もそんなに厚くはないので軽く読むのに最適です。

    投稿日:2011.08.25

  • あるふれっと

    あるふれっと

    怪談の歴史を紐解きながら、時代背景と怪談の成立順序から、もののけがいかにして生まれたか。日本人に愛されてきたか。を民俗学的視点で、説く一冊。(愛されるというのは、怖がられたり、教育に使われたり、日本人の生活に必要とされて、受け入れられてきたことを指す。)「鬼」「河童」「天狗」など代表的なものから、「寝肥り」「二つ口」などマイナーでもよく知られていもの、アイヌや沖縄のもののけなど、幅広く紹介している。民俗学的見地から怪談の歴史が、「うる星やつら」「ゲゲゲの鬼太郎」など現代文化に繋がるところが特に面白い。続きを読む

    投稿日:2011.03.23

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